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2008年10月

麻生首相、“選挙の顔”が選挙をできなくなって、それで目くらましが出てきたということか。

 麻生首相が今は「経済対策」優先ということで解散総選挙を見送った。思い起こせばマスメディアを利用して総裁選報道を大々的に展開させた“選挙の顔”であったのにと思う。

 麻生首相が今解散総選挙に踏み切れないということは、口では政治空白をつくっている場合ではないと言っているが、本当のところはこれまでやってきた自・公政権の政治では選挙は闘えないと考えたからだろう。

 それで今回の「経済政策」だが、だれのための「経済対策」かと思う。

 証券優遇税制の延長というのがある。株式などの配当や売却益にかかる税率を本来の半分に軽減しているものだ。自分にはまったく関係ない話だ。

 だいたいこのような税制で証券投資を活性化するということだが、そもそも証券投資が活性化しすぎたからこそアメリカ発の金融危機が起きたのではないのか。今必要なのは証券投資の抑制であり規制強化ではないのか。「貯蓄から投資へ」。うまい話でカネをまき上げようという話の延長なのではないのか。

 住宅ローン減税を過去最大規模にするというのがある。これも自分には関係ないナ。

 人生の夢の一つである住宅を購入してなおかつ大幅な減税をしてくれる。こんないい話はない。しかし住宅ローンを返済し続けるためには雇用の安定が必要だ。今雇用の安定が約束される職場とはどういう職場なのか。日本の雇用労働者の圧倒的多数は中小企業に勤めているという。今日本の中小企業が不安のない安定した職場といえるのか。

 高速道路の休日1,000円限定、乗り放題というのがある。乗用車だけだという。東名・東北・関越と、どこまで走れば1,000円になるのか知らないが、それなら休日のたんびに走ってみようかと思う人もいるかもしれないが、これも自分とは関係ない話だ。

 国民だれにも給付金。これは関係ありそうだ。一人当たりいくらになるのか知らないが、もらったらどのように使おうかなどと考えたりする。
 しかし今年の5月あたりにアメリカでも戻し減税というのがあった。一人当たり6万円けんとうだったと思う。直後の2ヶ月ぐらいは小売売上も上がって景気回復のようにも見えたが結局しりすぼみ。ひょっとしてこの間隙をぬって解散総選挙なんて作戦ではと思ったりする。

 この程度の“てみやげ”で3年後の消費税値上げができれば安いもんだということだ。 いろいろ考えてみるとこの「経済対策」自分のようなものにはあまり恩恵のないもののように思える。だとしたら解散総選挙で新しい政治を模索するほうがずっとプラスのように思える。

 麻生総理大臣よ。今は解散総選挙をやっている場合なのだ。(2008/10/31/No.73)

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今や「蟹工船」に続けて「搾取」ということばの復活があっていい時代ではないか

 一昔前「搾取」ということばが今よりは良く使われた。マルクス経済学で有名になったことばだが1991年のソビエト崩壊による「資本主義の大勝利」以来あまり使われなくなったような気がする。

 しかし17年がたった今年のできごとを見ていると、そのことばが脈々と受け継がれていたのだと感じさせる。

 つい先日、どこぞのテレビで自動車工場が多く進出している北九州の地でワンルームマンションの空室が増えたとか居酒屋の客が減ったとかのニュースを流していた。自動車工場で派遣社員を切っているのだという。

 一方ヨーロッパのハンガリーが急激な通貨不安に直面しているというニュースもあった。「外国投資家が新興国から資金を引き揚げる動きが拡大」(10/22/NIKKEI NET)しているのだという。

 アジアのインドの通貨も下落しているのだという。理由はハンガリーと同じ。

 これらの国々の特徴は国内の労働賃金水準が安いこと。それに目をつけて外国資本が生産拠点にと投資する。しかしこれらの国々は低賃金水準であるがゆえに国内の消費水準が高くない。当然輸出が頼り。

 ところが今やアメリカもヨーロッパも経済危機。輸出に頼るこれらの国々は当然甚大な影響を受ける。そこで資金の引き上げというわけだ。

 国内の生産部門に派遣社員が大量動員され、海外の低賃金水準の国々に生産拠点が移される。“マネー”の源は低賃金からつくり出されるのだ。“有能”な経営者と専門職、そして“優秀”な社員たちは“マネー”の源ではない。彼らはその源から生まれる“マネー”を運用してべらぼうな、あるいはそれなりの収入を獲得する。

 そして“有能”な経営者と専門職、そして“優秀”な社員たちは失敗したら日ごろから懇意にしている政治家たちから税金投入という形で助けられる。

 今自動車産業はアメリカ、ヨーロッパの景気の落ち込み。円高による売上の落ち込み、そして株価下落による含み損の発生等で派遣社員を切っている。会社を守り“優秀”な社員たちだけは守るために。

 しかし“有能”な経営者と専門職、そして“優秀”な社員たちだけでは“マネー”の源にはならない。派遣社員を切ったらその次は“優秀”な社員たちの低賃金化だ。

 資本主義の膨張には低賃金がかかせない。「搾取」によって資本主義が膨張する。そして破綻する。2008年というと年は「蟹工船」とともに「搾取」ということばの復活する年としたい。(2008/10/25/No.72)

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解散総選挙は間近 !!? 民主党を採決にかりたて“重要法案”の早期成立をはかる高等戦術だったりして

 来月末にも総選挙投票かとの発言が自民党幹部などからまことしやかに流されている。細田博之幹事長は「早期解散が首相の意向だと明言した」(10/18/NIKKEI NET)という。

 前号(2008/10/19/No.70)でも触れたように小泉元総理も「『遅らせれば遅らせるほど、与党にとって状況は悪くなるので、選挙はできるだけ早いほうがよい』と述べ」ている(NHK HP)。

 たしかに状況はそういうふうにはなっているようだ。アメリカの政府当局者は今後何回かの4半期でアメリカ経済が減速するとの見通しを語っている。

 日本政府も10月の月例経済報告で景気の基調判断を「弱まっている」として前月より引き下げた。「主要11項目のうち、6項目を同時に下げたのは1998年4月以来10年半ぶり」とのこと(10/21/NIKKEI NET)。

 日銀も10月の地域経済報告で、国内の全9地域の景気判断を下方修正(NIKKEI 前同)。

 こうした状況を考えると小泉元総理の「『遅らせれば遅らせるほど、与党にとって状況は悪くなるので、選挙はできるだけ早いほうがよい』」という発言もうなずける。

 しかし細田博之自民党幹事長の「早期解散が首相の意向だと明言した」という発言はどう理解すべきなのだろうか。官房長官とともに総理大臣に最も近い存在の最高幹部だからそのまま素直に受け取ればいいのだろうか。

 しかし衆議院の解散は総理大臣のみに与えられた憲法上の大権。その総理大臣は具体的には何も約束しているわけではない。

 もしかしたら民主党が望むように早期の解散総選挙を実現するためには「インド洋給油延長法案」等重要法案を早期に成立させることが前提、との信号を暗に送っているのかもしれない。

 それに“呼応”するかのように民主党は同法案をわずか2日の委員会審議で採決することに同意。今日衆議院を通過した。もちろん民主党は反対した。しかし衆議院3分の2以上の再議決で成立することを十分承知のうえでの採決同意だ。

 早期の解散総選挙を“エサ”に重要法案の成立をはかる高等戦術だったら民主党はどうするのだろう。細田博之自民党幹事長の「早期解散が首相の意向だと明言した」という発言がひるがえされたら一般社会ではもうあの人の言うことは信用しないということになるだろう。しかし政治の世界ではうまいことしてやられたとむしろ評価が高まったりするのではないだろうか。

 衆議院の解散というのは「信を問う」という。だとしたらことの問題点を洗い出し双方の主張も出し合ったところで情報を等しく提供するということが重要ではないのか。

 解散してくれるなら、そのためなら何でも協力するというのでは民主党も追い風をつかむことができずに墓穴を掘ることになるのではないか。(2008/10/21/No.71)

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小泉元首相、解散総選挙を早く!と。金融界救済ではもはや実体経済がもたないと“震え”がきたか

 小泉元総理大臣がある会合で「できるだけ速やかに衆議院選挙を行うべきだという考えを示し」たのだそうだ。「今の臨時国会召集後の早い段階で衆議院の解散・総選挙に踏み切るべきだった」との認識も示したそうだ(10/18/7:8/NHK HP)

 少し前には来年9月の任期満了ギリギリまで引き伸ばすべきだとの見解を表明したこともあったのになぜ変わったのだろう。

 小泉元総理といえば不良債権処理の“元祖”だ。2001年に政権が発足した直後に発表された「骨太の方針」には前書きに続いて真っ先に「まず、不良債権問題を2~3年内に解決することを目指します」というくだりが登場する。

 そして2~3年の痛みに耐えればということになるのだが、結局7年たった今でも痛みっぱなしでむしろ痛みは広がった。

 その間大企業を中心に「史上最高益」の更新が続いた。しかしそれはアメリカや中国のバブルに支えられたものだった。

 今、アメリカ発の金融危機でまたしても公的資金を使った不良債権処理がなされようとしている。アメリカだけで75兆円規模と報道されている。

 しかし日本の過程と一つ違うことは今やアメリカの大企業を潤すバブルはないということだ。

 それどころではない。9月末の時点で世界の主要な証券取引所の株式時価総額合計が、過去最高だった2007年10月末に比べ2000兆円以上減ったもようだというのだ(10/1/NIKKEI NET)。

株式を大量に保有している大企業では当然設備投資の意欲が減退するだろう。今や年金資金等の公的資金が株式などで運用されているのは常識。その目減りは当然消費に影響するだろう。もちろん個人の投資家も購買力が低下するだろう。

 しかもこれは9月末時点の集計だ。10月に入って世界の株価は大幅に下がっている。時価総額はさらに目減りしているだろう。 

 最近原油価格が急落している。そのことが「中東産油国の財政を圧迫し始めた」のだという。「イランでは財政赤字が拡大」「サウジアラビアでも来年度予算の編成に影響を与える水準に近づきつつある」のだという(10/19/NIKKEI NET)。

 すでに報道されているようにアメリカの大手銀行等はオイルマネーから資本増強の資金を受けている。

 さらにここにきてヘッジファンドと呼ばれる投機集団に対して解約するから出資金を返せという要求が増えているそうだ。そのため所有の株式を売却して現金化し返却に当てていることが今の株安の一因でもあると報道されている。

 状況は日本の不良債権処理の過程とはまったく違っている。もはや金融機関さえ救済すれば世界の経済は回復していくだろうなんて楽観的な見通しは持てないのではないか。

 小泉元総理はその会合において「『遅らせれば遅らせるほど、与党にとって状況は悪くなるので、選挙はできるだけ早いほうがよい』と述べ」たそうだ(NHK 前同)。 

 不良債権処理を中心とした「構造改革」を掲げて登場し「郵政民営化」選挙で与党連合3分の2以上を実現した小泉元総理、今その一連の流れに対して“震え”がきているのではないか。(2008/10/19/No.70)

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世界の株価が急上昇・急降下。公的資本注入で枠組みが維持されるとホッとしたのだったが。

 世界の株式市場が騒然としている。13日の米株式市場でダウ工業株30種平均が前週末比936ドル42セント高の9387ドル61セントで終え、上げ幅が過去最大を記録した(10/14/NIKKEI NET)。

 それを受けて翌14日の東京株式市場は日経平均株価が急反発。連休前の10日比1171円14銭(14.15%)高の9447円57銭。「上昇率はバブル崩壊初期の1990年10月2日(13.24%)を上回り、過去最大を記録した」(10/14/NIKKEI NET)。

 かと思いきや、15日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均が前日比733ドル8セント(7.8%)安の8577ドル91セントで取引を終え「ダウ平均の下落幅は過去2番目の大きさを記録」(10/16/NIKKEI NET)。

 つられて16日の日経平均の終値は前日比1089円02銭(11.41%)安の8458円45銭で下落率としては1987年10月のブラックマンデー(14.90%)に次ぐものとなった(10/16/NIKKEI NET)。

 世界の株価が急上昇したのは金融機関に対する公的資金の大盤振る舞いが決まったから。たとえばアメリカはすでに日本円にして75兆円といわれる公的資金を投入することを決めているが、とりえず「総額2500億ドル日本円にして25兆円余りに上る公的資金を国内の大手金融機関の資本増強のために投入することを柱とする金融危機対策」が決まった(10/15/4:47/NHK HP)。ヨーロッパの各国も同じような政策を決めている。

 ところでアメリカが決めた資本増強策は「議決権のない優先株を買い取る形で行われ」るのだという(NHK 前同)。優先株というのは配当とか破綻の場合の資産分与とかで優先的に受けられる権利を持つ株式のことをいうのだという。国民の税金を使って投入するのだから当然といえば当然だ。

 しかし「議決権のない」ということはアメリカ政府は口を出さないと約束したということだろう。公的資金で私企業の株を買い、議決権があればその比率によっては事実上の国営企業となる。

アメリカ政府は国営化して経営に関与することはしない。あくまで私的経営に任せるという姿勢は崩さない。

 他方日本ではどうか。「安心実現のための緊急総合対策」というのがある。中川財務大臣が「財政演説」(平成20年9月29日)の中で説明している(自民党HP)。その中に「資源・食料価格も歴史的に見て高い水準にあるなど」というくだりがあってだから「価格の転嫁が困難な立場にある中小企業」等に対策を講じるという部分がある。

 それ自体には別に文句があるわけではないが、ではばぜ「資源」や「食料」が高騰したのかだ。それに投機が大きく影響していることは今や世間の常識だ。だとしたらこの投機をどうするかが「総合対策」の根幹だろう。「緊急」対策だから盛り込まれていないという弁明もできるだろうがおそらく手を付けたくないからやる気がないということだろう。

 アメリカは公的資金を投入しても口は出さない。もちろんすでにぼろ儲けしたした人たちの責任も問おうとしない。日本も投機の規制には触れない。マネーを転がせば思い通りの富が手に入るという世界にメスを入れつもりはない。あくまでこの枠組みは守るつもりだ。先の株価急騰はこの枠組みが今までどおり守られるということで安心が広がったということにほかならない。これで今までどおり金もうけができると。

 しかし思い通りに枠組みが守られたからといって万々歳というわけにはいかなかった。自分たちの金もうけの手法そのものが自分たちのクビを絞め始めてきた。

  9月のアメリカの小売売上高(季節調整済み)は前月比1.2%減で市場予測の平均(0.7%)を大幅に下回った(10/15/NIKKEI NET)。9月の欧州新車販売(主要18カ国)は、前年同月比9.3%減。9月としては1998年以来10年ぶりの低い水準(10/15/NIKKEI NET)。等々という具合だ。

 しぼんでしまった“泡”の後始末はしてくれそうだがもはや膨らますところが見当たらない。

 大量の税金を投入して守ってくれそうな枠組みはその枠組みゆえに崩れていく。
(2008/10/17/No.69)

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株価連続の暴落。麻生首相は総選挙“手みやげ”感覚の「景気対策」を連発している場合ではないだろう。

 世界の株価の暴落が続いている。9日のニューヨークダウ工業株30種平均は前日比678ドル安い8579ドル。「ダウ平均はちょうど1年前の2007年10月9日に1万4164ドルの史上最高値を付け」たということだからこの1年間で5,585ドル下落したことになる(10/10/NIKKEI NETから)。

 一方10日の東京市場、日経平均株価は前日比881円6銭(9.62%)安の8276円43銭で、「03年4月に付けたバブル経済崩壊後の安値(7607円)が視野に入った」(10/10/NIKKEI NET)とのこと。

 おそらく株式を大量に保有する大企業・大資産家、あるいは退職金などつぎ込んだ割と裕福な層では騒然としているのだろう。テレビニュースも毎日のように取り上げている。

 そうした中で麻生首相が「景気対策」を連発している。しかしこの「景気対策」、解散総選挙を先送りする口実として、そしてその解散総選挙の “手みやげ”にするという感じが強い。

 たとえば公明党が主導して進められている「定額減税」、算出された税額から一定額を差し引こうというものだが、確か05年度までは定率減税というのがあった。こちらは算出された税額から一定率を差し引こうというものだ。 それが06年度・07年度に半分ずつ廃止された。ほかならぬ自民・公明の与党連合が廃止したものだ。それを今になって似たようなものを登場させてくるというのは総選挙目当てのてがらの誇示としか言いようがないではないか。

 最近の株価暴落、とりあえずは持っていないものには何の影響もない。あまり関心のない人たちには緊迫感を持って受け止められているようでもない。

 しかしこの先出てくるのが雇用問題だろう。大企業を中心に株価暴落で生じた資産価値減少による経営不振を労働者に押し付けてくることは目に見えている。それが現実問題として降りかかってきたとき深刻な社会不安となって表れるだろう。

 「景気対策」を本当に考えるのならまず日本人の大半を占める雇用労働者の収入源をしっかりと維持することが重要だ。

 もはやコストダウンを徹底的に追求して国際的な企業間競争に勝ち抜いたとしてもその土台となる実体経済そのものが沈没してしまう可能性だってある。

 最低賃金を底上げし基礎的な賃金を引き上げるべきだ。

 日雇い派遣等の非正規労働を早急に正規雇用にするべきだ。

 日本の雇用労働者の圧倒的多数は中小企業に勤めている。その中小企業は大企業から発注単価・下請け単価をたたかれ不当に収入を制限されている。そのため中小企業に働く圧倒的多数の労働者は大企業労働者に比べて賃金・賞与・退職金・労働時間等で大きく差をつけられている。もちろんそれが大企業の大きな収益源になっている。

 今後の展開しだいでは深刻な社会不安に発展する可能瀬は十分にある。そのことが1955年以来50年以上の大半を支配してきた自民党体制に深刻な打撃を与える可能性だってあるのだ、ということを肝に銘じて麻生首相は「景気対策」に取り組むべきではないか。(2008/10/10/No.68)

 

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世界の株価暴落。株価つり上げ策が株価を暴落させるという資本の論理に解決策があるのか。

 東京株式市場で日経平均株価が1万円の大台を大きく割り込み9203円32銭となった。5日続落。「2003年6月30日以来およそ5年3月ぶりの安値水準に落ち込んだ」(10/8/NIKKEI NET)。

日経平均株価のバブル崩壊後の最安値は確か小泉内閣の時に記録した7,000円台のはずだからそれに比べたらまだ驚くほどではない。ただ一日の下げ幅が952円58銭(9.38%)安というのはまったく記憶がない。

 前日(7日)の米株式市場でもダウ工業株30種平均が連日の急落で508ドル39セント安の9447ドル11セント(10/8/NIKKEI NET)と世界の株式市場で暴落ともいえる下げ幅を記録している。

 株式市場ではよっぽどの思惑がなければつぶれそうな会社の株を買う人はいない。人々は値上がりを期待して株を買う。業績好調の企業。成長有望な企業等々と。

 では業績好調、成長有望の企業というのはどうやってつくり出すのだろう。

 日本ではバブル崩壊の後遺症があった。外国からは期待するほどに投資が入ってこない。一方個人金融資産1,500兆円とも言われる“お宝”は「貯蓄から投資へ」とあおってみても動かない。そこで国内の消費をつぶすことで業績好調・成長有望の企業をつくり出した。

 不良債権処理の銀行救済では資金さえつないでくれれば何とか営業と雇用を確保できるという所を容赦なくつぶし担保を回収した。

 大企業ではリストラが横行した。賃上げがなしかすずめの涙になった。同じ仕事をさせて賃金だけを引き下げる不正規労働が蔓延した。

 大企業は中小企業を下請け化し発注単価をたたき、中小労働者の賃金等雇用環境を悪化させた。 

 肉屋・魚屋・八百屋はもちろん、米も酒もスーパーで売る等の規制緩和で近所の商店街がさびれていった。

 安いという理由で食料を外国から輸入し国内の農業を衰退させ就業人口を減らした。等々。

 これが日本の株価つり上げ策だった。このようにして資金を集中した大企業はアメリカ、中国等世界に展開し荒稼ぎした。株価はそれなりに上がった。しかしアメリカのバブル崩壊を受けて今や「景気対策」大合唱だ。

 一方アメリカの業績好調・成長有望企業とはどのようにつくられていったのか。

 アメリカには日本のように貯蓄習慣というのがない。少なくとも最近は。国民はおおむね貯蓄率マイナス。収入以上に消費している。この“欲望に満ちた”消費世界が世界中の投資を呼び込む。

 鶏と卵の論理で何が先なのか良くわからないが、“欲望に満ちた”消費が世界中の投資を呼び企業の設備投資が世界中に展開する。新しい商品が開発され世界中からアメリカに集まる。消費が活発になる。住宅価格が上がる、株価が上がる。その値上がり益でまた消費が活発になるだ。

 しかし値上がり社会を永久に維持するために危ない橋を渡った。「サブプライムローン」だ。売れ続けているというのが値上がりの前提だった。しかし続かなかった。

 いずれの場合も株価つり上げ策の中でその落とし穴を広げていった。だったらもとに戻せばいいではないか。そうはいかないだろう。空気で膨らませるだけ膨らました経済を価値あるものとして営んできたこの経済がそう簡単にもとに戻るわけがないだろう。総選挙を引き伸ばしたい麻生首相が盛んに「景気対策」を連発しているがそう簡単なものとは思えない。(2008/10/8/No.67)

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「青年大集会」に4,600人。これは日本の高揚期の夜明け前なのだろうか。

 今日、東京明治公園で行われた「全国青年大集会2008」に4,600人が参加したとのこと(10/5/共産党HP)。

 昔、同公園で行われた集会に参加したことがある。立ったままでの集会なら3万人くらいは入る公園のはずだから青年だけの集会とはいえ4,600人というのはどうなのだろう。

 日本の青年といえば「篤姫」の幕末、長州藩で奇兵隊を組織し幕府の長州征伐と渡り合った高杉晋作は27歳で亡くなっている。薩長同盟の立役者坂本竜馬は31歳で亡くなっている。

 鎖国の時代から大きく変貌するきっかけとなった黒船来航の年、高杉が14歳、坂本17歳、西郷隆盛25歳、大久保利通23歳だった(誕生日で1歳の誤差あり)。

 戦後の青年でいえば、日本の大衆闘争では最も大規模だったのではないかと今も語りぐさになっている60年安保闘争、一部学生が国会突入をはかり機動隊と衝突し当時東大生だった樺美智子氏が 死亡している。彼女はのちに学生運動の英雄とたたえる向きもあったが過激行動で国民との遊離・分裂を招いたとの指摘もあった。

 その後学園紛争が全国に広まり、東大安田講堂事件を経て映画にもなった浅間山荘事件となる。そして70年代、ゆーみんの「『いちご白書』をもう一度」で一つの時代が終わったとの歌詞がヒットすることになる。

 当時「三無主義」ということばがはやった。確か無気力、無関心、無責任だったと思う。あれから40~50年がたってその子どもたちが成人しているだろう。早い人は孫ができているかもしれない。多かれ少なかれこれらの世代に受け継がれているだろう。

 今青年を取り巻く環境は厳しい。相変わらずの受験競争。「就職氷河期」を経て「日雇い派遣」等々。

 しかしこの現状を打開しようとの覇気が充満しているようには感じられない。むしろ「後期高齢者医療」制度に見られるように昔取ったきねずかでお年寄りが奮闘している姿の方が頼もしく感じられたりする。

 「青年大集会」に参加した4,600人、知らぬ間に受け継いでいるであろう無気力、無関心、無責任を打ち破って再び日本の高揚期を迎える夜明け前となるのであろうか。(2008/10/5/No.66)

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米上院、不良債権買取法可決。次はドル暴落不安か。アメリカの凋落、日本の驚愕の始まりではないのか。

 米上院が金融安定化法案=不良債権買取法を修正のうえ可決した(10/2/NIKKEI NET)。否決した下院は11月の議会選挙で全員改選となるが上院は3分の1ずつが改選となる。そのことが影響した様でもある。

 日本円にして75兆円という公的資金を投入して金融危機を回避しようという法案だ。もし下院でも可決されたらウォール街は好感して株式市場も値上がりに転じるかもしれない。

 しかしである。米政府はすでに2009会計年度(08年10月-09年9月)の財政赤字額が過去最大の4820億ドル(約51兆7700億円)に達するとの財政見通しを発表している(7/29/10:16/東京新聞HP)。 

 この中には「イラクやアフガニスタン駐留経費が未計上で、財政赤字がさらに拡大するのは必至」(東京前同)なのだという。 「赤字拡大で国債発行が増え金利が上昇すれば、米国の経済低迷は長期化する要因となる」「ドルの信認が低下し国際金融市場が混乱する恐れもある」(東京前同)のだという。
 
 そのうえに今回の不良債権買取で75兆円の支出だ。その前にも政府系住宅金融機関に対して公的資金投入を決めている。

 ウォール街の金融機関を救済すればアメリカの危機は回避できるかのような宣伝が盛んにされている。

 しかしアメリカの実体経済はどうなのか。「7月の米住宅価格、主要10都市で17.5%下落」「統計記録のある1987年以降で最大の値下がり」「ラスベガスで前年同月比29.9%。次いでフェニックスが29.3%、マイアミが28.2%」(9/30/NIKKEI NET)。という具合だ。

 今後住宅価格が下落を続ければ様子を見ていた購入希望者がころあいだということで購入に転じるということはあるだろう。しかし上記のように金利が上昇すればしり込みする人も増えるだろう。何よりも「サブプライムローン」まで使って拡大させてきた水準まで戻るなどということは考えられないことだ。

 さらに「9月の米新車販売台数(速報値)は前年同月比26.6%減の96万4873台」「今年に入って最悪の販売水準」(10/2/NIKKEI NET)。

 アメリカの自動車販売は住宅の値上がり部分を担保にしたローンで支えられてきた部分もあったと言われている。だとしたらもはや以前の水準に戻ることはない。

 アメリカは財政赤字のほかに貿易収支等の経常収支も赤字という「双子の赤字」に直面している。それを穴埋めしてきたのが海外からの投資だ。 しかし今、アメリカの実体経済が落ち込もうとしている。衰えることのない消費が景気を上昇させ、企業業績を拡大し、株価等を上昇させ・・・という社会が海外からの投資を呼び込んできた。しかし今その条件が消滅しつつある。

 税金を大量投入して金融を安定させれば実体経済も回復に向かうと宣伝されている今回の買取法。もし成立すればこれで安心安心とウォール街は喜ぶだろう。しかしこれはもしかしたらアメリカの凋落、そして「日米同盟最優先」(麻生首相、小沢党首)の日本の驚愕になるかもしれないのだ。(2008/10/3/No.65)
 
 

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米、不良債権買取法否決。「ワーキングプア」は自己責任、投機集団は国家的救済ではもはや“革命”しかないだろう。

アメリカが揺れている。米下院で最大7000億ドル(約75兆円)の公的資金で不良資産を買い取ることを柱とした金融安定化法案が反対多数で否決(9/30/NIKKEI NET)されたことで29日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均が前週末比777ドル68セント(6.979%)安の1万365ドル45セントと史上最大の下落幅を記録した(NIKKEI 同)。「成立間近と期待されていた金融安定化法案を米下院が一転、否決」したのが原因だ(NIKKEI 同) 

 ところが翌30日、そのダウ工業株が前日比485ドル21セント高の1万850ドル66セントと急反発した。「米議会幹部が金融安定化法案のとりまとめに意欲を示したと伝わり、法案の早期成立に対する期待が改めて浮上し買いを誘った」(10/1/NIKKEI NET)。

 投機集団がいかに公的資金投入で救済され、現在の仕組みが温存されることに期待しているかが表れている。

 ブッシュ大統領は議会の否決を受けて声明を発表し「『株価は大きく下がり、アメリカ国民の預金や年金基金にも影響を与えかねない。このままでは、アメリカ経済は甚大な被害と痛みを受けることになる』」と述べ」(9月30日 22時43分 NHK HP)ている。

 しかし同大統領の口からはなぜこんな事態に陥ってしまったのかといことばが聞こえてこない。そしてとりあえず危機を克服できたと仮定してそのあとまた今までと同じ道を歩み続けるのかどうか、そういうことばも聞こえてこない。だいたい株価が上がってしこたま儲けて持ち逃げした“ヤツ”らはどうするんだ。

 「サブプライムローン」問題がことの始まりだということはもう聞き飽きるほど聞いた。しかしなぜそんなローンが必要だったのかということばも聞こえてこない。

 金融緩和。規制緩和、何でも民営化、何でも市場に任せることが限りなき経済成長を保障する道ではなかったのか。

 政府は口を出さなければ出さないほど良かったのではないのか。その結果として投機集団がやりたい放題のことをしてこの結果を招いたことの責任問題に関することばも聞こえてこない。

 新聞・テレビのニュースを読んだり聞いたりしているとこのままでは世界恐慌になる、破滅的な危機に陥る等の不安をあおるような発言が相次いで出てくる。特に銀行・証券会社系のアナリストとか何とかストだとかが専門家と称して今一番重要なのは自分たちを助けることだと言っている。

 「ワーキングプア」ということばがある。そういう人たちには「失敗した人」「努力の足りなかった人」「負け組」などという悪罵が投げつけられた。

 一方マネーゲームに興じる連中には「成功した人」「努力が報われた人」「勝ち組」などという称賛の声が与えられた。そして今、税金で自分たちを救えの大合唱だ。その大合唱には今の「成功の秘訣」の仕組みを温存しろ、との要求が含まれている。どこまでも腐りきっている。

 ブッシュ大統領、アメリカ議会幹部、金融業会、メディア、等々が行おうとしている税金を使った“対策”はこの腐った社会を終わりにして新しい社会をつくろうというものではなく今の仕組みを温存しいつの日か復活を目指そうというものだ。

 昔フランスの革命で収奪と浪費の象徴としてマリー・アントワネットが断頭台のつゆと消えた。今の時代にそんなことはできないがもはやそのくらいの対決の時代だという意気込みが必要だ。(2008/10/1/No.64)

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