麻生総理大臣が「小泉元総理大臣が推進した改革路線からの転換を鮮明」。いまだ現職の小泉元総理とそのチルドレンはどう答えるのだ
麻生総理大臣が28日に施政方針演説を行い、もろもろ述べたうえで「小泉元総理大臣が推進した改革路線からの転換を鮮明」にしたそうだ(1/28/15:32/NHK HP)。
「小泉元総理大臣が推進した改革路線」を知るうえではその原典的存在である「骨太の方針(2001年版)」を読むのがいいのだと思う。正式には「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針概要」。
その中に「聖域なき構造改革は、その過程で痛みを伴うこともありますが、構造改革なくして真の景気回復、すなわち持続的成長はありません」というくだりがある。
確かに「痛み」はあった。初めはごく一部の人のできごとのはずだった。それゆえ自分には「痛み」が及ばないだろうと思った人たちを含めて絶大な支持を集めた。でも「真の景気回復」「持続的成長」はこなかった。
さらに「短期的には低い経済成長を甘受しなければなりませんが、その後は経済の脆弱性を克服し、民需主導の経済成長が実現されるでしょう」というくだりがある。
確かに「民需主導の経済成長が実現」した。大企業を中心に5年連続だかの史上最高益を実現した。しかしアメリカの「民需」がこけたらいっぺんにその「脆弱性」が表れた。
そして「そこでは、国民が自信と誇りに満ち、努力した者が夢と希望をもって活躍し、市場のルールと社会正義が重視されます。また、それは誰もが豊かな自然と共生し、安全で安心に暮らせるとともに、世界に開かれ、外国人にとっても魅力を感じる社会でなければなりません。新世紀維新が目指すのは、このような社会です」とある。
「市場のルールと社会正義が重視されます」はないだろう。これは日本だけの問題ではないが、アメリカの原油価格が140ドル越えまでいったかと思ったらあっという間に100ドル以上値下がりした。あれはいったいなんだったんだ。そしてさらに今の「派遣切り」「期間工切り」。契約期間途中であっても平然と解雇する。もちろん違法だ。そのどこに「社会正義が重視」されるというのだ。
「外国人にとっても魅力を感じる社会」には確かになった。今や東京証券取引所の株売買の6割は外国人投資家だという。公的資金で不良債権を処理したあげくに外国企業に二束三文で売り払った銀行もあった。
「誰もが豊かな自然と共生し」??。今や世界的な食料不足が警告されているのに日本の農地の中には荒れ果てている所があるという。農地というのは絶えず手入れをしていなければ使い物にならないと聞いたことがある。
「国民が自信と誇りに満ち」。オリンピックでは活躍した日本選手に対して「国民が自信と誇り」を持った。しかし政治・経済の世界で本当に「自信と誇り」を持ったのか。
「努力した者が夢と希望をもって活躍し」か。夢と希望を持って努力している人は多いだろう。しかし本当に報われる社会なのか。
小泉元総理は次回選挙には出馬しないで政界を引退するという。引退すればそれですべてが帳消しになるとは思わない。さらにその意を汲んだチルドレンは再選を目指している。公職にある以上は責任ある見解を示すべきではないか。(2009/1/29/No.105)
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