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2009年4月

「時刻表」1000号に思う

 大手旅行会社JTB系の「時刻表」が、大正14年に創刊されて以来、20日発行の5月号で、通算1000号を迎えたとのこと(4/20/21:15/NHK HP)。

 実は若いころからこの「時刻表」マニアだった。東京・世田谷区の35歳の男性が「『時刻表は、これを使って計画を立てるのが楽しくて、実際に旅に出られなくても、自宅で旅行を楽しめる感じがします』」(NHK HP 前同)と語っていたとのことだが要するにそういうことなのだ。

 とくに、限られた日数の休日を利用して、いかに多くの地をいかに時間的余裕を持って旅をするか、いかに快適に、いかに安くという矛盾を解決するのが楽しみだった。

 自動車で行けば渋滞に巻き込まれた場合、ただイライラしながら待つしかないのだが、鉄道旅行の場合、乗り換えの待ち時間も有効な探索時間として利用する。食事は駅弁にするか降りてするか。駅弁の場合はどこの駅にするかと。

 しかし最近は夜行列車の多くが廃止され、各駅停車の列車がズタズタにこま切れにされたうえ、本数も大幅に減らされたのでこの楽しみもつくりにくくなった。

 今やインターネットの時代である。「昭和61年には、1か月の発行部数が200万部に達し」ていたのが「今では15万部ほどにとどまってい」るとのこと(NHK HP 前同)。

 列車の発車時刻等を確認するだけならインターネットの方が便利なのだろうけど、楽しみとして利用するなら今でも「時刻表」の方が早いという気がする。

 いま、地球温暖化問題のからみで高速鉄道が見直されているのだという。しかし“古きよき”時代の鉄道はもう戻らないだろう。「時刻表」もこの先何号まで号数を延ばせるか。時代の流れではあるが、時代の流れと肯定するばかりが能ではないだろうと思ったりもするのだがそれはムリ筋というものか(2009/4/20/No,134)。

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イチロー選手快挙に思う。継続は誰にでも力をもたらすか?

 イチロー選手が日米通算3086安打を記録し、張本勲さんの持つプロ野球通算最多安打記録の「3085本」を上回った(4/17/17:17/NHK HP)。

 1991年、ドラフト4位で気をもんだ末?のプロ野球入団だった。その才能を認められるのは入団3年後のことだという (フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)。

 そういえば甲子園の優勝投手として巨人に入団した王選手(当時)も打者に転向して頭角を現すようになったのがやはり入団3年後ぐらいだったようだ。石の上にも3年というが、とりあえずはこのぐらいは続けなければ話にならないということだろう。

 一郎選手は「振り子打法」、王選手(当時)は「一本足打法」と独自の打法をあみ出した。そこには良き指導者との出会いがあった。この出会い、本人に光るものがあったから呼び寄せたものか、運命的な幸運か、凡人には知るよしもない。以来営々とした努力で偉大な記録を樹立した。

 名前は忘れたが日本人の宇宙飛行士が子どもたちを相手に、夢を持ち続けてこつこつ努力すれば必ず夢はかなうと話していたことがあった。

 子ども相手の話ではあるが、夢をかなえた人たちは多くの人がこのように言う。継続は力なり、と言う。夢らしきものをかなえた記憶のないものにはにわかには信じがたい話だ。

 スポーツの話から一転して政治・経済の話になるが、若いころに聞いた話だから真偽のほどは定かではないが、若い時にマルクスにかかわらなかったものはダメだ。でも30歳を過ぎてマルクスにかかわっているものもこれもダメだ、と言った人がいるのだという。くどいようだが真偽のほどは定かでない。でもユーミンの「いちご白書をもう一度」の中に「就職が決まって、長い髪を切ったとき、もう若くはないと君にいいわけしたね」というくだりがある。

 時おりしもマルクスブームだという。人生の50年・60年、あるいは70年・80年をマルクス一筋に歩んできた人たちの“夢”がかなう日がくるのだろうか。(2009/4/18/No.133)
 

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政府・与党の「経済危機対策」、いよいよ「大洪水よ、わが亡きあとに来たれ」の始まりか。

 政府・与党は10日、財政支出15兆4000億円、事業規模56兆8000億円と、いずれも過去最大となる「経済危機対策」を決定した。「今回の危機は戦後最大。国民の総力をあげた挑戦が必要だ」というのが記者会見で発表した麻生総理大臣の認識(4/10/NIKKEI NET)。

 確かに戦後最大の危機という経済指標がある。日銀が1日に発表した短観・企業短期経済観測調査がその一つ。それによると「景気の現状について、『良い』と答えた企業から『悪い』と答えた企業を差し引いた割合は、大企業の製造業でマイナス58ポイントと、石油危機の影響に見舞われた昭和50年5月のマイナス57ポイントを下回って、昭和49年に日銀が調査を始めて以来、最も悪い値」。「前回、去年12月からの悪化幅も34ポイントと過去最大」。「とりわけ自動車がマイナス92ポイントに落ち込む」(4/1/12:13/NHK HP)などまさに深刻な状況。

 たしかにそういう経済指標はあるのだが、それで日本の国全体が深刻な状態に陥っているわけではない。たとえば「マイナス92ポイント」という数値が出た自動車業界のトップのトヨタ、相変わらずの株主配当をしている。「08年9月の中間配当は前年と同額の1株あたり65円」。09年3月期は不況を反映して減配するようだが、かりに「前年と同じ75円を維持すると年間配当は140円で、配当総額は4000億円超となる」(4/1/ 読売新聞=Google)。

 一方トヨタ社員の方はどうか。今年の春闘で4000円のベースアップは通らなかったが、それでも定期昇給分は確保。その額7100円。定期昇給だけで7,100円だ。一方年間のボーナス、「去年の妥結額を67万円下回る」とはいえ年間で「186万円とする」との回答があったそうだ(3/17/18:18/NHK HP) 。

 確か年収で200万円を下回るとワーキングプアと言うんじゃなかったっけ。トヨタの社員は去年の実績でいえばボーナスだけで年収253万円(平均)の収入を得ている。

 確かにボーナスで67万円減るというのは痛いだろう。そういう生活水準で暮らしてきたのだからどこかで生活水準を落とさなければいけない。しかし暮らせないというわけではない。

 そういうことだから「100年に1度の金融危機・経済危機」といわれている割には世間のニュースはそれほど変わっていない。

 今年のゴールデンウィーク、円高の影響もあるようだが、曜日の並びがいいため去年より海外旅行が増える見通しだそうだ。

 休日の高速道路1.000円で遠出をしてみたいという人が増えているそうだ。

 民間調査会社の調査によると定額給付金の使い道で一番多いのが「外食」の28%。3位の「旅行」(21.7%)と合計すると約50%になる。これに対して2位の「普段の生活費の補てん」は22.1%となっている(4/10/NIKKEI NET)。

 こうしてみると「100年に1度の金融危機・経済危機」で影響を受けながらもそれなりの生活を続けている人たちは結構いるのだ。
 
 ではどこが影響を受けているのだろう。仕事をしたくても思うようにできない人たちだろう。障害者、高齢者、そして投資家への配当を維持するために、社員へのボーナスを維持するために切られた非正規労働の人たち。さらには仕事量がガクンと減った下請けの中小企業で働く人たち。

 そうした中で過去最大となる政府の「経済危機対策」だ。全文を読んだわけではないが環境基準を満たした新車を購入する場合とか古い車を買い換えた場合に補助金がでるそうだ。

 極端な落ち込みを見せている自動車業界のてこ入れということだろう。前述のようにこのご時世でもおカネを使おうと思っている人たちはたくさんいるからこれで自動車業界が活況を取り戻すかもしれない。しかしその結果はどうなる。投資家への配当は増えるだろう。社員へのボーナスも増えるだろう。切られた非正規労働者も戻れるかもしれない。しかし戻れるだけではないか。今の仕組みをそのままにして景気を戻しても危機を招いた社会に戻るだけだ。

 そしてその後には財政危機。景気後退の中での「経済危機対策」で税収よりも国債発行高の方が多くなるとも言われている。そして出てきたのが消費税増税。国の借金残高は2008年12月末現在でおよそ850兆円(財務省HP)。日本のGDPは500兆円強。かりに税率が10%になったとして、500兆円の過程にすべて消費税がかかるとしたとしても50兆円。気の遠くなるような話だ。政府は景気が回復したらなんて言っているけど、かけこみ需要があってそのあとガクンと落ちるのは今までの通例。それはそうだろう。かりに税率が10%になるとしたら自分の給料が10%下がるのと同じようなもの。給料が低い人ほどこの10%が響いてくる。

 今の仕組みを残したままでの「経済危機対策」では潤う所は潤いを戻し、少しはましになったかなという層が少し増えるだけだろう。そのバランスが一定限度を超えて崩れなければそれで社会は安定を保つということだ。しかしそのバランスを崩して消えていった国、体制は歴史上いくつもある。

 「大洪水よ、わが亡きあとに来たれ」とはマルクスの「資本論」の中の一節だそうだ。自分の生存中はとにかく稼ぎまくる。社会もそういう仕組みにする。わが亡きあとならその反動として大洪水のような危機が来ても知るよしもないというのが資本の論理ということのようだ。政府の「経済危機対策」、当面の選挙のり切り策としては効果をもたらすかもしれないがそれこそバランスを崩す時代の幕開けとなるのではないか。(2009/4/16/No.132)

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北朝鮮決議は議長声明へと。米中妥協で手も足も出ない日本の姿が

 北朝鮮が日本列島をまたぐ形で発射したロケットに対して協議を続けていた国連の安保理は結局決議は出さず、議長声明とすることで落ち着くようだ。

 当初日本とともに決議を主張していたアメリカが慎重な対応を求める中国に妥協する形でこうなったようだ。「議長声明の拘束力は日米が主張した『決議』と、中国などが唱えてきた記録に残らない『報道向け声明』の中間」(4/11/NIKKEI NET)とのことで日本の顔を立てるために多少表現をきつくしてあるそうだ。

 日本政府も「決議にこだわり続ければ安保理内での孤立が避けられない」(4/11/NIKKEI NET)との判断に傾いたようだ。

 アメリカがどうして妥協に踏み切ったのかは詳しくは知らない。しかしイラク侵攻の時には何でも思うとおりにしてきたアメリカが力の衰えを意識したのかそれともオバマ新政権での方針転換か。いずれにしてもアメリカと中国の意向で世界が動いたという事実は疑いない。

 日本はどうして世界を動かすだけの政治的影響力がないのか。

 国内には軍事的に大国ではないからだという根強い主張があるようだ。 そのため「テロとの戦い」に貢献し、海賊対策でははるか遠い海域に自衛艦を派遣し武器の使用も辞さない構えを取り、今回の北朝鮮ではミサイルの実戦配備をする。そういう既成事実を積み上げて自衛隊の存在をあたりまえ化し、憲法を改定し核兵器も持つ。そういう軍事大国の仲間入りすればもっと世界を動かす存在になれるだろうと。

 しかしそういうものではないだろうと思う。現在強力な軍事力を持ち、核兵器も持つアメリカや中国の方がはるかに世界中に対して目配り、気配りをしているのではないか。もちろん多数派工作も。

 日本の国内ではいまだに地元に大型公共投資を呼び込める政治家が大物としてもてはやされている。国際会議に出席すれば酩酊する大臣がいた。国際会議で英語を誇らしげに披露する反面、自国の漢字も読めない総理大臣がいる。

 世界は今や新興国、途上国が力をつけつつある時代。日本史流に言えば“群雄割拠”“戦国”の時代になりつつある。このままいったらあと10年か20年で江戸城を追われた徳川幕府のような存在になってしまうのではないかと心配になってくる。(2009/4/12/No.131)

 

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自転車3人乗り容認へ、でもその前にもう少し安全対策が必要ではないかという気がするのだが。

 自転車の前後に幼い子どもを乗せる「3人乗り」について、早ければことし7月にも認められる見通しとのこと(4/9/11:48/NHK HP) 。

 社会的にそういう必要性があって要求もあるのなら必要な措置だろうと思う。

 しかし女性の自転車のりにはその前にもう少しすることがあるような気がする。乗る側の安全に対する意識だ。

 特に女性と指摘するのは男性に比べてまだまだ車を運転する機会が少ないため、相手の立場になれる人が少ないと考えられるからだ。

 狭い路地から広い通りに出るのにブレーキをかけるでもなく左右を確認するでもなく平気で出てくる人をよく見かける。車の音が聞こえないからいいと思っているのか相手が注意するのがあたりまえと思っているのか。優先道路ということばを聞いたことがない人も多いのかも。

 車を運転していて進路を変更する場合、バックミラーで後方を確認するのは常識だ。自転車だってちょっと後ろを確認するぐらいの動作があってもいいのではないだろうか。後ろからなにが来ていようと平気で曲がる人もよく見かける。いずれも女性に限ったことではないのだが。

 今は弱者保護の時代だ。交通安全でより多くの義務と責任を持つ者がそのことを自覚するのは当然だ。しかし事故がおきて悲しい思いをするのは強者ではなく弱者だ。一人一人が基本的な注意を払うことは重要ではないか。自転車3人乗りには小さな子の前途がかかっているのだから。(2009/4/10/No.130)

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「テポドン2号」、政治力の欠如を棚に上げて千載一遇のチャンスとしていないか?

 北朝鮮の「テポドン2号」発射ではとりあえず落下などの被害がなくてよかったと思う。

 もし迎撃ミサイルの発射なんて事態になれば日本を標的にするとの北朝鮮の脅しに備えて日本も軍備を強化するとの際限のない軍拡論争になるところだった。

 現に自民党の中川昭一前財務相は「敵基地攻撃など核の脅威への対応策を議論する必要があるとの認識を示した」とのこと(4/6/ 東京新聞=HP)。

 この前大臣、「政調会長時代の二〇〇六年、『憲法でも核保有は禁止されていない。核があることで攻められる可能性が低くなる、やればやり返すという論理はあり得る。当然、議論があってもいい』と述べ」たことがあるそうだ(東京新聞 前同)。

 中川昭一前財務相といえば国際会議という大事な政治の場に出張して酩酊騒ぎを起して辞任した人物だが、こういう軍拡の話になるとすこぶる元気になるようだ。

 ところで北朝鮮の強気の背景にはなにがあるのだろうと思う。「瀬戸際外交」しかもはや生きる道がないとはいえやはり中国・ロシアの後ろ盾が大きいのだろう。

 中国・ロシアは今回の「テポドン2号」の発射でも、発射前、発射後の安保理を通じて日本、欧米とは一線を画する態度を取っている。

 もともと冷戦時代から関係の深い国だが、中国・ロシアは今、アメリカ、EUと並ぶ第3極の地位を目指しているのだと思う。そのため新興国、途上国の多いアジアでのリーダー的存在を目指しているのだろう。北朝鮮の存在もアメリカ、日本を牽制するために利用しているのだろう。

 日本はその中国を動かすことができなかった。アジア諸国も中国との関係を悪くしたくないとの思惑で簡単には日本にはなびかない。

 日本はアメリカとの「強固な同盟」関係を誇示しているうちにアジアでの足場をますます失っているのではないか。

 「テロとの闘い」「海賊対策」「北朝鮮の脅威」を千載一遇のチャンスとして自衛隊を海外に派兵して、核武装まで目指して、憲法を改定して、大日本帝国の夢をもう一度と。しかし70年以上前の国際情勢の再現が実現できるほど甘い時代なのかと思う。(2009/4/7/No.129)

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解散総選挙をめぐって自民・民主、“高等戦術”の競い合い?それで日本のなにが変わるというのか

 秘書の逮捕・起訴という事態になっても世論に抗して民主党の小沢代表が辞任しようとしない。自分は代表という地位にこだわるものではないと発言してきた気がするのだが。

 ところがこの小沢代表のいすわり、解散総選挙をめぐる“高等戦術”という見方もあるようだ。

 今、小沢代表の支持率が落ちている。その“敵失”のせいなのかここにきて麻生内閣の支持率も上昇している。3月29日に投開票された千葉県知事選でも大方の見方は森田健作候補の個人的知名度による当選ということのようだが、小沢民主に対する批判票もあったと指摘されている。

 解散をするなら今がチャンスという空気が広がるのではないか。それで解散ということになれば小沢代表は辞任するというのだ。

 かねてから政権交代が私の目標と言ってきた小沢代表、いざ解散総選挙となれば代表が辞任するなら民主党そのものを見放すわけではないと、有権者はそう反応するだろうとの読みのようだ。

 一方の麻生総理大臣は3月31日の記者会見で、「『平成21年度の補正予算案の成立に野党側がどう対応するかだ』などと述べ、野党側の対応を見極めて判断する考えを示し」たのだという(4/1/13:32/NHK HP)。

 昨年から08年度の補正予算とその関連法案が通ったら、09年の本予算とその関連法案が通ったらと、民主党の解散してくれるなら何でも協力という本音をたくみに利用してきた政府・与党。またしても民主党の解散して欲しいという願望を利用する気だ。お互いに“高等戦術”の競い合いだ。

 なにをばかなことをやっているんだと思う。彼らがうつつをぬかしている間に確固とした新しい潮流を打ち立ててひとあわ吹かせてやりたいものだ。(2009/4/4/No.128)

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オバマ米政権にとっては、やはりつけたしニッポンなのではないのか?

 「オバマ米大統領、09年後半にも訪日の方針」(4/2/NIKKEINET)との見出しの記事が目を引いた。

 しかしこの記事、よくよく読んでみると、金融サミットでロンドンを訪問中のオバマ大統領が、中国の胡錦濤国家主席と会談し、今年後半に中国を訪問することで合意し、その途中で日本を訪問するというもの。

 この点について河村官房長官は「『以前から話が出ていた』と述べ」たとのこと(4/2/12:13/NHK HP)。

「以前から話が出ていた」がそれが煮詰まるところまでいかなかったのは米政権が中国訪問が実現するのを待っていたということではないのか。
 
 オバマ政権の国務長官に就任したヒラリー・クリントン氏はその就任前にこれからのアメリカのアジア外交にとって最も重要なのは中国だという趣旨の論文を発表していたという。

 そのことに日本国内で動揺が広がっていると見るや就任後最初の訪問国に日本を選ぶという“演出”をやって見せ、日本国内を喜ばせた。

 オバマ政権発足後の日米首脳会談は、麻生首相が訪米してすでに1回やっている。オバマ大統領の議会演説前のあわただしい時間だったと記憶している。アメリカ国内ではほとんど注目をあびなかったとの報道があったと記憶している。

 すでに1回やっているからということだろうか。世界の注目が集まる今回の金融サミットの場では個別の日米首脳会談は行われないようだ。

 中国は今や世界一の外貨保有国。今年になって少し減ったらしいが08年末で約1兆9300億ドルになるという(3/21/NIKKEI NET)。

 この外貨保有をめぐって最近波紋が起きている。中国人民銀行(中央銀行)の総裁が「ドルを基軸通貨とする現在の国際通貨体制の限界を指摘する論文を公表した」のだそうだ(3/23/NIKKEI NET)。

 今や「100年に1度の金融危機」。ドルが急落すれば保有外貨の価値が急激に減ることになる。かといってリスク回避のために売りに出せばそれもまたドル急落の引き金になる。どちらにしても“危ない橋”ということで新しい基軸通貨の創設を求めているということだろう。

 今回の金融サミットでこのことが話題になるかどうかは不明だが、「稼いだ外貨の多くを米国債などドル資産で運用してきた」中国に対して「米国債を買い続けるよう求めている」のが今の米中関係だという(3/21/NIKKEI NET)。

 一方、中国についで世界第2位の外貨保有国である日本はすでに麻生首相がドルの機軸通貨体制を堅持していくと表明している。どこまでもアメリカを支えていくのが日本の国益というわけだ。オバマ政権にとってまさに“安全パイ”の日本ということではないのか。

 国と国との関係に限らず職場内の関係などでも、なんでもかんでもいうこと聞いて忠誠をつくすことが自分を守る道、自分の力をつける道と心得ている人がいたりするが、相手は必ずしも重きを置いているとは限らない。対立はするけれど一目を置かれるような関係のほうが結局自分を守る道と言えたりするのではないか。いずれにしてもオバマ政権のアジア外交は実際には中国中心で行くことは間違いないのではないだろうか(2009/4/2/No.127)

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