ボロボロの郵政民営化に固執するということは?
日本郵政の西川善文社長の取締役再任を拒んでいた鳩山邦夫総務相が12日辞任した。事実上の更迭だという(6/12/NIKKEI NET)。
盟友と言われる鳩山邦夫総務相を切ってまで西川善文社長の再任を選んだ麻生首相、一度は郵政民営化に賛成ではなかったと表明したこともあったが、結局は郵政民営化路線を選んだということか。
その背景には05年の総選挙で自民・公明連合に圧倒的支持を与えた民意に逆らって改革を後退させるのかという圧力に抗し切れなかったという事情があるようだ。
しかし05年の総選挙の時点で昨年のリーマンショック以来の「100年に1度の金融危機」の危険性に警鐘を鳴らした人がどのくらいいただろうか。当時、民営化、民営化と“はしゃぎまくった”連中の“懺悔の弁”がどのくらいなされたというのだろう。この問題は本質的な危機ではなくて一時的ないつかは回復する危機に過ぎないとの居直りが続いている状態ではないか。
郵政民営化の目的にはいろいろなことが言われている。しかし民間企業として全国一律料金制の郵便事業に最大の魅力を感じる企業がどれだけあるだろうか。そうではないだろう。民間企業にとって最大の魅力は郵貯・簡保で300兆円とも400兆円とも言われた金融部門だろう。この資金は昔は旧大蔵省の資金運用部というところで運用されていた。そのことから族議員のカモにもされてきたはずだ。それに対して「改革」民営化論者から「塩漬け」論が出てきた。この膨大な資金を民間で活用すればはるかに有益な結果をもたらすというわけだ。もしリーマンショックがなかったらその運用先としてアメリカの証券、債権、株、原油、穀物、等々、バブルにまみれた世界につぎ込まれていただろう。もし民営化会社が株式を上場したらアメリカの巨大金融のカモにされていたかもしれない。そうなる前にリーマンショックが起きて郵貯・簡保の巨大資金は助かったのだ。
西川善文社長には「かんぽの宿」を“仲間”のオリックスの宮内義彦会長が率いるオリックス不動産にたたき売ったり、また不動産の売却や「ゆうちょ銀行」のカード委託業務などで出身母体である三井住友銀行関連の会社が優遇されたり等々といろいろな疑惑があるそうだ(6/13/「しんぶん赤旗」=共産党HP)。
郵政民営化とは自民党を中心とする族議員の利権の場から民間大企業集団の利権の場に変えたに過ぎない。今回の麻生首相の盟友鳩山邦夫総務相切り、西川善文社長の再任とはあくまでも「カジノ資本主義」の構造を維持してその復活をはかろうとする大企業集団の利権の構造を追認したということだ。(2009/6/13/No.151)
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