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2009年1月

麻生総理大臣が「小泉元総理大臣が推進した改革路線からの転換を鮮明」。いまだ現職の小泉元総理とそのチルドレンはどう答えるのだ

 麻生総理大臣が28日に施政方針演説を行い、もろもろ述べたうえで「小泉元総理大臣が推進した改革路線からの転換を鮮明」にしたそうだ(1/28/15:32/NHK HP)。

 「小泉元総理大臣が推進した改革路線」を知るうえではその原典的存在である「骨太の方針(2001年版)」を読むのがいいのだと思う。正式には「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針概要」。

 その中に「聖域なき構造改革は、その過程で痛みを伴うこともありますが、構造改革なくして真の景気回復、すなわち持続的成長はありません」というくだりがある。 

 確かに「痛み」はあった。初めはごく一部の人のできごとのはずだった。それゆえ自分には「痛み」が及ばないだろうと思った人たちを含めて絶大な支持を集めた。でも「真の景気回復」「持続的成長」はこなかった。

 さらに「短期的には低い経済成長を甘受しなければなりませんが、その後は経済の脆弱性を克服し、民需主導の経済成長が実現されるでしょう」というくだりがある。

 確かに「民需主導の経済成長が実現」した。大企業を中心に5年連続だかの史上最高益を実現した。しかしアメリカの「民需」がこけたらいっぺんにその「脆弱性」が表れた。

 そして「そこでは、国民が自信と誇りに満ち、努力した者が夢と希望をもって活躍し、市場のルールと社会正義が重視されます。また、それは誰もが豊かな自然と共生し、安全で安心に暮らせるとともに、世界に開かれ、外国人にとっても魅力を感じる社会でなければなりません。新世紀維新が目指すのは、このような社会です」とある。

 「市場のルールと社会正義が重視されます」はないだろう。これは日本だけの問題ではないが、アメリカの原油価格が140ドル越えまでいったかと思ったらあっという間に100ドル以上値下がりした。あれはいったいなんだったんだ。そしてさらに今の「派遣切り」「期間工切り」。契約期間途中であっても平然と解雇する。もちろん違法だ。そのどこに「社会正義が重視」されるというのだ。

 「外国人にとっても魅力を感じる社会」には確かになった。今や東京証券取引所の株売買の6割は外国人投資家だという。公的資金で不良債権を処理したあげくに外国企業に二束三文で売り払った銀行もあった。

 「誰もが豊かな自然と共生し」??。今や世界的な食料不足が警告されているのに日本の農地の中には荒れ果てている所があるという。農地というのは絶えず手入れをしていなければ使い物にならないと聞いたことがある。

 「国民が自信と誇りに満ち」。オリンピックでは活躍した日本選手に対して「国民が自信と誇り」を持った。しかし政治・経済の世界で本当に「自信と誇り」を持ったのか。

 「努力した者が夢と希望をもって活躍し」か。夢と希望を持って努力している人は多いだろう。しかし本当に報われる社会なのか。

 小泉元総理は次回選挙には出馬しないで政界を引退するという。引退すればそれですべてが帳消しになるとは思わない。さらにその意を汲んだチルドレンは再選を目指している。公職にある以上は責任ある見解を示すべきではないか。(2009/1/29/No.105)

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「『ふるさとネット』、大企業の流れ(流通)とは違う『もう一つの流れ』に」に日本列島再建の希望をみい出す

 少し前だが、農業関係の仕事を目指そうという人が増えているというニュースをテレビで見た。世界的な金融・経済危機で製造業を中心に大幅な生産削減、人減らしがおこなわれている世相を反映しているようだ。

 迎え入れる日本の農業はどうなのだろうか。農民運動全国連合会(農民連)が「『日本列島3000キロの農産物を、安全・安心、国内産を求める広範な国民に届けよう』――。消費者、流通業者などと連帯して、日本農業と農山村の再生と復権をめざす」として「農民連ふるさとネットワーク」(略称・ふるさとネット)を昨年8月に立ち上げている(同会HP)。「大企業の流れ(流通)とは違う『もう一つの流れ』」(前同)を築くのだという。

 なんとも壮大な取り組みだと思う。と同時にそれだけ日本の農業が危機に直面しているということなのだと思う。

 日本は減反で国内の米生産を削減しながら輸入している。一つには工業製品を輸出したかったら農業製品を輸入しろというアメリカを中心とした海外の圧力。そして国内的には米離れに加えて国内産は高くて消費者に敬遠されるという圧力。そうした中で農業後継者の減少、農地の荒廃と進んでいるのだと思う。

 ところが時はいつのまにか世界的な食料危機が警告され、「カジノ資本主義」の投機行動で食料価格が暴騰するという事態になった。そうした中で国内自給率を高めようという国民的な機運が高まった。

 さらに中国産など輸入農産物の安全問題が頻発し食の安全に対する国民の関心が高まり国内志向が強まった。

 しかしこういう国民的機運、流れは大手流通業者だって当然感じ取っているだろう。「国内産」「安全・安心」だけで大手流通業者の品揃え、価格、便利さに存在感を示せるのだろうか。

 もしかしたら示せるのかもしれないと思う。それは資本の論理と労働の論理との違いによってだ。

 大手流通業者は当然資本の論理だ。利潤を上げるために仕事をすることが求められる。働いている人たちも派遣だったりパートだったり契約社員だったり非正規社員が増えてきた。いくら働いても昇給はおろかボーナスも出なかったり出てもすずめの涙だったりする。みな生活のために辛抱して働くことが多い。上がった利潤は資本家側がより多くためこむという形で分配される。「国内産」だって「安全・安心」だってその利潤を上げるために必要だからだ。目的ではない。

 一方労働の論理では「国内産」「安全・安心」をめざそうということが労働の目的になる。「日本農業と農山村の再生と復権をめざす」ということが労働の目的となる。そのために農民、流通業者、消費者が協力した仕事となる。お互いに納得の行く形での分配となるかどうかは今後の課題だろうが、そこでは単に高収入とか高い地位とかにとらわれることなく意欲を持って労働することができるかもしれないという気がする。使い切れないほどの高い収入とは違った喜びがあるかもしれないと思う。

 はたしてどちらが知恵と工夫を出すか。そしてどちらが人々に喜ばれる食料を提供できるか、だ。

 今の時代において「大企業の流れ(流通)とは違う『もう一つの流れ』に」という壮大な取り組みが成功することを願う。そしてもし可能であれば自分もそういう壮大な目的を持った仕事の中に身をおいてみたいものだと思う。(2009/1/25/No,104)

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オバマ大統領誕生。今や大企業まで政治が“活躍”することに期待する時代だ。

 アメリカでオバマ大統領が正式に誕生した。「就任式には過去最高の200万人近くが集結」(1/21/NIKKEI NET)するといった熱狂ぶりだったという。

 アメリカで初めての黒人大統領の誕生だ。奴隷制度以来、結婚禁止、さらには同じバスに乗ってはいけないというような差別を強いられ、さらには就職差別などで経済的困難を強いられてきたアメリカ黒人にとってはまさに希望の幕開けということだろう。もちろん熱狂しているのは黒人だけではない。

 ところでこのオバマ大統領の誕生に希望を託している人たちが“意外”なところにもいる。かつてはブッシュ前大統領時代のアメリカのように政治が“活躍”しないで何もかも自由にやらせてくれるようにすることが経済“対策”だと主張してきた日本の経済界だ。

 日本経団連の御手洗会長は「『金融市場の完全な安定と雇用の増大を目指し、思い切った政策をスピーディーに実行してもらいたい』と述べ、世界経済の回復のためにもオバマ政権の経済政策がカギを握る」と述べている(1/21/22:4/NHK HP)。

 「金融市場の完全な安定」とは公的資金を湯水のようにつぎ込めということだろう。「雇用の増大」とは自身が会長をつとめる企業(キャノン)では非正規切りをどんどんやるけど国のめんどうで「雇用の増大」をさせることが「世界経済の回復」の起爆剤になるということだ。

 オバマ大統領はその就任演説で「いま我々に必要なのは新たな責任の時代だ 」(1/21/NIKKEI NET)と述べているのだが、日本の経済界のトップは世界的な経済危機を招いた企業活動に対して何の責任も感じていない。再び企業を成長させるために政治が“活躍”することを求めている、

「マルクスが『資本論』で、資本は社会によって強制されなければ労働者の健康も寿命も何ら顧慮せず、無制限の利潤追求に走ることを指摘している」(共産党志位委員長=テレビ東京系「カンブリア宮殿」。1/21/付「しんぶん赤旗」=同党HP)

 この文言だけでは具体的な社会像が良くわからないが、その指摘自体は実感を持って理解できる時代になってきた。(2009/1/23/No.103)

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百貨店売上、コンビニに抜かれる。「勝ち組」の存在こそが経済活性化のはずではなかったのか

 百貨店(デパート)の「去年1年間の売り上げは7兆3813億円で・・・業界全体の年間の売り上げは初めてコンビニエンスストアに抜かれたことが確実となっています」(1/19/17:37/NHK HP)。

 百貨店とコンビニの品揃えを比べたら百貨店の方がはるかに高額のものが多いだろう。百貨店の去年12月の売り上げを見ても「婦人服や貴金属が不振だったため」(NHK 前同)とある。

 その百貨店の売上がコンビニに抜かれたということはバブルにうかれて高額品をむさぼっていたが、バブルがはじけてみれば一般庶民ふうの消費の額の方が上回るということだろう。

 このことは今後の日本経済の発展方向を暗示しているのだと思う。バブルを復活して再び高額品の消費を復活させるか着実な成長で一般庶民ふうの消費を拡大させるかだ。(2009/1/19/No.102)

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米、「シティグループ」銀行業と証券業を分割へ。規制緩和推進者の見解をあらためて聞いてみたい。

 米、「『シティグループ』は、16日、これまで推し進めてきた総合金融の戦略を転換し、銀行中心の『シティコープ』を中核事業とする一方、証券や資産運用、消費者金融などの『シティ・ホールディングス』を非中核事業に位置づけ、会社をこれらの2つに分割すると発表し」た(1/17/6:14/NHK HP)。

 アメリカではそもそも銀行業と証券業の兼業が禁止されていた。1929年の大恐慌を教訓として1933年に制定された「グラス・スティーガル法」だ。

 それが「新自由主義経済」のもとで規制緩和され、世界中に広まった。日本でも「努力した人が報われる社会」「貯蓄から投資へ」などと銘打って大々的に推進された。

 しかしその旗頭の一つであった米、「シティグループ」が公的資金での救済を懇願した上で76年ぶりにその教訓に戻った。

 この事態に対して日本で「構造改革」をぶち上げた小泉純一郎元首相、そしてその“懐刀”であった竹中平蔵元大臣などの規制緩和論者の現時点の見解をあらためて聞いてみたいものだ。

 確かアメリカの連邦準備制度理事会の前の議長は議会で「誤りがあった」と認めたはずだが。(2009/1/17/No.101)

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ヨーロッパで生まれた「妖怪」「幽霊」が160年後の日本で---日本共産党

  日本語訳版でヨーロッパに「妖怪」が、あるいは「幽霊」が(出現)という書き出しで始まる「共産党宣言」。1848年にマルクスらによって書かれた。

 それから160年がたった去年から今年にかけて日本共産党とその党首である志位和夫委員長がマスメディアに登場することが多い。最近では朝日新聞が「派遣切り、限界集落…そこに『共産党』―ルポにっぽん」という長文の記事を載せている(1/11/8:38/ashi.com)。さらに今月11日に放映されたNHK「日曜討論」の党首インタビューで、NHKの影山日出夫解説委員が「政局の話の前に」として最近の共産党の党員増のことを話題にし、さらに「もし共産党が仮に政権をとったら、何から手を打つか」とまで質問している(NHKテレビ、1/12付「しんぶん赤旗」=共産党HP)。

 日本共産党は1991年のソビエト崩壊による「資本主義の大勝利」の影響を受けて党員数、機関紙読者数を減らしてきた。そしてさらに、国内的には「二大政党制」待望論によって少数政党に投票するのは死票になるだけだという論に押されて国会議員数も減らしてきた。現在衆議院議員が9名。参議院議員が7名だ。衆議院の定数はおよそ500名。その中の9名の党が「もし」「仮に」とはいえ「政権をとったら」とインタビューされている。

 なぜだろうと思う。ひとつには「新自由主義」とも「市場万能主義」とも「株価資本主義」とも言われる現在の資本主義が生活上非常に厳しい階層をつくり出してしまったということだろう。ワーキングプアと呼ばれる働く貧困層、大都市偏重で取り残された地方など。今横行している非正規切りにしても今現在は正社員として雇用されていても明日はわが身と感じている人も少なくないだろう。もし会社が倒産したら、リストラされたら、次の仕事はおいそれとは見つからない。そうなったら自分もいつホームレスになるかわからないと不安を抱えている人も少なくないだろう。

 そうした中で党員作家小林多喜二の「蟹工船」が数十万部のベストセラーになったり非正規労働問題を継続的に取り上げる志位和夫委員長がインターネットで注目を集めたりしている。一昔前、共産党は今はおとなしくしているがいざとなれば暴力革命を捨てていないとか共産党が政権を取れば一党独裁となりソ連、中国のように自由も人権もなくなる等々と言われていたころを思えば積年の感がする。

 しかしそれだけで「もし」「仮に」とはいえ「政権をとったら」というインタビューになるのだろうか。

 根本的には今の資本主義が資本家と投資家の利益をとことん追求するあまりに自らその仕組みを壊してしまったということだろう。「資本主義限界論」などがささやかれている。

 たとえば日本の大企業、5年連続だかの史上最高益を続けて巨額の貯めこみを持っている。その貯めこみを雇用維持のために使えという声が今起こっている。

 しかし日本の大企業はその貯めこみを維持するために非正規切りをしてくる。株主維持、株価維持のために。

 しかし企業の貯めこみというのは個人の「たんす預金」とは違う。ただ持っていればいいというものではない。あらたな投資をして事業の維持・拡大をしていかなければならない。しかし当面どんな投資先があるのか。思いつくとしたら医薬品バブル。不老長寿の薬品とかガン予防薬とか。あとは地球温暖化防止バブル。省エネ設備・グッズとか。

 しかしいずれの場合も今年後半とか来年前半までにはなどという話ではない。しかも人々の所得が低下しようとしているときにバブル景気をあおろうとすれば結局は「サブプライムローン」問題の二の舞だ。

 イギリスで景気刺激策として日本の消費税に当たる税率を引き下げたけれども思うように消費は上がらなかったそうだ。やはり雇用不安、将来不安でたとえ税率が下がったとしてもおいそれとは金を使わない。そういう状態になってしまっている。

 衆議院でわずか9人の日本共産党に「もし」「仮に」とはいえ「政権をとったら」という質問が出る背景には崩壊しつつある現在の資本主義を従来どおりの資本主義的手法でよみがえらせることができるのか。そういう不安が現実化してくるのではないかという恐れがあるからではないか。(2009/1/15/No.100)
 

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渡辺元行政改革担当大臣、自民党を離党。「国民の手に政治を取り戻す国民運動」とは

 渡辺元行政改革担当大臣が「『麻生自民党では国民から断絶した政治が行われている』」として自民党を離党した(1/13/17:19 /NHK HP)。

その志を疑うわけではないが、若干の政変は起こせるかもしれないが「国民の手に政治を取り戻す国民運動」を起して変革、世直しを実現することは無理だろう。もっと厳しく言えば、テレビがいつまで取り上げてくれるかという問題ではないか。自民党を出るぞ出るぞと言っているうちはどこまで同調者がいるかという関心もあってテレビも取り上げてくれるが目立った動きがないとなればそのうちテレビも取り上げなくなるだろう。

 そうした中で今日、「定額給付金」が盛り込まれた第2次補正予算案が衆議院を通過した。

 この「定額給付金」については「『評価できない』と答えた人は78%。『やめるべき』と答えた人が7割に達しました。ただ、支給された場合には、85%の人が『受け取る』と答えてい」るという世論調査があった(JNN調査=1/12/05:30/TBS HP))。

 この結果はなんだろうと思う。しかしこれが現実なのだと思う。国会議員や高額所得者が積極的に受け取ってどんどん消費しようなんてふざけた話ではないのだ。自分だってそうするのだろうと思う。

 今「派遣切り」「期間工切り」が社会を騒がせている。正社員の中にはこういう時のために非正規社員がいるんだと確信している人もいるだろう。しかし頭の中ではこんなことが許されていいものかと思ってはいるが、いざ自分のことを考えるとしかたがないと思っている正社員もいるだろう。

 変革、世直しとはそういう矛盾の先にある。思い通りにはいかない人生、社会の先にある。

 テレビにまったく取り上げられなかったのにいつか取り上げられるようになったという順番での「国民運動」で初めて実現できる。

 初めは華々しくテレビに取り上げられたがいつのまにか消えてしまったという順番では実現できるものではない。そのことは華々しくテレビに登場し、「改革」をブチまくっていつのまにか姿を消した元総理大臣の例を見ても明らかだ。(2009/1/13/No.99)

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小沢民主、理念も展望もない寄り合い所帯の政権交代論

 民主党が今度の定期党大会に提案する活動方針案の中に「衆議院選挙で政権交代を必ず達成し、政治の仕組みを変えることで『国民の生活が第一』の政治を実現する」というくだりがあるそうだ(1/11/4:22/NHK HP)。

 なるほど時宜にかなった方針だと思う。大企業が利益をため込み成長すればするほど国民生活がよくなるとしてきた「新自由主義」「市場経済万能主義」「株価資本主義」。アメリカにおいては過剰消費をあおったあげくに自ら破綻。職を失う人が急増している。日本に於いてはデフレ経済を続けたあげくにまたしても沈没。こちらも雇用不安が広がっている。そうした中で「国民の生活が第一」という方針は当然の方向だと思う。

 ところが一方で民主党の小沢代表はNHKの日曜討論で「衆議院の解散を条件に予算案の成立に協力する『話し合い解散』に応じる用意があるという考えを示し」たというのだ(1/11/12:23/NHK HP)。

 まるで理解しがたい話だ。民主党はその活動方針で「政治の仕組みを変える」ために衆議院選挙をやるんだ、そのために解散を目指すんだと言っている。

 「政治の仕組み」とはなんだ。もちろん一つ一つの仕組みというのがある。しかしたとえば憲法を変えるためには国民投票が必要だ。そのためには当然そのための予算が必要だ。テロとの戦いで国際貢献をするためにアフガンへ地上部隊を派遣するということであれば当然そのための予算が必要だ。「派遣切り」「期間工切り」にあった労働者を救済するということであればそのための予算が必要だ。

 政府が提出する予算というのは「政治の仕組み」の具体的体現であり、時の政府・与党の政治的考え方の具体的体現ではないのか。その予算案の成立に協力をして解散を実現して国民にいったい何を訴えようというのか。政権を交代するということは違った予算を提出しますよということではないのか。

 結局今の民主党というのは「政権交代」で結束するしかないのだ。政権交代をして大臣のいすと魅力ある権力の座を獲得しようということで結束するしかないのだ。そのためには平気で取引もする。そもそもそういう思惑で離合集散でできあがった政党だということだ。(2009/1/11/No.98)

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2009年、「構造改革」でできた構造のゆがみを正せる政治勢力こそが「安心」「活力」の政治を実現できる。

2009年、通常国会が始まった。それを前にして麻生総理大臣が年頭の記者会見で今年のキーワードとして「安心」「活力」をあげたそうだ。支持率が急降下するなかで一生懸命考えたのだろうが、おそらく麻生首相・自公政権、での「安心」「活力」の実現は無理だろう。
 
 まず「安心」だ。日本ではバブル崩壊後「失われた10年」という経済停滞の時期が続いた。歴代自民党政権、とりわけ2001年に発足した小泉政権は1500兆円(前後)といわれる日本国民の個人金融資産をねらって「貯蓄から投資へ」とあおった。しかし必ずしも思ったとおりには進まなかった。バブル崩壊をまのあたりにした国民の警戒心というべきだろう。 
 
 麻生政権は性懲りもなく証券投資に関する優遇税制を継続して「貯蓄から投資へ」をあおり続けようとしている。しかし世界と日本の投資状況を見ると、アメリカの原油相場は最高値から100ドル以上急降下した。さらに「1年で世界の株式時価総額は29兆ドル強(2600兆円)消失し、08年末は31兆ドル強(2800兆円)とほぼ半減する」事態となった(08/12/31/NIKKEI NET)。そして「2008年の日経平均株価は・・・・1年間で42%下落した。下落率は1990年の39%を上回り、戦後最大」(08/12/30/NIKKEI NET)。今や東京証券取引所では外国人投資家の比重が6割を占めるという。その場限りの“出稼ぎ”が横行していると言われている。

 歴代自民党政権・自公政権のあおりたてに乗らなかったことが日本の個人資産を救ったし、これからも乗らないことが救う道となるだろう。もしこの個人金融資産が生かされるとしたらそれはこのようなバクチ性を排して将来性と着実性にそった投資環境が保障されなければならない。それでこそ「安心」して投資ができるというものだ。

 次に「活力」だ。歴代自民党政権、とりわけ小泉政権の「構造改革」で、企業内的にも社会的にもコスト削減策が徹底された。生産現場が賃金の安い海外に移された。このため多くの人がリストラされた。国内では雇用の規制緩和で非正規労働が拡大した。中小下請企業には徹底した単価引き下げが要求された。採算の取れない高速道路、空港、橋梁、港湾等の建設はなくなるようでなくならなかった。借金だけが膨れ上がった。消費税率が引き上げられた。健康保険・年金の保険料が引き上げられた。窓口での本人・家族負担が引き上げられた。年金の需給年齢が引き上げられた。なんやかやで日本ではデフレ状態が続いた。潤ったのは国内ゼネコンを含めて国際競争力をつけた巨大企業だった。

 大企業の徹底したコスト削減による利益蓄積体制が見直されなくてはならない。結局はバクチ性の高い投機へと向かうだけだ。

 採算性のない高速道路、空港、橋梁、港湾、ダム等の建設が見直されなくてはならない。

 テロとの闘いとは何かを根本的見直し、軍事予算を見直さなければならない。税制の公平性とは何かが検討されなくてはならない。そのことによって社会保障が根本的に見直されなければならない。

 これらの政策を実行するためには政党助成金を貰ってはならない。人数さえいれば税金から資金をもらえるということになれば政策実行に真剣さが出ない。もちろん財界・大企業等企業・団体献金を受けてはならない。金銭的に頼っていたら断固とした政策遂行はできない。

 しかし「活力」を目指す麻生内閣の景気浮揚策の目玉が「定額給付金」。しかしこの給付金を気楽に消費するのは小遣い銭程度にしか思わない高額所得者と高収入のサラリーマンぐらいではないか。今痛めつけられている人、痛めつけられつつある人たちはまず給付金から使って手持ちの現金は後ろへ回すだけだろう。 

 金利の引き下げもあまり効果はないだろう。国民生活が痛めつけられて消費が低迷しているから企業も設備投資を行わない。そこへ金融緩和で資金がたれ流しされたら結局行き場がなくなった資金がバクチ投資に向かうだけだろう。

 2009年、9月までには総選挙がある。「選挙の顔」だった麻生内閣の支持率急降下、自民党への逆風。政界再編などの動きの中で“改革”だの“世直し”だのとのことばが踊る。

 一方攻める側の民主党、派遣労働自由化の法案に賛成しておいて今、派遣切りに真剣に取り組んでいるかのようなポーズをとる。

 しかしもはや「劇場型」政治やパホーマンスの政治をおもしろがって眺めていられる時代ではない。今は派遣・期間工切りのニュースになっているが、それで収まっているうちにそのうち景気も良くなるだろうという時代ではおそらくないだろう。

 2009年、日本を本当に「安心」「活力」に導く政治勢力とはなにかがいやおうなく見直される年となるだろう。 (2009/1/7/No.97)

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元派遣労働者の事件に思う。2009年は希望を見い出せる年の幕開けなのだ。

 謹賀新年

 昨年の30日の夜、東京・六本木ヒルズの近くで刃物を振り回したとして28歳の元派遣労働者が逮捕された。「『今月中旬に派遣の仕事が切れて、今後、仕事に就くあてもなく、うっぷんがたまった。うっぷんを晴らすためと刃物で人を脅かし自分を誇示するためにやった』と供述をしている」のだという(08/12/31/12:47/NHK HP)。

「自分を誇示するため」という動機は元派遣労働者が起した凶悪事件の動機に共通しているように思う。自分の存在を認めて欲しい、振り向いて欲しい、という思いはあの秋葉原の無差別連続殺人事件の時にもあったように思う。必要なときだけ雇われる。いらなくなったら放り出される。そもそもが労働雇用契約ではなく派遣会社の“商品賃貸契約”だからそういう扱いを受けてそういう思いになるということだろう。しかしもう断ち切らなければならない。

 その翌日「契約の打ち切りで仕事を失い、会社の寮からも退去を迫られた非正規雇用の労働者などを支援するため」に「年越し派遣村」が東京の日比谷公園で始まった(08/12/31/19:29/NHK HP)。労働組合などで作る実行委員会が始めたもので「350人を超えるボランティアが集まり」「弁護士などが未払いの賃金を請求する方法や生活保護の申請のしかたなどさまざまな相談に応じてい」る。「訪れた41歳の元派遣労働者の男性は『こうした支援があってとても助かりました。今後、生活を立て直すことができたら今度は自分が助ける側に回りたい』と話してい」たという(NHK 前同)。

 この「年越し派遣村」の取り組みは篤志家の慈善事業ではない。その存在を認め、助け合ってともに頑張ろうという共感の思いなのだ。

 この取り組みをはじめ、非正規労働者の解雇に対する労働組合を結成しての闘い等についてはマスメディアでも頻繁に報道されている。かつては経済成長のためには(非正規労働は)必要な制度でおおいに尊重すべしという論調もあったのにだ。

 今確実にその存在に対する連帯の輪が広がろうとしている。振り向かれようとしている。 

 振り返れば昨年は「100年に1度の金融危機」で終わった。今年もその影響を受け継いでむしろこれからが本番ということになるかもしれない。

 この「危機」は“勝ち組”と称して言いたい放題、やりたい放題のことをしてきた連中がつくり出したものだ。 アメリカではこの“勝ち組”がなんとか助けてくれと政府・議会に必死に請い願っている。それが社会のためだからと言って。

 カネ儲けのためだけの能力が要求され、カネ儲けのためだけの技術が磨かれ、カネ儲けのためだけの社会制度がつくられる。その仕組みが破綻した。

 この先もこの仕組みを維持し続けようという勢力が暗躍し続けるだろう。しかしもうカネ儲けのためだけの社会を支えた泡(バブル)はない。泡(バブル)のないもとで人々が生きていく社会をどうつくっていくかを考え出さなければならない。いやおうなしにそういう方向に向かっていく。

 2009年は一段と厳しさが増すかもしれない。しかしそれはまた希望の年の幕開けでもある。(2009/1/1/No.96)

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