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「エコポイント」は総選挙が過ぎたら景気悪化策??

 「エコポイント」のスタートで「対象のエアコンや薄型テレビなどの売り上げが去年の同じ時期に比べて大幅に増えている」のだという(5/23/16:36/NHK HP)。「家電製品の市場調査が専門の『GfKジャパン』」の調査。

「中でも40型以上の薄型テレビについては2倍、501リットル以上の大容量の冷蔵庫については2.5倍になるなど、受け取るポイントが多い製品ほど売り上げが伸びてい」るのだという(NHK 前同)。

 「定額給付金」、高速道路休日1,000円乗り放題等々、政府が消費刺激策を打ち出せばそれなりの反応があって景気が徐々に上向いてくるかのようだ。

 ところがだ、その政府自身が「温暖化対策は経済に悪影響 失業率も悪化、可処分所得も目減り」という試算をまとめているようだ(3.27 22:42 産経新聞HP)。

 それによると「最新の省エネ製品購入を促す政策をとれば、(温室効果ガス排出は)・・・省エネタイプにほぼすべてを切り替えた場合には25%の排出削減となるものの、GDPは3・2~最大6・0%減少し、可処分所得も22万~77万円目減りするという」のだ。

 「エコポイント」は「平成21年度補正予算(案)に盛り込まれているものであり、その実施は補正予算が国会で成立することが条件となって」いる。

 今日現在その補正予算案は成立していない。にもかかわらず政府は5月15日から実施している。

 一般的に消費が拡大すれば景気が良くなると言われている。しかし政府の試算ではコストの面から逆に後退するとしている。少なくともこの試算では地球温暖化を阻止するためには今とは違った社会を受け入れることが必要としている。

 しかし今現在はそれがあたかも景気を回復させるかのような印象を振りまき、予算が成立していないにもかかわらず実施している。政府の景気刺激策が総選挙目当ての何物でもないことを示しているのではないか。(2009/5/23/No.143)

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民主党代表交代はなぜ行なわれなければならなかったのか?そのなぜ?はどこに行ったのか?

  民主党の鳩山新代表が小沢前代表を選挙を担当する代表代行に充てることを内定した(5/17/20:7/NHK HP)。

 議員にとって選挙に当選することは何よりも重要なこと。その選挙を取り仕切る代表代行となれば小沢氏が陰で糸を引く本来の姿?に戻ったということではないか。

 小沢代表はなぜ代表を辞任したのか?総選挙を間近に控えて挙党体制をつくるためと言う。

 ではなぜ党内はギクシャクしたのか?西松建設からの献金をなぜ個人献金としなければならなかったのか?不信感をつのらせる世論を納得させることができなかったから。

 そのなぜ?をそのままにして辞めれば済むという問題か。ましてや実権を持った代表代行に就任とは。

 人のうわさも75日。目先を変えておけばそのうち風化する。民主党もその程度の政党だということか。自民党とどこも違わない。(2009/5/17/No.140)

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小沢民主代表辞任表明は当然。企業と縁を切れない政党が官僚制とは縁を切るとの妄想を続けるのか?

  小沢民主党代表が代表辞任を表明した(5/11/19:32/NHKHP) 。当然だと思う。

 疑惑を持たれるようなカネ、違法ではないと世間をまったく納得させることができずに逃げまくるだけのカネ、そういうカネにまみれた政治家は許さないとの世論に抗しきることができなかったということだろう。そういう点では日本の世論の健全性を示したものだと思う。

 今後後継代表を選出することになるが、後継候補の中には企業献金が必ずしも悪とは思わないという立場の人もいるようだ。しかし、どのような選択をしようと一人一人の国民が自分の意思で政治を動かすというのが民主主義の根幹だ。献金だってそういう立場であるべきだ。企業献金が一人一人の意思でという立場と言えるのか。

 以前、企業経営者が会社の利益にならないような献金を支出したらそれは背任だという指摘を聞いたことがある。そうなのだろうと思う。かりに慈善事業の団体に寄付をしたとして、直接的には利益をうまないとしても、こういうことに貢献していますという宣伝は企業イメージの向上に貢献するだろう。企業がカネを使うということはそういうことなのだろうと思う。貰う側のかってな論理で正当化できるものではない。

 民主党は総選挙を前に官僚制の打破を最大の売り物にしている。

 自民党はなぜ官僚制と縁を切れないのだろう。「族議員」と言われるような圧力団体的な機能はあっても国の進路を明確に示すような政策立案能力、そのための調査能力が党にはないために官僚に頼り、利用するしかないということだろう。

 企業献金だってそういうことなのではないのか。幅広く国民に訴えて幅広く献金を受ける。党にそういう体制と力量がないために手っ取り早くおカネのある企業から献金をもらうということではないのか。

 選挙となれば民主党の“手足”となって動くのは大企業労組が中心の「連合」組合員たちではないのか。

 「次の衆議院選挙について『国民が(民主党)政権を選択し、みずから、この国と国民生活を救う、またとない機会』」という小沢代表の記者会見での発言(NHK 前同)は妄想と言うべきではないか。(2009/5/11/No.138)

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トヨタ、国滅ぼす“年貢米”取立ての生き残り策にどういう意味があるのか。

 世界経済は依然として「カジノ資本主義」の後遺症に悩んでいる。アメリカのAIGは「商業用不動産を担保にした金融商品が暴落したことなどから」08年9-12月期が「およそ6兆円の巨額の赤字になったと発表」。08年通年でも「およそ9兆6000億円の最終赤字だとしてい」る(3/2/21:58/NHK HP)。アメリカ政府は全力で救援を続けているがこんな企業が再建できるのかと思う。

 一方、アメリカ最大の自動車企業GMは「『再建計画の実行に失敗すれば連邦破産法の適用申請に追い込まれる可能性がある』」との情勢(3/6/6:51/NHK HP)。

 そうした情勢の中で 日本最大企業のトヨタも“悩んでいる”。「昨年十一月以降、0九年三月期の業績予想を三度にわたり下方修正した」(「東京」3/7付)。

 しかしトヨタが沈没寸前のアメリカ企業と違うのはここからだ。まず「昨年前半に約九千人いた期間従業員は三月末には約三千人にまで減る予定」(「東京」同)。

 そして極めつけが部品メーカー各社に対して打ち出した09年度の調達方針「『六割操業でも成り立つ企業構造の確立』」(同)。

 6割操業に陥ってもトヨタは利益を出すというのだ。そのために部品メーカーは納入単価を抑えろと言っているのだ。

 GMは人員削減どころか労働条件の切り下げでさえ労働組合の抵抗を受けてもたついた。トヨタはそんなてつは踏まないというわけだ。

 しかし納入単価を切り下げられる部品メーカーはどうやって「企業構造の確立」をしていくのだろうか。次から次へと玉突きのように下に押し付けていくのだろうか。これでは江戸時代に過酷な年貢米取立てを強いられた農民と同じではないか。

 この方針を貫けばトヨタは企業としては見事によみがえるかもしれない。しかしそのために国内に末広がりにつらなる生産構造をガタガタにしてしまう可能性がおおいにある。そんなことまでして世界のトヨタの黒字化を支える意味があるのだろうかと思う。(2009/3/7/No.118)

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小沢民主やられたね?権力ととことん闘うということは

 民主党の小沢一郎代表の公設第1秘書が西松建設による裏金事件に関連し、政治資金規正法違反の疑いで東京地検特捜部に逮捕された(3/3/19:18/NHK HP)。

 同党の鳩山幹事長は「こうした話が出てくるには、いろいろと陰謀があるなと感じており、政府・与党側も何もないところから、おかしな話をつかみ取ろうと必死なのではないか。こうした話には断固戦わなくてはいけない」との見解を示したとのこと(NHK前同)。

 「何もないところから、おかしな話をつかみ取ろうと」というのはどうだろうか。とりあえずは第一報程度のニュースしかないので良くわからないが小沢代表からはそれなりの説明はまだないようだ。

 次に「陰謀」なのかどうかだ。この問題を考える上で決定的に重要なことは検察の独立性についてどう考えるかだと思う。

 この件に関して河村官房長官は午後の記者会見で「一部の報道は承知しているが、それ以上のことは承知していない」(NHK 前同)。と述べている。これが本当かどうかだ。

 検察庁法第14条は「法務大臣は、第4条及び第6条に規定する検察官の事務に関し、検察官を一般に指揮監督することができる。但し、個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみを指揮することができる」(houko.com)。

 なにやら怪しげな法律だと思う。検事総長は検察官を指揮監督するわけだから法務大臣がその検事総長を指揮するということは個々の事件についても指揮監督できるということではないのか。

 「出る杭は打たれる」といことばがある。民主党が自民党にたいして決定的な打撃を与えるような情況ではなかったらこの件はこういう展開にはならなかったかもしれない。むしろ共産党のように将来的には体制変革を考える政党が大きくならないように不満のはけ口となっていると重宝されだろう。いま総選挙をすれば民主党に政権を取られる、そういう認識のもとで裁判でどういう判決がでるかは問題ではない。今世間に衝撃を与えて民主党のイメージを失墜できればという配慮があったのだとしたらそれはまさしく「陰謀」とも言えるだろう。

 しかしまったくの事実無根、でっち上げという意味での「陰謀」というのはどうだろうか。 いずれにしても権力の奪い合い、いつ足もとをすくわれるかわからない。権力ととことん闘うと標榜するならまず自らの清廉潔白さが必要だろう。敵に弱みをつかまれるようでは馴れ合いの“対決”しかできない。(2009/3/3/No.116)

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日本経済沈没?コストダウン至上主義の経済構造ではもはや日本は救われない。

 内閣府の発表で去年10月から12月までのGDPの伸び率(速報値)が「年率」換算の実質で12.7%のマイナスとなった。「10%以上の2けたのマイナスになったのは石油危機直後の昭和49年の1月から3月にマイナス13.1%となって以来34年9か月ぶり」とのこと(2/16/10:0/NHK HP)。

 この落ち込みの最大の原因は「マイナス13.9%と過去最大の減少」(NHK 前同)となった輸出の落ち込み。 輸出がこけたら日本経済がこける。今さらながらの日本経済の外需依存体質を感じる。

 1955年の保守合同による自由民主党の結成、1960年の池田内閣による「所得倍増計画」、それにより「高度経済成長」を遂げて世界の経済大国になって以来この半世紀を支えてきた日本経済の一大論理は、日本は資源がないので輸出に頼っている。そのためには国内経済を効率化して国際競争力をつけなければいけない。そのためにはコストダウンは不可欠というもの。

 しかしこの論理が日本経済を長期的展望を持たない目先の利益追求型にして国内経済を衰退させてしまったのではないだろうか。

 たとえばエネルギー問題。東シナ海のガス田開発で中国とのあつれきが問題になっている。しかしこのニュースを聞いていつも思うのは中国は開発しているのに日本は開発していないのかということだ。

 日本はエネルギーがないと言いながら日本の経済水域にガス田があるのに開発していない。資金と能力は当然ある。しかしやらない。なぜか?コスト的に合わないからだろう。他にも風力発電とか太陽エネルギーの利用とか。石油資源のない国だからその他のエネルギー開発で世界をリードしているのかと思うとそうではない。カネにものをいわせて石油を買いあさればその方がずっと安上がりだということだろう。気がついた時には日本の弱点がまるで解決されていない。

 農業問題もそうだ。狭いニッポンでせせこましく農業をやっているよりカネにものをいわせて外国から買ったほうがずっと安上がりだという論理で国内農業を衰退させ、今国際的な食糧危機が叫ばれる中で自給率の低下に危機感をいだいている。

 小泉元首相の登場で吹き荒れた「構造改革」。安い人件費を求めて中国等に製造拠点がどんどん出て行き国内では大リストラ。日本の中小企業が持っていた貴重な技術までもが海外に出て行ってしまうという現状。そして日本の「高度経済成長」を支えてきた「団塊の世代」の大量定年。今や人的資源もあやしくなってきた。

 よく「内需拡大」で話題になるのが大型公共投資。しかしこの業界、大手ゼネコンが元受けで、下請け、孫受け、ひ孫受けと延々と仕事がたらいまわしされることは常識。そのたびにピンハネされる。会社はもうかるが実際の工事はギリギリ、かすかすで行われて世間に回る金は微々たるものになる。しかも赤字必至の大型工事で借金だけが後世に残る。

 今回発表されたGDBのマイナス成長、今年1月-3月期はもっと落ち込むだろうとの観測があるそうだ。

 日本は長い間輸出によって高い経済成長を保ってきた。しかしその輸出がこけたら国内になんにも残っていない、そんな感すらする日本経済の沈没。それは歴代の自民党政権によってなるべくしてなったのだ。今、「内需」とは何かが問われなければならない。そしてそれが実現できる日本経済とはどうあるべきかが問われなければならない。その転換に必要なものは根本的なものであってそれが実現できる政権でなければならない。単に政権が変わればどうにかなるだろうというものではない。(2009/2/16/No.110)

 

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日本郵政、完全民営化の後に「100年に1度の金融危機」だったらどうなっていた。

 日本郵政は全国70の「かんぽの宿」などをオリックス不動産に一括して売却する契約を白紙に戻すと表明した(2/13/18:25 NHK HP)。

 当然過ぎるほど当然の話だ。そもそも用地費、建設費で2,400億円もかかったしろものを109億円で払い下げるという話自体が不自然だ。しかもオリックスグループの宮内最高経営責任者は06年まで「規制改革・民間解放推進会議」の議長をつとめていたそうだ。自分で民間解放を推進したあげくの果てに自分の会社になんていくらなんでも話がうますぎる。

 「規制改革・民間解放」とは国有財産を“食い物”にするための一大画策だったのではないのかとの疑念を持たざるをえない。

 日本郵政というのは民営化されたわけだが今現在国が100%の株式を持っているそうだ。法律による縛りもある。今年あらためて見直すという規定もあるそうだ。

 民営化される時点で郵便貯金、簡易保険掛け金などで350兆円とか450兆円とかと言われていた。それが完全民営化の中で「カジノ資本主義」の中に費やされていたら今ごろいったいどうなっていたのか、と思う。

 今、「100年に1度の金融危機」の中で外需に依存する日本企業では派遣・期間工切りが正社員にも及ぼうとしている。しかしそれが郵政完全民営化前だったがために日本人の貴重な資産が守られたとも言えるのではないか。(2009/2/13/No.109)

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“敗北宣言”のダボス会議と気勢を上げる「反ダボス会議」と

  かつてアメリカの裏庭とまで言われた南米に左翼政権が次々と誕生した。その首脳たちが集まって「世界社会フォーラム」が開かれた。

 この会議はダボスで開かれている「世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)」に対抗して開かれるため「反ダボス会議」と呼ばれているようだ。

 この会議の席上、ベネズエラのチャベス大統領が「ダボスに『死に行く世界』が集う一方、ここには『新たに生まれる世界』が集まった」と気勢を上げたそうだ(1/30/NIKKEI NET)。

 そこまで言われたダボス会議で日本の麻生総理大臣は「米国の過度の消費と黒字国の内需不足による世界的な不均衡の是正が必要だ」との考えを示したそうだ(1/31/NIKKEI NET)。

 麻生総理大臣が「ダボス会議」をどの程度代表しているかは定かではない。ほとんど代表していないかもしれない。ただアメリカが世界の富を独占し、「過度の消費」を極める社会をつくりあげ、そのアメリカを相手に日本では輸出大企業が、中国でも輸出大企業が、沿海部大都市が利益をため込み「内需不足による世界的な不均衡」をつくり上げてきたという指摘はそのとおりだと思う。そういう意味では先進資本主義国の“敗北宣言”といっていいのではないか。

 そういう意味では「新しい経済秩序には、経済成長率ではなく富の再配分といった指標が必要」(ボリビア=モラレス大統領)(NIIKEI 前同)という指摘は間違っていないのではないか。

 ただこれを「新たに生まれる世界」というにはまだまだ課題が多いのではないだろうか。中国にしても東南アジアにしてもこの南米にしても経済発展の原資は先進資本主義国からの投資であることが多い。今「100年に1度の経済危機」でその資金を引き上げる動きが出ている。それでも耐えられれば本当に「新たに生まれる世界」になるだろう。

 一方先進資本主義国が「死に行く世界」であるというのどうだろうか。こちらもまだわからない。前世紀末というか今世紀初めというか「ITバブル」がはじけたと思ったらあらたな「住宅バブル」。この先も新しいバブルを見つけて今の経済危機を帳消しにしてしまうかもしれない。

 しかしバブルは必ずはじける。それを繰り返しているうちにはいつか「死に行く世界」がやってくるかもしれない。(2009/2/1/No,106)

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オバマ大統領誕生。今や大企業まで政治が“活躍”することに期待する時代だ。

 アメリカでオバマ大統領が正式に誕生した。「就任式には過去最高の200万人近くが集結」(1/21/NIKKEI NET)するといった熱狂ぶりだったという。

 アメリカで初めての黒人大統領の誕生だ。奴隷制度以来、結婚禁止、さらには同じバスに乗ってはいけないというような差別を強いられ、さらには就職差別などで経済的困難を強いられてきたアメリカ黒人にとってはまさに希望の幕開けということだろう。もちろん熱狂しているのは黒人だけではない。

 ところでこのオバマ大統領の誕生に希望を託している人たちが“意外”なところにもいる。かつてはブッシュ前大統領時代のアメリカのように政治が“活躍”しないで何もかも自由にやらせてくれるようにすることが経済“対策”だと主張してきた日本の経済界だ。

 日本経団連の御手洗会長は「『金融市場の完全な安定と雇用の増大を目指し、思い切った政策をスピーディーに実行してもらいたい』と述べ、世界経済の回復のためにもオバマ政権の経済政策がカギを握る」と述べている(1/21/22:4/NHK HP)。

 「金融市場の完全な安定」とは公的資金を湯水のようにつぎ込めということだろう。「雇用の増大」とは自身が会長をつとめる企業(キャノン)では非正規切りをどんどんやるけど国のめんどうで「雇用の増大」をさせることが「世界経済の回復」の起爆剤になるということだ。

 オバマ大統領はその就任演説で「いま我々に必要なのは新たな責任の時代だ 」(1/21/NIKKEI NET)と述べているのだが、日本の経済界のトップは世界的な経済危機を招いた企業活動に対して何の責任も感じていない。再び企業を成長させるために政治が“活躍”することを求めている、

「マルクスが『資本論』で、資本は社会によって強制されなければ労働者の健康も寿命も何ら顧慮せず、無制限の利潤追求に走ることを指摘している」(共産党志位委員長=テレビ東京系「カンブリア宮殿」。1/21/付「しんぶん赤旗」=同党HP)

 この文言だけでは具体的な社会像が良くわからないが、その指摘自体は実感を持って理解できる時代になってきた。(2009/1/23/No.103)

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百貨店売上、コンビニに抜かれる。「勝ち組」の存在こそが経済活性化のはずではなかったのか

 百貨店(デパート)の「去年1年間の売り上げは7兆3813億円で・・・業界全体の年間の売り上げは初めてコンビニエンスストアに抜かれたことが確実となっています」(1/19/17:37/NHK HP)。

 百貨店とコンビニの品揃えを比べたら百貨店の方がはるかに高額のものが多いだろう。百貨店の去年12月の売り上げを見ても「婦人服や貴金属が不振だったため」(NHK 前同)とある。

 その百貨店の売上がコンビニに抜かれたということはバブルにうかれて高額品をむさぼっていたが、バブルがはじけてみれば一般庶民ふうの消費の額の方が上回るということだろう。

 このことは今後の日本経済の発展方向を暗示しているのだと思う。バブルを復活して再び高額品の消費を復活させるか着実な成長で一般庶民ふうの消費を拡大させるかだ。(2009/1/19/No.102)

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米、「シティグループ」銀行業と証券業を分割へ。規制緩和推進者の見解をあらためて聞いてみたい。

 米、「『シティグループ』は、16日、これまで推し進めてきた総合金融の戦略を転換し、銀行中心の『シティコープ』を中核事業とする一方、証券や資産運用、消費者金融などの『シティ・ホールディングス』を非中核事業に位置づけ、会社をこれらの2つに分割すると発表し」た(1/17/6:14/NHK HP)。

 アメリカではそもそも銀行業と証券業の兼業が禁止されていた。1929年の大恐慌を教訓として1933年に制定された「グラス・スティーガル法」だ。

 それが「新自由主義経済」のもとで規制緩和され、世界中に広まった。日本でも「努力した人が報われる社会」「貯蓄から投資へ」などと銘打って大々的に推進された。

 しかしその旗頭の一つであった米、「シティグループ」が公的資金での救済を懇願した上で76年ぶりにその教訓に戻った。

 この事態に対して日本で「構造改革」をぶち上げた小泉純一郎元首相、そしてその“懐刀”であった竹中平蔵元大臣などの規制緩和論者の現時点の見解をあらためて聞いてみたいものだ。

 確かアメリカの連邦準備制度理事会の前の議長は議会で「誤りがあった」と認めたはずだが。(2009/1/17/No.101)

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ヨーロッパで生まれた「妖怪」「幽霊」が160年後の日本で---日本共産党

  日本語訳版でヨーロッパに「妖怪」が、あるいは「幽霊」が(出現)という書き出しで始まる「共産党宣言」。1848年にマルクスらによって書かれた。

 それから160年がたった去年から今年にかけて日本共産党とその党首である志位和夫委員長がマスメディアに登場することが多い。最近では朝日新聞が「派遣切り、限界集落…そこに『共産党』―ルポにっぽん」という長文の記事を載せている(1/11/8:38/ashi.com)。さらに今月11日に放映されたNHK「日曜討論」の党首インタビューで、NHKの影山日出夫解説委員が「政局の話の前に」として最近の共産党の党員増のことを話題にし、さらに「もし共産党が仮に政権をとったら、何から手を打つか」とまで質問している(NHKテレビ、1/12付「しんぶん赤旗」=共産党HP)。

 日本共産党は1991年のソビエト崩壊による「資本主義の大勝利」の影響を受けて党員数、機関紙読者数を減らしてきた。そしてさらに、国内的には「二大政党制」待望論によって少数政党に投票するのは死票になるだけだという論に押されて国会議員数も減らしてきた。現在衆議院議員が9名。参議院議員が7名だ。衆議院の定数はおよそ500名。その中の9名の党が「もし」「仮に」とはいえ「政権をとったら」とインタビューされている。

 なぜだろうと思う。ひとつには「新自由主義」とも「市場万能主義」とも「株価資本主義」とも言われる現在の資本主義が生活上非常に厳しい階層をつくり出してしまったということだろう。ワーキングプアと呼ばれる働く貧困層、大都市偏重で取り残された地方など。今横行している非正規切りにしても今現在は正社員として雇用されていても明日はわが身と感じている人も少なくないだろう。もし会社が倒産したら、リストラされたら、次の仕事はおいそれとは見つからない。そうなったら自分もいつホームレスになるかわからないと不安を抱えている人も少なくないだろう。

 そうした中で党員作家小林多喜二の「蟹工船」が数十万部のベストセラーになったり非正規労働問題を継続的に取り上げる志位和夫委員長がインターネットで注目を集めたりしている。一昔前、共産党は今はおとなしくしているがいざとなれば暴力革命を捨てていないとか共産党が政権を取れば一党独裁となりソ連、中国のように自由も人権もなくなる等々と言われていたころを思えば積年の感がする。

 しかしそれだけで「もし」「仮に」とはいえ「政権をとったら」というインタビューになるのだろうか。

 根本的には今の資本主義が資本家と投資家の利益をとことん追求するあまりに自らその仕組みを壊してしまったということだろう。「資本主義限界論」などがささやかれている。

 たとえば日本の大企業、5年連続だかの史上最高益を続けて巨額の貯めこみを持っている。その貯めこみを雇用維持のために使えという声が今起こっている。

 しかし日本の大企業はその貯めこみを維持するために非正規切りをしてくる。株主維持、株価維持のために。

 しかし企業の貯めこみというのは個人の「たんす預金」とは違う。ただ持っていればいいというものではない。あらたな投資をして事業の維持・拡大をしていかなければならない。しかし当面どんな投資先があるのか。思いつくとしたら医薬品バブル。不老長寿の薬品とかガン予防薬とか。あとは地球温暖化防止バブル。省エネ設備・グッズとか。

 しかしいずれの場合も今年後半とか来年前半までにはなどという話ではない。しかも人々の所得が低下しようとしているときにバブル景気をあおろうとすれば結局は「サブプライムローン」問題の二の舞だ。

 イギリスで景気刺激策として日本の消費税に当たる税率を引き下げたけれども思うように消費は上がらなかったそうだ。やはり雇用不安、将来不安でたとえ税率が下がったとしてもおいそれとは金を使わない。そういう状態になってしまっている。

 衆議院でわずか9人の日本共産党に「もし」「仮に」とはいえ「政権をとったら」という質問が出る背景には崩壊しつつある現在の資本主義を従来どおりの資本主義的手法でよみがえらせることができるのか。そういう不安が現実化してくるのではないかという恐れがあるからではないか。(2009/1/15/No.100)
 

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渡辺元行政改革担当大臣、自民党を離党。「国民の手に政治を取り戻す国民運動」とは

 渡辺元行政改革担当大臣が「『麻生自民党では国民から断絶した政治が行われている』」として自民党を離党した(1/13/17:19 /NHK HP)。

その志を疑うわけではないが、若干の政変は起こせるかもしれないが「国民の手に政治を取り戻す国民運動」を起して変革、世直しを実現することは無理だろう。もっと厳しく言えば、テレビがいつまで取り上げてくれるかという問題ではないか。自民党を出るぞ出るぞと言っているうちはどこまで同調者がいるかという関心もあってテレビも取り上げてくれるが目立った動きがないとなればそのうちテレビも取り上げなくなるだろう。

 そうした中で今日、「定額給付金」が盛り込まれた第2次補正予算案が衆議院を通過した。

 この「定額給付金」については「『評価できない』と答えた人は78%。『やめるべき』と答えた人が7割に達しました。ただ、支給された場合には、85%の人が『受け取る』と答えてい」るという世論調査があった(JNN調査=1/12/05:30/TBS HP))。

 この結果はなんだろうと思う。しかしこれが現実なのだと思う。国会議員や高額所得者が積極的に受け取ってどんどん消費しようなんてふざけた話ではないのだ。自分だってそうするのだろうと思う。

 今「派遣切り」「期間工切り」が社会を騒がせている。正社員の中にはこういう時のために非正規社員がいるんだと確信している人もいるだろう。しかし頭の中ではこんなことが許されていいものかと思ってはいるが、いざ自分のことを考えるとしかたがないと思っている正社員もいるだろう。

 変革、世直しとはそういう矛盾の先にある。思い通りにはいかない人生、社会の先にある。

 テレビにまったく取り上げられなかったのにいつか取り上げられるようになったという順番での「国民運動」で初めて実現できる。

 初めは華々しくテレビに取り上げられたがいつのまにか消えてしまったという順番では実現できるものではない。そのことは華々しくテレビに登場し、「改革」をブチまくっていつのまにか姿を消した元総理大臣の例を見ても明らかだ。(2009/1/13/No.99)

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小沢民主、理念も展望もない寄り合い所帯の政権交代論

 民主党が今度の定期党大会に提案する活動方針案の中に「衆議院選挙で政権交代を必ず達成し、政治の仕組みを変えることで『国民の生活が第一』の政治を実現する」というくだりがあるそうだ(1/11/4:22/NHK HP)。

 なるほど時宜にかなった方針だと思う。大企業が利益をため込み成長すればするほど国民生活がよくなるとしてきた「新自由主義」「市場経済万能主義」「株価資本主義」。アメリカにおいては過剰消費をあおったあげくに自ら破綻。職を失う人が急増している。日本に於いてはデフレ経済を続けたあげくにまたしても沈没。こちらも雇用不安が広がっている。そうした中で「国民の生活が第一」という方針は当然の方向だと思う。

 ところが一方で民主党の小沢代表はNHKの日曜討論で「衆議院の解散を条件に予算案の成立に協力する『話し合い解散』に応じる用意があるという考えを示し」たというのだ(1/11/12:23/NHK HP)。

 まるで理解しがたい話だ。民主党はその活動方針で「政治の仕組みを変える」ために衆議院選挙をやるんだ、そのために解散を目指すんだと言っている。

 「政治の仕組み」とはなんだ。もちろん一つ一つの仕組みというのがある。しかしたとえば憲法を変えるためには国民投票が必要だ。そのためには当然そのための予算が必要だ。テロとの戦いで国際貢献をするためにアフガンへ地上部隊を派遣するということであれば当然そのための予算が必要だ。「派遣切り」「期間工切り」にあった労働者を救済するということであればそのための予算が必要だ。

 政府が提出する予算というのは「政治の仕組み」の具体的体現であり、時の政府・与党の政治的考え方の具体的体現ではないのか。その予算案の成立に協力をして解散を実現して国民にいったい何を訴えようというのか。政権を交代するということは違った予算を提出しますよということではないのか。

 結局今の民主党というのは「政権交代」で結束するしかないのだ。政権交代をして大臣のいすと魅力ある権力の座を獲得しようということで結束するしかないのだ。そのためには平気で取引もする。そもそもそういう思惑で離合集散でできあがった政党だということだ。(2009/1/11/No.98)

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2009年、「構造改革」でできた構造のゆがみを正せる政治勢力こそが「安心」「活力」の政治を実現できる。

2009年、通常国会が始まった。それを前にして麻生総理大臣が年頭の記者会見で今年のキーワードとして「安心」「活力」をあげたそうだ。支持率が急降下するなかで一生懸命考えたのだろうが、おそらく麻生首相・自公政権、での「安心」「活力」の実現は無理だろう。
 
 まず「安心」だ。日本ではバブル崩壊後「失われた10年」という経済停滞の時期が続いた。歴代自民党政権、とりわけ2001年に発足した小泉政権は1500兆円(前後)といわれる日本国民の個人金融資産をねらって「貯蓄から投資へ」とあおった。しかし必ずしも思ったとおりには進まなかった。バブル崩壊をまのあたりにした国民の警戒心というべきだろう。 
 
 麻生政権は性懲りもなく証券投資に関する優遇税制を継続して「貯蓄から投資へ」をあおり続けようとしている。しかし世界と日本の投資状況を見ると、アメリカの原油相場は最高値から100ドル以上急降下した。さらに「1年で世界の株式時価総額は29兆ドル強(2600兆円)消失し、08年末は31兆ドル強(2800兆円)とほぼ半減する」事態となった(08/12/31/NIKKEI NET)。そして「2008年の日経平均株価は・・・・1年間で42%下落した。下落率は1990年の39%を上回り、戦後最大」(08/12/30/NIKKEI NET)。今や東京証券取引所では外国人投資家の比重が6割を占めるという。その場限りの“出稼ぎ”が横行していると言われている。

 歴代自民党政権・自公政権のあおりたてに乗らなかったことが日本の個人資産を救ったし、これからも乗らないことが救う道となるだろう。もしこの個人金融資産が生かされるとしたらそれはこのようなバクチ性を排して将来性と着実性にそった投資環境が保障されなければならない。それでこそ「安心」して投資ができるというものだ。

 次に「活力」だ。歴代自民党政権、とりわけ小泉政権の「構造改革」で、企業内的にも社会的にもコスト削減策が徹底された。生産現場が賃金の安い海外に移された。このため多くの人がリストラされた。国内では雇用の規制緩和で非正規労働が拡大した。中小下請企業には徹底した単価引き下げが要求された。採算の取れない高速道路、空港、橋梁、港湾等の建設はなくなるようでなくならなかった。借金だけが膨れ上がった。消費税率が引き上げられた。健康保険・年金の保険料が引き上げられた。窓口での本人・家族負担が引き上げられた。年金の需給年齢が引き上げられた。なんやかやで日本ではデフレ状態が続いた。潤ったのは国内ゼネコンを含めて国際競争力をつけた巨大企業だった。

 大企業の徹底したコスト削減による利益蓄積体制が見直されなくてはならない。結局はバクチ性の高い投機へと向かうだけだ。

 採算性のない高速道路、空港、橋梁、港湾、ダム等の建設が見直されなくてはならない。

 テロとの闘いとは何かを根本的見直し、軍事予算を見直さなければならない。税制の公平性とは何かが検討されなくてはならない。そのことによって社会保障が根本的に見直されなければならない。

 これらの政策を実行するためには政党助成金を貰ってはならない。人数さえいれば税金から資金をもらえるということになれば政策実行に真剣さが出ない。もちろん財界・大企業等企業・団体献金を受けてはならない。金銭的に頼っていたら断固とした政策遂行はできない。

 しかし「活力」を目指す麻生内閣の景気浮揚策の目玉が「定額給付金」。しかしこの給付金を気楽に消費するのは小遣い銭程度にしか思わない高額所得者と高収入のサラリーマンぐらいではないか。今痛めつけられている人、痛めつけられつつある人たちはまず給付金から使って手持ちの現金は後ろへ回すだけだろう。 

 金利の引き下げもあまり効果はないだろう。国民生活が痛めつけられて消費が低迷しているから企業も設備投資を行わない。そこへ金融緩和で資金がたれ流しされたら結局行き場がなくなった資金がバクチ投資に向かうだけだろう。

 2009年、9月までには総選挙がある。「選挙の顔」だった麻生内閣の支持率急降下、自民党への逆風。政界再編などの動きの中で“改革”だの“世直し”だのとのことばが踊る。

 一方攻める側の民主党、派遣労働自由化の法案に賛成しておいて今、派遣切りに真剣に取り組んでいるかのようなポーズをとる。

 しかしもはや「劇場型」政治やパホーマンスの政治をおもしろがって眺めていられる時代ではない。今は派遣・期間工切りのニュースになっているが、それで収まっているうちにそのうち景気も良くなるだろうという時代ではおそらくないだろう。

 2009年、日本を本当に「安心」「活力」に導く政治勢力とはなにかがいやおうなく見直される年となるだろう。 (2009/1/7/No.97)

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元派遣労働者の事件に思う。2009年は希望を見い出せる年の幕開けなのだ。

 謹賀新年

 昨年の30日の夜、東京・六本木ヒルズの近くで刃物を振り回したとして28歳の元派遣労働者が逮捕された。「『今月中旬に派遣の仕事が切れて、今後、仕事に就くあてもなく、うっぷんがたまった。うっぷんを晴らすためと刃物で人を脅かし自分を誇示するためにやった』と供述をしている」のだという(08/12/31/12:47/NHK HP)。

「自分を誇示するため」という動機は元派遣労働者が起した凶悪事件の動機に共通しているように思う。自分の存在を認めて欲しい、振り向いて欲しい、という思いはあの秋葉原の無差別連続殺人事件の時にもあったように思う。必要なときだけ雇われる。いらなくなったら放り出される。そもそもが労働雇用契約ではなく派遣会社の“商品賃貸契約”だからそういう扱いを受けてそういう思いになるということだろう。しかしもう断ち切らなければならない。

 その翌日「契約の打ち切りで仕事を失い、会社の寮からも退去を迫られた非正規雇用の労働者などを支援するため」に「年越し派遣村」が東京の日比谷公園で始まった(08/12/31/19:29/NHK HP)。労働組合などで作る実行委員会が始めたもので「350人を超えるボランティアが集まり」「弁護士などが未払いの賃金を請求する方法や生活保護の申請のしかたなどさまざまな相談に応じてい」る。「訪れた41歳の元派遣労働者の男性は『こうした支援があってとても助かりました。今後、生活を立て直すことができたら今度は自分が助ける側に回りたい』と話してい」たという(NHK 前同)。

 この「年越し派遣村」の取り組みは篤志家の慈善事業ではない。その存在を認め、助け合ってともに頑張ろうという共感の思いなのだ。

 この取り組みをはじめ、非正規労働者の解雇に対する労働組合を結成しての闘い等についてはマスメディアでも頻繁に報道されている。かつては経済成長のためには(非正規労働は)必要な制度でおおいに尊重すべしという論調もあったのにだ。

 今確実にその存在に対する連帯の輪が広がろうとしている。振り向かれようとしている。 

 振り返れば昨年は「100年に1度の金融危機」で終わった。今年もその影響を受け継いでむしろこれからが本番ということになるかもしれない。

 この「危機」は“勝ち組”と称して言いたい放題、やりたい放題のことをしてきた連中がつくり出したものだ。 アメリカではこの“勝ち組”がなんとか助けてくれと政府・議会に必死に請い願っている。それが社会のためだからと言って。

 カネ儲けのためだけの能力が要求され、カネ儲けのためだけの技術が磨かれ、カネ儲けのためだけの社会制度がつくられる。その仕組みが破綻した。

 この先もこの仕組みを維持し続けようという勢力が暗躍し続けるだろう。しかしもうカネ儲けのためだけの社会を支えた泡(バブル)はない。泡(バブル)のないもとで人々が生きていく社会をどうつくっていくかを考え出さなければならない。いやおうなしにそういう方向に向かっていく。

 2009年は一段と厳しさが増すかもしれない。しかしそれはまた希望の年の幕開けでもある。(2009/1/1/No.96)

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トヨタ、世界を制覇する企業に社会性なんてありえないということか。

 最近、非正規雇用の問題に対する取り組みでインターネット上で注目を浴び、そのためメディアでも注目を集めている共産党の志位和夫委員長が世界のトヨタ自動車と会談し、非正規労働者らの解雇中止を要請したというニュースがあった(12/24/NIKKEI NET)。

 席上、志位委員長が「『内部留保や中間配当を取り崩せば雇用は守れる』と主張」したのに対して「トヨタ側は『内部留保を取り崩してまで期間社員を守ることはできない』と述べた」とのこと(NIKKEI 前同)。
 
では正社員なら「内部留保を取り崩してまで」守るというのだろうか。そんなことはないだろう。

 すでに同業のいすゞ自動車では、「国内に約8000人いる全社員を対象に、賃金を一時カットする方針を固めた」という(12/25/NIKKEI NET)。それでも足りないとなったらリストラだろう。

 内部留保とはまさかの時に社員を守るためにあるのではない。むしろ話は逆で、内部留保を守るために正社員・非正規社員がいるのだ。まさかの時には切られることも含めて。

 内部留保というのは結局株主サマのために株価を維持するためにある。株式会社というのはあくまでも株主サマのものであって株主サマのために行動するためにある。社会性、社会的責任などというものを問題にする方がおかしいという論理だ。

 ところで共産党の志位委員長、このところ非正規雇用の問題でいすゞ自動車、日本経団連、トヨタ自動車と立て続けに会談を行っている。最初のいすゞ自動車とはいすゞの本社で行った。次の日本経団連とは都内のホテルで行った。経団連側が用意したのだろうか。そして最後のトヨタ自動車とはトヨタの方から共産党本部に出向くという申し入れがあって党本部で行った(「赤旗」報道=共産党HPから)。用事があるならそっちから来いとふんぞり返っているわけにもいかなくなったということだろう。

 社会が黙っていればこれら巨大企業は社会的責任なんてこれぽっちも感じない。社会が広く鋭く追及することによって初めて株主サマの株主サマのための企業を守ることの困難さを悟ることになる。(2008/12/26/No.95)

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「蟹工船」70万部、マンガ版「資本論」は09年の日本を震撼させるか。

 小説「蟹工船」が売れているということは知っていた。今年の流行語大賞のベストテンにも選ばれたというニュースも聞いた。でも70万部も売れているとは知らなかった。驚きだ。

「蟹工船」だけではない。マルクスの大著「資本論」のマンガ版もベストセラーになることが間違いないという。これも驚きだ。

 いずれもドイツ紙「フィナンシャル・タイムズ・ドイチュラント」九日付電子版が報じたものだ(12/18付「赤旗」=共産党HP)。

 以前、何かで読んだことがあるのだが、たとえば今世界を大騒ぎさせている「100年に1度の金融危機」、こういう問題も専門家によって警告されてから1年とかで統計資料に表れるようになり、それから1年とか2年が経って広く現実問題になってくるのだそうだ。

 劣悪労働に対してストライキで闘い、国家権力の弾圧という試練も受ける「蟹工船」。実は資本主義経済を研究した学説であるのに共産主義の思想・イデオロギーというレッテルを貼られてきた「資本論」。

 今ともに静かな広がりをもって読まれているという。「100年に1度の金融危機」と同じく専門家筋で注目を集めて、ひょっとしたらミリオンセラーという統計上に現れて、そしてついに現実を動かす力となるのか。

 2009年は間違いなく衆議院選挙がある。任期が9月までだからたとえ解散がなくても選挙がある。「蟹工船」「資本論」は09年の日本を震撼させるような動きとなって表れるのだろうか。(2008/12/21/No,94)

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続、巨大な存在が崩れていく時代について

 トヨタ自動車の2009年3月期の連結業績(米国会計基準)で、本業のもうけである営業損益が初の赤字に転落する見通しとなったとのこと(12/19/NIKKEI NET)。「営業段階での赤字計上は公表を始めた41年3月期以来、例がない」(NIKKEI 前同)とのこと。

 トヨタがここ数年史上最高益を更新し続け、米GMを抜いて世界最大の自動車メーカーに躍進しようかという陰には多くの犠牲があった。

 その代表的な例が「かんばん方式」。材料・部品等を必要なときに必要な量だけ納入させるジャストインタイム方式。

 この方式ではたとえば東名高速道の不測の大渋滞に巻き込まれて遅れることも許されない。トヨタのラインが止まってしまう。そこで本来ならトヨタが持つべき部品倉庫を納入業者・流通業者が持ったりした。トヨタはコストダウンというが要するにコストの押し付け、玉突きだ。

 それ以外にも単価の徹底的な切り下げ。そして労働現場の非正規化。あげくの果てに派遣切り、期間工切り。

 史上最高益を更新し続けてきたトヨタが単に一期だけ赤字に転落することが何で巨大な存在が崩れていくことになるのか。

 そのことは同業のかの有名な日産ゴーン社長が述べてくれている。

 同氏によれば「『日本経済はきわめて危うい』」のだと言う。そして「日本経済は3つの危機に直面している」として「1つは急激な信用収縮が起き、長期の投資資金だけでなく、足元の運転資金さえ部品会社や販売店では枯渇しかねないことだ。自動車産業は取引関係が複雑に絡み合い、ある会社の経営が行き詰まると、玉突き的に危機が連鎖する恐れがある」というのだ(12/15/NIKKEI NET)。

 自動車業界はここへきて急激な販売不振に陥っている。そのため部品納入などの中小業者は深刻な仕事不足に見舞われていると報道されている。ただでさえ大手銀行等の「貸し渋り」「貸しはがし」に見舞われているのにさらに追い討ちがかかっている。

 もはや巨大企業の窮状を救えばそれでことがすむという問題ではないのだ。その巨大企業を支えている「取引関係が複雑に絡み合」っている無数の大小企業集団が崩壊するということなのだ。

「ある会社の経営が行き詰まると、玉突き的に危機が連鎖する恐れがある」というゴーン氏の危機感は単に周囲の大小企業群が危機的になるということだけでなくそれによって巨大企業の存立基盤も危うくなるということなのだ。

 トヨタの史上初めての営業損益赤字とはそういう事態を招きかねない問題だということだ。(2008/12/20/NO.93)
 

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「篤姫」の徳川幕府と同じように巨大な存在が崩れていく時代が来たのではないか。

 「経営難に陥っている米自動車大手のクライスラーは19日から1カ月間、(30カ所すべての)工場の操業を停止する」との米AP通信などのニュースが報じられている(12/18/NIKKEI NET)。

 自動車産業といえばアメリカの繁栄を築いてきた中心的な存在だ。その自動車産業が今や存続の危機に直面している。

 この自動車産業の危機を救おうとの動きがアメリカ政府・議会の中で進んでいる。しかし難航している。

 この問題に関してペリーノ米大統領報道官は16日「『(労組や債権者の)譲歩は必要だろう』と語った」という(12/16/NIKKEI NET)。政府による公的資金の救済を望むのであればリストラに応じろと全米自動車労組に圧力をかけている。

 この問題は議会の共和党からリストラのない企業に税金をつぎ込んでも再建はないという「新自由主義経済」の立場からの圧力と民主党の有力支持基盤を弱体化させたいというねらいがあるのだろうが、これまで裕福な労働者層として謳歌してきた“殿様”労働運動への国民の批判があることも否定できないだろう。

 そして世界の超大国アメリカそのもの、「米連邦準備理事会(FRB)は16日」「史上初めて事実上のゼロ金利政策」を導入した。そして「長期国債の買い入れ検討なども表明。市場への資金供給量の拡大を金融政策の柱とする量的緩和の導入を正式に決めた」(12/17/NIKKEI NET)のだという。

 アメリカ政府が発行する国債を中央銀行である連邦準備理事会(FRB)が購入する。少し前まで日本でも同じことが行われてきたが、発券銀行がお札を印刷して政府の借金証券を買うのだからその通貨の価値は当然下がる。世界の「機軸通貨」であるドルの暴落に拍車をかける日も遠くはなくなったのではないか。
 
 一方日本の政権党である自民党も揺れている。細田博之幹事長が「政界再編に向け野党との連携を強めている加藤紘一元幹事長や山崎拓氏らを念頭に」「いまさら次の選挙で自民党から離れても『刺客』を送られるだけだ」(12/17/NIKKEI NET)と述べたのだという。

 この問題に関しては小泉「郵政改革」選挙のときは小泉純一郎元首相の人気・支持率が高かったから「刺客」にも威力があったが、今の麻生政権にはそんな力はないとの論評がある。おそらくそうだろう。

 NHK大河ドラマの「篤姫」、江戸を戦乱の大火から救うために江戸城無血開城というかたちで雲の上の存在から“ただの人”になった。ドラマでは私の代で悔しいという意味のせりふがあった。しかしその結果として江戸・東京は庶民経済・文化が生き残った。
 
 アメリカ3大自動車産業も、その“殿様”労働組合も、そしてアメリカそのものも、そして日本の自民党も、“自分の代で”崩れていくのはさぞや悔しいだろう。しかし栄誉栄華を極めた時代は終わったという時の流れがひとたび進めば「篤姫」も抗することはできなかった。(2008/12/18/No.92)

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今やオバマ(米次期大統領)を超える「チェンジ(変革)」の結集が必要となったのではないか。

 アメリカ「ビッグ3」を救済する法案が米上院で決裂した。

 そもそもこの法案ほど理にかなわないものはない。「新自由主義者」達が推進した富みの一極集中、格差の拡大。あり余るカネで株だの原油だの資源だのの転がしに明け暮れバブルを膨らましていった。そのあげくの崩壊。危機の原因をつくった者が税金で助けてくれと。そんな都合のいい論理は普通では納得できない。

 しかしその論理にまことしやかな納得性を持たせるのが“たまつき”の論理。「自動車メーカーが経営破たんすれば何百万人という従業員やその家族に壊滅的な結果をもたらすことになる」(全米自動車労働組合ゲトルフィンガー委員長=12/13/5:14/NHK HP)。もしそうなればさらにその回りに甚大な悪影響を及ぼすというものだ。“痛み”はどんどん底辺に降りてくる。だから税金を使って救済しなければならないというわけだ。

 オバマ次期大統領もこの救済の必要を訴えている。しかし全米自動車労働組合=大手自動車メーカーや、航空関連産業、それに関連する部品メーカーの従業員などおよそ64万人が参加するアメリカ最大規模の労働組合(12/13/5:14/NHK HP)はオバマ次期大統領・民主党の有力支持基盤で今回の大統領選でもその威力を発揮したと言われている。政治的特権者の救済でもあるのではないか。

 決裂の原動力となった共和党。リストラをしないなら税金投入はできないと。

 税金を投入する以上“痛み”を分かち合うべきだという論理はそれなりにもっともらしいように聞こえる。しかしリストラあってこそ企業は回生するという論理はこの危機をつくった「新自由主義者」の主張そのものだし相手陣営の有力支持基盤の弱体化という思惑もあるのではないか。

 10月から始まったアメリカの09会計年度、まだ2ヶ月だというのに4015億ドルの赤字。「前年度(1年間の)合計の4547億ドルに迫る勢い」(12/13 21:45/NIKKEI NET)という。その理由は「景気後退で税収が減少する一方、金融安定化に投じる費用など歳出が膨らんでいるため」(NIKKEI 前同)。

 国際競争力に勝ち、世界を席巻する巨大企業を育成すれば豊かな社会が約束される。そして今度はそのような巨大企業を救済することが豊かな社会の復活につながるとして湯水のように税金投入。いつまで続けられるというのか。でもおそらくオバマ次期大統領もこの道を大きく踏み外すことはないだろう。 時はオバマ次期大統領の「チェンジ(変革)」を超える政治変革を求める勢力の結集が必要になっているのではないか。(2008/12/13/No.91)

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大企業とその労組、組合員の特権をいつまでも許しておいていいのか。

  アメリカの自動車メーカー「ビッグ3」に対する公的資金支援がどうにかまとまりそうな雰囲気だ。報道によれば150億ドル(約1兆4000億円)規模になるのだという(12/8/NIKKEI NET)。
 
 ここまで来るにはずいぶんともめた。その理由は破綻すれば何百万人という失業者が出てその影響が大きいから。その一方で金融機関以外の民間企業を公的資金で救済することに対して世論の反発が強いから。

 今日(12/9)のテレビニュースを見ていたら全米自動車労組のデモの様子が映っていた。インタビューを受けた組合員がその影響を考えたら救済は当然とか、労働者を守るべきだと主張していた。

 しかしアメリカの11月の失業率(軍人を除く)は6.7%(12/5/NIKKEI NET)。アメリカの人口は日本の2倍以上。全雇用者数も1億人以上はいるだろうから数百万人から一千万人前後になる。しかしこれらの人々が議会やメディアでこれほどまでに取り上げられることはないだろう。

 一方日本ではいすゞ自動車栃木工場で働く期間従業員など4人が契約解除を通告されたことから組合を結成し内2人が雇用の継続を求める仮処分を申し立てた。

 4人が所属する全日本金属情報機器労働組合(JMIU)のホームページを見るとこの問題をトップで扱いキャンペーンを展開している。

 一方のスズキ自動車労組のホームページには今日現在この件に関する事実報道、見解、方針等に関する記述がまるで見当たらない。

 今急激な自動車不況、会社を守るためには安全弁である派遣・期間工を切るのは当然と思っているのだろうか。組合員も来年のボーナスはどうなるのだろうなどと自分の心配だけをしているのだろうか。

 調子のいいときは世間水準からすれば比較的高い賃金水準で「勝ち組」の一翼に名を連ねていた大企業組合員。調子が悪くなったらとたんに税金で救済をと大合唱。大きさゆえのこんな特権をいつまでも許しておいていいのか。(2008/12/9/No.90)

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いすゞ自動車、生き抜くために労働組合をつくって立ち上がるということ

 いすゞ自動車でわずか4人の期間従業員などが労働組合を結成して会社からの契約打ち切りと闘おうとしている。「世界経済の悪化でトラックの販売が落ち込んでいること」を理由に今月末で契約を打ち切られるのは「神奈川県と栃木県の2つの工場で働く期間従業員や派遣社員1400人全員」(12/4/4:50/NHK HPから) 。

 かれら4人が所属する栃木工場では430人が働いている。そうちの4人だ。当然会社はまともに取り合わない。テレビニュースの画面を見ていたが会社側は門前にヘルメットをかぶった社員を整列させて対応していた。そこで組合結成の通告文書を読み上げたようだ。

 闘いの第一歩は「宇都宮地方裁判所栃木支部に、労働組合を結成した期間従業員2人の雇用の継続を求める仮処分を申し立て」ることから始まったようだ(12/4/12:22/NHK HP)。宇都宮地裁がこの申し立てを認めるよう切に願うものだがそれでこの問題が解決するわけではない。

 当然会社は快く思わないだろう。裁判所の仮処分があればしぶしぶ契約を延長するかもしれないが「仕事がない」と称してい一日中仕事を与えないで“自己退職”を迫るかもしれない。そこまでしなくてもいろいろな圧力、いやがらせ等があるかもしれない。
 
 しかし彼らは「『契約を打ち切られれば、寮を出なければならない。職がない人に部屋を貸すところはなく、職を失えば住むところも失ってしまう』」(12/4/4:50/NHK HP)のだ 。

 運良くすぐに次の仕事が見つかって住居も確保できる人もいるかもしれない。しかし今の状況ではなかなか難しいと思われる。黙っていたら無職・無住居の生活を余儀なくされるだけだ。

 日本国憲法は「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」(第28条)と定めている。これにもとづいて労働組合法という法律もある。しかしこれらの法律が組合をつくって闘ってくれるわけではない。組合をつくって会社と交渉する時、あるいは裁判等に訴える時初めて武器になる。まさに「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」(第12条)のだ。

 1400人の期間従業員や派遣社員の中のわずか4人。さらに膨大な正社員がいるなかのわずか4人。今後多くの困難があるだろう。しかし会社の外には支えてくれる多くの仲間がいる。会社の中にも何かと支えてくれる人たちがいるだろう。そういう人たちに支えられて是非要求を勝ち取ってもらいたいものだと思う。生き抜いていくために闘う。それは人間のもっとも基本的な強さの発露ではないか。(2008/12/6/No.89) 

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最大労組「連合」は日本の労働者を守る運動の先頭に立てるのだろうか。

 日本最大の労働組合ナショナルセンターの「連合」のニュースを久しぶりに見たような気がする。

 「麻生太郎首相と連合の高木剛会長は4日、首相官邸で政府と労働側の意見交換の場である政労会見を開いた」「高木会長は非正規労働者の契約打ち切りや新卒者らの内定取り消しなどが相次いでいることを踏まえ、緊急的な雇用対策を要請」(12/4/NIKKEINET)したとのこと。

 「連合=日本労働組合総連合会」は1989年【平成元年】11月21日、78組織 800万人で発足した日本最大の労働組合ナショナルセンターだ(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)。おもに大企業の労組中心で結成以来「労使協調」路線を基本方針としてきた。

 その基本方針のもとに小泉内閣発足以来の「構造改革」に伴う大規模なリストラに協力し大企業の「史上最高益」更新に貢献してきた。

 しかしその貢献がたたって組合員を減らしてきた。現在結成時より120万人も減らして約680万人(「連合」HP)。

 近年その組合員減少に危機感を強めて中小企業労働者や非正規労働者に対しても運動を強めてきた。しかし今や「100年に1度の金融危機」。派遣社員、期間工、契約社員などの雇い止めの後は正社員にもクビ切りが及ぶかもしれない。

 そういう状況になったとき「労使協調」路線のもとで正社員優先、残れる者を守るためにはその他の解雇は容認するというかつてのリストラ協力路線に戻ることはないのか。

 基本的には企業を守るための労働組合であった「連合」の今後の運動を注視したい。(2008/12/5/N0.88)
   

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アメリカ、景気後退と断定。これで正常な状態に戻れるのではないかという皮肉

 アメリカで、昨年12月から景気後退(リセッション)局面に入ったと宣言された。「戦後最長の1年4カ月を超す恐れが強まっている」(12/2/NIKKEINET)という。

 1日のニューヨーク株式市場では「11月の製造業景況感指数が26年ぶりの低い水準に落ち込んだことなどを受け」「ダウ工業株30種平均が急反落し、前週末比679ドル95セント安の8149ドル09セントで取引を終えた。下落幅は過去4番目の大きさ」(12/2/NIKKEINET)となった。

 そうした中で始まった年末(クリスマス)商戦、「過去にない大幅な値引き」に「出足は好調」(12/1/NIKKEINET)なのだという。

 ところでこの年末商戦、あるテレビ局のニュースを見ていたら相変わらずかかえきれないほどの商品をかかえて満足そうな人たちを映していた。ただ今年の特徴として現金で買う人が目立つのだという。その理由はクレジットだと買い過ぎてしまうから。

 そうなのだ。アメリカ経済というのはこの買い過ぎで成り立っていたのだ。

 とりあえずおカネがなくても商品が買えるクレジットカード。でもいつかは清算しなくてはならない。でもアメリカのクレジットは翌月になっても清算しなくてもいいのだという。何パーセントだかのカネを払えばいつまでも継続できるのだという。しかも何枚も。それが給料が上がらなくても、貯金がなくても世界一の消費天国を維持してきた原動力だ。

 しかし時は「100年に1度の金融危機」。金融機関に清算しなくてもかまわないという余裕はない。

 そうなのだ。持っているおカネで買える範囲の商品を買えばいいのだ。そして給料を上げて生活水準を底上げする。そして社会的にも個人的にも少しずつたくわえを増やしていく。それが健全な社会というものだ。

 確かに転がしで膨れ上がった景気からは後退だ。当面雇用を中心に厳しい時期が続くだろう。残念ではあるが大きな代償を払わなければ気がつかなかった。そういう時代でもあった。(2008/12/2/No.87)

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派遣・期間工切り、内定取り消し、株主の利益を守るための利幅追求を許しておいていいのか

 自動車メーカー等で派遣社員や期間工を大幅に削減する動きが広がっいる。その規模は自車メーカー7社で「あわせて8100人に上ってい」るという(11/20/19:28/NHK HP) 。また来春入社の就職内定者の取り消しも広がっている。

 確かには「自動車などの『輸送用機器』」業界は「来年3月末までの1年間の業績見通し」で「55.4%」の減益を予想している(11/17/12:34/NHK HP)。

 しかしこの数字は「減益」であって赤字ではない。利益は半分に減るが利益が出ないわけではない。しかも単年度の「減益」であって単年度の赤字でないどころか累積の赤字などではまったくない。「企業業績は昨年度まで6年連続の増益で、特にこの5年間は最高益を更新し続けてき」たのだ(NHK 前同)。

 その辺のところを「しんぶん赤旗」(11/30付=共産党HP)が詳しく報道している。

 その一部を紹介すると「トヨタ自動車の場合、期間工の日給は約一万円。二交代制の手当を含め年収約三百万円(残業代を含めない)です。年間九十億円あれば三千人の雇用を守ることができます。九十億円は株主への〇八年度の中間配当総額二千三十七億円の5%分にもなりません。」という具合だ。

 No.83(2008/11/25)でも触れたが今の上場株式会社というのは資金を提供してくれる株主のもの、株主のためのものという立場に立っている。そのため株主の利益を守るためには利益が出ているではいけないのだ。利幅が拡大している。最低限でも利幅が維持されているでなければいけないのだ。そのため「減益」になればさっさと派遣・期間工切りとなるのだ。

 だいたい「企業業績は昨年度まで6年連続の増益で、特にこの5年間は最高益を更新し続けてき」たのは株主が実現してきたとでも言うのか。確かに今は調子が悪い。しかしそれは世界の株主サマがばくちまがいの「カジノ資本主義」に狂ってきたためではないのか。

 「企業の社会的責任」ということばがあるが、人間社会において企業とは何のためにあるのか、そこまでさかのぼって派遣・期間工切り、内定取り消しを許してはならない。(2008/11/30/No.86)

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麻生・小沢初めての党首討論。器の小ささを感じさせる2大政党党首だったのではないか。

 麻生首相と民主党小沢代表との初めての党首討論があった(28日)。翌日のワイドショーなどでは街角の判定は麻生?小沢?などと持ち上げる局もあったようだが、はっきり言って器の小ささを感じただけだった。

 今、世界は麻生首相が「ミゾユウ」と読んだ「100年に1度の金融危機」。この局面において一国の政治指導者の口から聞きたいこととはなんだろう。大きく言って三通りあると思う。

 一つはあらゆる方策を講じて今壊れようとしている金融経済システムをもとどおりに戻せばいいのかということ。

 二つめは今壊れようとしている金融経済システムとは別のものをつくらなければならないのかということ。その場合急激にか段階的にか。

 そして三つめはその中間的なところで十分やっていけるのかということ。

 しかし昨日の党首会談の記事を読む限りそういう方向性を示したとはまったく感じられなかった。

 小沢代表は第二次補正予算案を今国会に提出しないなら衆議院解散を、と要求したようだが、提出できないことを承知のうえで追及するからそれなりの迫力があるわけで、「じゃあ出すよ」といわれた時はどうするのだろう。「出せというからだ出した。それで文句があるか」といわれた時にどういう迫力をもって解散総選挙を要求するのだろう。

 日本は議院内閣制の国だから内閣が具体的な予算案を出すのは当然だが、二大政党の党首討論と銘打つ以上どういう方向性の予算案を出せという討論があってもいいのではないか。ただ出せというだけじゃなくて。

 結局この討論、総理大臣でいたいとう麻生首相の引き伸ばしと早く総理大臣になりたいという小沢代表の揺さぶりと、次元の低さ、器の小ささを感じさせるだけの討論だったのではないか。(2008/11/29/No,85)

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またか。麻生首相の暴言は受けねらいとか失言のたぐいではなく国民敵視の本心だ。

麻生首相がまた暴言をして批判を浴びている。

 麻生首相の問題発言についてはNo.81(11/21付)で「受けねらい」と書いた。 それは森法務大臣の「麻生総理大臣は話をおもしろくしようとしたり、わかりやすくしようとして、若干、適切さを欠く発言をするところがある」という“解説”をもとにして書いた。でもそれは間違いだった。

 「たらたら飲んで、食べて、何もしない(で病院に通っている)人」という発言には病気で病院に通って医療費を使っている人に対して明らかに敵意がある。

 麻生首相は自分は「毎朝、歩いたり、何かしているからだ」(11/27/5:23/NHK HP)と予防に心がけているから医療費を使わないと強調している。

 しかし世の中にはタバコを吸っているのにガンにならない人もいればタバコを吸っていないのにガンになる人もいる。気をつけていても病気になるときはなる。「たらたら飲んで、食べて」だって接待等仕方なくという人もいるだろう。だいたい、クロマグロの報道にもあるように、世界中の食料を買いたたいて飽食の時代を築いたのは豊かな日本の象徴であり日本資本主義の願望であり日本政府の政策ではなかったのか。

 日本は世界的に見ても名だたる長時間労働国だ。毎日かかさず運動をしようと思ったら通勤時間中一駅づらして歩くとか涙ぐましい努力が必要だ。

 麻生首相は総理大臣として国民にゆとりのある生活の実現を約束してみせるか。

 No.81でも書いたが麻生首相というのは九州で石炭やセメントで財をなした麻生財閥の御曹司だ。戦前の石炭産業といえば「蟹工船」まがいの強制労働がまかり通っていただろうと推測される。そうして財を成した財閥御曹司。独善と偏見ともろもろと。そうして出てくる国民敵視の本音を持った人物が総理大臣を続けている。(2008/11/28/No.84)

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米政府、「シティ」に追加公的資金投入へ。もはや株主サマのための株式会社なんて言わすべきでない。

 アメリカの大銀行に至れり尽くせりの税金投入が続いている。

 アメリカ財務省は「シティグループ」に対し、200億ドル、日本円にしておよそ1兆9000億円の公的資金を追加投入する。これまでに金融危機対策の一環として、250億ドルの公的資金の投入を受けているにもかかわらずだ。 それだけではない。損失の拡大が懸念される住宅ローンや不動産関連の資産、それに幅広い金融商品、およそ3060億ドル分の損失について政府が保証する。(11/24/17:46/NHK HPから)

 ここ何年か十何年かの間、株式会社は株主サマのものという考え方が広められてきた。企業経営者は出資者である株主サマにより大きな利益を還元するために責任を持つ。そのためには社員を平気でリストラする。取引会社に平気で犠牲を押し付ける。すべては株主サマのためだ。

 その結果として「100年に1度の金融危機」が起きた。そしたら今度は金融システムが崩壊したら国民生活に深刻な影響を与えるということで湯水のように税金投入だ。すべては国民の皆様のためにだ。

 しかしもし結果として金融危機が落ち着いてきたらどうなるのだろう。税金投入で助けられた株式会社は再び株主サマのためのものになるのだ。

 発表後のNY市場、「米政府が米銀大手シティグループに対して不良資産の損失の一部保証や追加の資本注入を発表したことを好感し」て「NY株大幅続伸、終値396ドル高」(11/25/NIKKEI NET)。続いて東京市場、「米シティグループに対する公的資金の追加注入や不良資産の政府保証といった米政府の救済策を好感し」「日経平均、大幅続伸 終値413円高」(11/25/NIKKEI NET)。

 これで投資家のための株式会社体制、株主サマのための株式会社体制が維持されると好感しているのだ。

 株式会社とはうまくいっているときは投資家・株主サマのもの。危なくなったら国民のためのものだからみんなで助ける。そんな身勝手がいつまでも許されていいわけがない。(2008/11/25/No.83)

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「就任2カ月、孤立深まる首相」。でも小沢民主に「チェンジ」が期待できるのか

 麻生首相は今日(24日)で就任2ヶ月だそうだ。それなのにもう「孤立が進む首相の姿が浮かび上がりつつある」(11/23/NIKKEI NET) のだという。

 一方民主党の小沢代表が「17日の党首会談以来」「みょ~にご機嫌」なのだという(11/23/01:03/読売新聞=同HP)。「党首会談は小沢氏が仕掛け、終息ムードだった今国会の局面転換につながった」と見ているからで「『麻生首相はつぶされるだろう。衆院選はもうすぐだから、このまま気を緩めずに動いてくれ』」と候補者事務所を激励しているそうだ(「読売」前同)。

 アメリカの大統領選ではオバマ次期大統領の「チェンジ」が一つの合ことばになった。

 一方今、日本では多くの人が「チェンジ」の必要性を感じているのにイマイチ盛り上がりに欠けるような気がする。

 その一つはアメリカのオバマ次期大統領は能弁で人をひきつける演説もうまいのに対して日本の小沢代表は「『朴とつで口べた』を自称」(「読売」前同)するという違いがあるかもしれない。

 「朴とつで口べた」だって信念と情熱と見識を持って訴えればそれはそれで伝わるものだと思うのだが小沢代表には“陰の人”“黒幕”“寝業師”等々のイメージが付きまとう。

 さらにアメリカのオバマ次期大統領は選挙中に多くの人から小口の選挙資金を集めた。資金的に多くの人々から支えられているから「チェンジ」の公約を実行する責任を持たされているし実行もしやすい。もしこの期待を裏切れば二期目の当選は危ない。

 一方の小沢民主党、政治資金の大部分は税金である政党助成金と資金パーティーも含めた企業献金、労組の団体献金に頼っている。自民党と少しも変わらない。

 政党助成金は税金ではあるけど議員が確か5人以上いれば“転がり込んで”くるカネだからそこに公約実現なんて責任は感じない。

 企業献金はおもに大企業。カネを貰って依存している以上、意にそわない「チェンジ」はしにくい。

 労組献金も個人献金ではなく団体献金だから一人一人の組合員に「チェンジ」を訴えて説得してちょうだいするという努力はいらない。単に“集金”すればそれで済むことだ。

 民主党というのはもともと自民党系の人、旧民社党系の人、旧社会党の右派系の人等の寄せ集めの党で思想信条、政策、組織形態等が自民党とあまり変わらない。あまり変わらない党が「100年に1度の金融危機」に直面してどう「チェンジ」するかを打ち出さなければならない。小沢代表の個人的資質もあいまっていきおい敵失に乗じた揺さぶりや取引などの権謀術数優先となる。

 「孤立深まる」麻生首相が逆に小沢代表を揺さぶりに出た。「『国会での党首討論を何度も提案しているが、残念ながら応じてもらったことはない。国会で堂々と議論することはやぶさかでない』と述べ、党首討論に応じるべきだとの考えを示した」(11/24/NIKKEI NET)というわけだ。

 この問題が小沢民主党を象徴しているように思う。自分の姿をさらけ出されるのを恐れている。自分の姿を覆い隠して敵失だけを追求する。そういう小沢民主党が政権についても「チェンジ」は期待できない。(2008/11/24/No.82)

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物議発言連発の麻生首相。もはや受けねらいのぼんぼん首相をずるずると続けさせてはいけない。

 「医師のことを、『社会的な常識がかなり欠落している人が多い』と発言した」麻生総理大臣が閣僚たちからも批判されている(11/21/12:51/NHK HP) 。

 麻生首相が物議をかもした発言はこれだけにとどまらないのだが、その辺について「長年、麻生総理大臣と行動をともにしている者としての印象」だとして森法務大臣が「麻生総理大臣は話をおもしろくしようとしたり、わかりやすくしようとして、若干、適切さを欠く発言をするところがある」と“解説”している(NHK 前同)。

要するに受けが欲しいがために調子にのってだじゃれのたぐいの軽はずみな発言を平気でする人ということではないのか。

 総理大臣たるもの尊敬と親しみで個人的人気があればその方が望ましい。しかしその政策が評価されてこそ本当の人気というものだろう。

 時は「100年に1度の金融危機」。アメリカの連邦準備制度理事会は来年も景気後退が続くかもしれないと予想している(11/21/NIKKEI NET)。 

 日本政府は月例経済報告で、景気判断を2か月連続で下方修正した(11/21/19:19/NHK HP) 。

 アメリカの巨大自動車メーカーであるGM、フォード、クライスラーが来年には消えてなくなるかもしれないと騒がれている。日本の自動車メーカーでも派遣、期間工の首切りが相次いで発表されている。各自治体が行っている中小企業向け緊急融資の申し込みに希望者が殺到している。数え上げればきりがない。

 麻生首相といえば九州で石炭、セメントなどで財を築いた麻生財閥の御曹司なのだそうだ。母方の祖父は吉田茂元首相。そのまた母方にさかのぼると明治の元勲、大久保利通までたどりつくという(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)。地元と東京に豪邸を持って、「安いから」と高級ホテル等で飲み歩き。あげくの果てに公式の場で漢字の読み間違いを連発。

 その経歴、所業から言って今の難局を国民の立場にたって解決できる「社会的な常識」を持ち合わせている人とはとても思えない。「社会的な常識がかなり欠落している」総理大臣をするずると続けさせてはいけない。解散総選挙は急務というべきだ。(2008/11/21/No.81)

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今やニュースにもならなくなったヌーボーの季節がまた来てあらためて日本人を考える

 今年のヌーボーの解禁は明日20日午前0時だという。その割にはまるでニュースにもなっていないという感じがする。

 もともとこのヌーボーブーム、大騒ぎするのは日本人ぐらいのものだという説があった。一般論としてワインというのは熟成して年代を積んだものほど美味で高価だとされている。その論に従えば熟成していない初物がなんでうまいんだというわけだ。

 日本という国は春夏秋冬の季節がはっきりしている。そのため日本人はその季節を敏感に感じながら生活を営んできた。俳句には季語というのがあり、暑さ寒さも彼岸まで、などということばもある。

 そのため日本人は季節が変わったことを感じさせる初物が好きだ。初鰹などなどだ。

 その一方でクリスマスはケーキ屋さんが繁盛する日。バレンタインデーはチョコレート屋さんが繁盛する日。そしてヌーボーはワイン屋さんが。本家本元では手づくりのケーキやチョコレートでこの日を過ごすという話を聞く。

 やはり企業戦略に踊らされていないか?

 昔、村八分ということばがあり、今、職場八分などということばがあると聴く。大勢の中からはみ出したくない日本人。はみ出されたくない日本人。ブームをつくられたら後れを取らないことが重要で孤塁を守ることなど許されない日本人。

 それでもクリスマスは子どもが楽しみにしているケーキを家族で囲み、若い人たちがデートでディナーを楽しむ、それはそれでいいのかもしれない。しかしバレンタインデーには義理チョコなんてものがあって職場の付き合いでの円滑剤などという考え方もある。ホワイトデーのお返しの方が高くついて大変だという話もある。

 そしてヌーボー、人の好みは千差万別。熟成された年代物が本当に美味とは限らない。しかし初物ワインが本当にうまいか。本当にうまいのならもう少し長続きしているだろう。

 日本人にはもう少し孤塁を守る生き方があってもいいのではないだろうか。仙人になれとは言わない。しかし自分がこうだと思ったら他人の動きには左右されない。世の中の大勢にも左右されない。そういう生き方がもっとあっていいのではないだろうか。(2008/11/19/No.80)

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世界の舵取りが大きく変わろうとしているとき、日本では初の党首会談で逃げまくり、揺さぶりの駆け引きが続いて

 金融サミットが閉幕した。「金融機関の監督の強化に連携して当たること」(11/16/12:1/NHK HP)等が採択された。当初議長国であるアメリカのブッシュ大統領は「規制強化に動く欧州や新興国をけん制し」(11/14/NIKKEI NET)ていた。アフガニスタンやイラク侵攻で聞く耳を持たずにやりたい放題のことをやったアメリカの力も落ちたものだという結果になった。

 そうした中でアメリカのオバマ次期大統領は「新政権発足後、道路や橋などインフラの整備で200万人、また、石油などに替わる新しいエネルギー開発への投資で500万人の雇用を新たに生み出す」(11/16/5:24/NHK HP)と強調している。

 オバマ氏はアメリカ国内では一般論として中低所得者が多い黒人層の大きな支持を得て当選した。そのことを考えればこういう政策になるのは当然だろう。

 しかしこの政策、政府が主導してということで今から75年前のフランクリン・ルーズベルト大統領が行った「ニューディール政策」を思い起こさせる政策転換ではないか。

 一方の日本、政府の主導で雇用を創出するというような政策転換が打ち出されているだろうか。
 
 今日、民主党の急な申し入れで麻生・小沢の党首会談が開かれたそうだ。その中で小沢党首は「第2次補正予算案を今の臨時国会に提出するよう求め」「提出しない場合には、18日の参議院外交防衛委員会で予定されている、インド洋での給油活動を延長する法案の採決に応じないことを検討せざるをえない」と述べたたそうだ(11/17/20:03/NHK HP)。

 麻生首相は15日に解散総選挙は来年度予算成立後と表明している。そうした中、今の臨時国会の会期は今月末までだという。会期が終わって国会が閉幕したらとりあえず追及の場がなくなる。しかも予算編成権を持つ政府・与党の動きの報道一辺倒になる。そうしたら麻生首相の解散逃げ切りを許すことになる。そこでインド洋での給油活動を延長する法案を人質に揺さぶったということだろう。
 
 今世界は欧州を中心として市場一辺倒の経済に深刻な反省が出ている。新興国の発言力が増している。そしてアメリカではひょっとしたら歴史的な政策転換かというときを迎えている。

 麻生・小沢党首会談は今回が初めてだという。この二大政党の党首会談ではお互いのお家の事情をかけた駆け引きしか出てこない。(2008/11/17/No.79)

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麻生首相の解散先送り、審判逃げまくりをこのまま許しておいていいのか。

 麻生総理大臣が来年度予算案を成立させる前に解散・総選挙に踏み切ることには慎重な姿勢を示したとのこと(11/15/5:15/NHK HP) 。

 最初は臨時国会冒頭の解散、10月末総選挙のはずだった。それが11月末、年末、来年通常国会開会前とずるずると後退していった。理由はすべて今は「景気対策」に集中すべき時というもの。

 麻生首相は見た目はかっこよく振る舞いもっともらしいことを言っているが、もはや絶対与党の総理大臣から野党に転落した総理総裁にはなりたくないというただそれだけで引き伸ばしていると言っていいだろう。

 麻生首相にこのまま「景気対策」などと言わせておいていいのだろうか。

 その「景気対策」の目玉とされる「定額給付金」、支給範囲で迷走している。初めは全世帯、その後は高額所得者は除く。そして具体的には窓口になる自治体で決めてくれ、ということに。もはや総理大臣の権威も指導性もあったもんじゃない。

 日本経済は雇用不安という深刻な社会不安を迎えようとしている。最初は派遣社員だ。日産自動車は、減産に伴って12月末までに派遣社員を追加で500人削減すると表明している(11/14/NIKKEI NET)。トヨタ自動車も同様の動きをしている。そして次は中小企業。

 大手銀行の中小企業向け貸し渋り、貸しはがしが進んでいる。ことし9月末の時点でみずほフィナンシャルグループだけでも去年の同じ時期より2兆2900億円、融資の残高が減っている(11/15/6:12/NHK HP)。

 この調子で融資を減らされれば中小企業の倒産も増えるだろう。そうしたら全体の失業者が増大することになる。 もはや自・公与党連合で行われてきた経済政策では機能しなくなっている。前述の銀行の貸し渋り・貸しはがしについて言えば銀行がコンピュータに入力したデーターで自動的に行うために銀行自身の収益を圧迫しているという。そのためこれからは人間の判断で貸し出す条件があるかどうかを判断し融資を拡大していくことにするのだという(テレビニュース)。

 もはや発想の転換、時の流れの転換が必要だ。そのためにはそれにふさわしい政治勢力を選択しなければならない。麻生首相のかっこよがりの個人願望に基づく選挙引き伸ばしを許している場合ではない。(2008/11/16/No.78)

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米大統領、もはやあがきとしか言いようがない。どうせ辞めるのだからがあだとなっていないか?

 “錬金術師”が居直っている。「米有力ヘッジファンドの運用者であるジョージ・ソロス氏は13日、米下院監視・政府改革委員会が開いた公聴会で『人為的規制で市場の流動性を低下させるべきではない』と強調」したそうだ(11/14/NIKKEI NET)。

 ここまでの市場の暴走は認めつつも「人為的規制」がなくても市場は市場の論理で基本的に自己規制ができると言うのだろうか。

 別のヘッジファンド代表は「『我々は米国の企業が必要とする資本を供給している』と存在意義を強調した」(NIKKEI 前同)。そうだ。

 問題は「企業が必要とする資本を供給している」かどうかということではなくその資本がどう運用されているかであって、社会が必要とするものになっているかどうかではないか。

 両方の主張とも、巨額の資金を動かし巨万の富を得てきたことの行き過ぎを認める程度でその根幹はなんとか維持しようと懸命だということではないか。

 そうした中で14日からワシントンで緊急首脳会合(金融サミット)が開かれる。議長役のブッシュ大統領はそれを前にして「『米国の不十分な規制が危機の主因』との批判には反発。規制強化に動く欧州や新興国をけん制した」(11/14/NIKKEI NET)そうだ。

 この期におよんでという気がする。ブッシュ大統領の任期は余すところあと2ヶ月。今さら自分のやってきたことが間違いでござましたなんていえるかという感じだ。

 アメリカの大統領は2期8年まで。3選はない。どうせ辞める大統領なんだから今さら何を言ってもという雰囲気がことの解決を遅らせたのではないかという気もする。

 いま100年に1度の金融危機、経済危機だという。その割にはアメリカにしても日本にしても政府を動かす大衆運動があまり目立っていないのではないかという気がしてならない。(2008/11/14/No.77)

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関東の人間は兵庫県知事の「 チャンス発言」を絶対に聞き流すな

 兵庫県の井戸知事が「『関東で震災が起きれば東京はダメージを受けて、これは、チャンスになる。これを生かさなければならない』」と発言したそうだ(11/11/19:13/NHK HP)。

 これって関東で大地震が起きてたくさんの人が死んでたくさんの人が怪我をしてたくさんの人が行方不明になってたくさんの人が路頭に迷ってたくさんの人が職を失って、そういう事態になればチャンスだと言っているのだよね。もっと言えばそうなって欲しいと思っているのだよね。

 この男、神戸で大震災があったときに何をやっていた男なのか知らないが、かりにその当時の現職知事だったとして、おそらく自分の管轄地で大震災が起きた時でもハラの中ではこれでビジネスチャンスが来たと思ったことだろう。そしてそのハラを隠しながら全国からの支援を要請し、とりわけ経済力のある関東都県からの支援を要請したのだろう。

 これがビジネス至上主義、もうかれば何でもいいという思想の究極の発言だろう。

 神戸の人たちは大震災を経験した。そういう人たちの代表という立場にあるこの男の発言、言われた関東の人間は絶対に聞き流しては行けないのではないか。(2008/11/11/No.76)

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麻生首相、“選挙の顔”が選挙をできなくなって、それで目くらましが出てきたということか。

 麻生首相が今は「経済対策」優先ということで解散総選挙を見送った。思い起こせばマスメディアを利用して総裁選報道を大々的に展開させた“選挙の顔”であったのにと思う。

 麻生首相が今解散総選挙に踏み切れないということは、口では政治空白をつくっている場合ではないと言っているが、本当のところはこれまでやってきた自・公政権の政治では選挙は闘えないと考えたからだろう。

 それで今回の「経済政策」だが、だれのための「経済対策」かと思う。

 証券優遇税制の延長というのがある。株式などの配当や売却益にかかる税率を本来の半分に軽減しているものだ。自分にはまったく関係ない話だ。

 だいたいこのような税制で証券投資を活性化するということだが、そもそも証券投資が活性化しすぎたからこそアメリカ発の金融危機が起きたのではないのか。今必要なのは証券投資の抑制であり規制強化ではないのか。「貯蓄から投資へ」。うまい話でカネをまき上げようという話の延長なのではないのか。

 住宅ローン減税を過去最大規模にするというのがある。これも自分には関係ないナ。

 人生の夢の一つである住宅を購入してなおかつ大幅な減税をしてくれる。こんないい話はない。しかし住宅ローンを返済し続けるためには雇用の安定が必要だ。今雇用の安定が約束される職場とはどういう職場なのか。日本の雇用労働者の圧倒的多数は中小企業に勤めているという。今日本の中小企業が不安のない安定した職場といえるのか。

 高速道路の休日1,000円限定、乗り放題というのがある。乗用車だけだという。東名・東北・関越と、どこまで走れば1,000円になるのか知らないが、それなら休日のたんびに走ってみようかと思う人もいるかもしれないが、これも自分とは関係ない話だ。

 国民だれにも給付金。これは関係ありそうだ。一人当たりいくらになるのか知らないが、もらったらどのように使おうかなどと考えたりする。
 しかし今年の5月あたりにアメリカでも戻し減税というのがあった。一人当たり6万円けんとうだったと思う。直後の2ヶ月ぐらいは小売売上も上がって景気回復のようにも見えたが結局しりすぼみ。ひょっとしてこの間隙をぬって解散総選挙なんて作戦ではと思ったりする。

 この程度の“てみやげ”で3年後の消費税値上げができれば安いもんだということだ。 いろいろ考えてみるとこの「経済対策」自分のようなものにはあまり恩恵のないもののように思える。だとしたら解散総選挙で新しい政治を模索するほうがずっとプラスのように思える。

 麻生総理大臣よ。今は解散総選挙をやっている場合なのだ。(2008/10/31/No.73)

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今や「蟹工船」に続けて「搾取」ということばの復活があっていい時代ではないか

 一昔前「搾取」ということばが今よりは良く使われた。マルクス経済学で有名になったことばだが1991年のソビエト崩壊による「資本主義の大勝利」以来あまり使われなくなったような気がする。

 しかし17年がたった今年のできごとを見ていると、そのことばが脈々と受け継がれていたのだと感じさせる。

 つい先日、どこぞのテレビで自動車工場が多く進出している北九州の地でワンルームマンションの空室が増えたとか居酒屋の客が減ったとかのニュースを流していた。自動車工場で派遣社員を切っているのだという。

 一方ヨーロッパのハンガリーが急激な通貨不安に直面しているというニュースもあった。「外国投資家が新興国から資金を引き揚げる動きが拡大」(10/22/NIKKEI NET)しているのだという。

 アジアのインドの通貨も下落しているのだという。理由はハンガリーと同じ。

 これらの国々の特徴は国内の労働賃金水準が安いこと。それに目をつけて外国資本が生産拠点にと投資する。しかしこれらの国々は低賃金水準であるがゆえに国内の消費水準が高くない。当然輸出が頼り。

 ところが今やアメリカもヨーロッパも経済危機。輸出に頼るこれらの国々は当然甚大な影響を受ける。そこで資金の引き上げというわけだ。

 国内の生産部門に派遣社員が大量動員され、海外の低賃金水準の国々に生産拠点が移される。“マネー”の源は低賃金からつくり出されるのだ。“有能”な経営者と専門職、そして“優秀”な社員たちは“マネー”の源ではない。彼らはその源から生まれる“マネー”を運用してべらぼうな、あるいはそれなりの収入を獲得する。

 そして“有能”な経営者と専門職、そして“優秀”な社員たちは失敗したら日ごろから懇意にしている政治家たちから税金投入という形で助けられる。

 今自動車産業はアメリカ、ヨーロッパの景気の落ち込み。円高による売上の落ち込み、そして株価下落による含み損の発生等で派遣社員を切っている。会社を守り“優秀”な社員たちだけは守るために。

 しかし“有能”な経営者と専門職、そして“優秀”な社員たちだけでは“マネー”の源にはならない。派遣社員を切ったらその次は“優秀”な社員たちの低賃金化だ。

 資本主義の膨張には低賃金がかかせない。「搾取」によって資本主義が膨張する。そして破綻する。2008年というと年は「蟹工船」とともに「搾取」ということばの復活する年としたい。(2008/10/25/No.72)

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解散総選挙は間近 !!? 民主党を採決にかりたて“重要法案”の早期成立をはかる高等戦術だったりして

 来月末にも総選挙投票かとの発言が自民党幹部などからまことしやかに流されている。細田博之幹事長は「早期解散が首相の意向だと明言した」(10/18/NIKKEI NET)という。

 前号(2008/10/19/No.70)でも触れたように小泉元総理も「『遅らせれば遅らせるほど、与党にとって状況は悪くなるので、選挙はできるだけ早いほうがよい』と述べ」ている(NHK HP)。

 たしかに状況はそういうふうにはなっているようだ。アメリカの政府当局者は今後何回かの4半期でアメリカ経済が減速するとの見通しを語っている。

 日本政府も10月の月例経済報告で景気の基調判断を「弱まっている」として前月より引き下げた。「主要11項目のうち、6項目を同時に下げたのは1998年4月以来10年半ぶり」とのこと(10/21/NIKKEI NET)。

 日銀も10月の地域経済報告で、国内の全9地域の景気判断を下方修正(NIKKEI 前同)。

 こうした状況を考えると小泉元総理の「『遅らせれば遅らせるほど、与党にとって状況は悪くなるので、選挙はできるだけ早いほうがよい』」という発言もうなずける。

 しかし細田博之自民党幹事長の「早期解散が首相の意向だと明言した」という発言はどう理解すべきなのだろうか。官房長官とともに総理大臣に最も近い存在の最高幹部だからそのまま素直に受け取ればいいのだろうか。

 しかし衆議院の解散は総理大臣のみに与えられた憲法上の大権。その総理大臣は具体的には何も約束しているわけではない。

 もしかしたら民主党が望むように早期の解散総選挙を実現するためには「インド洋給油延長法案」等重要法案を早期に成立させることが前提、との信号を暗に送っているのかもしれない。

 それに“呼応”するかのように民主党は同法案をわずか2日の委員会審議で採決することに同意。今日衆議院を通過した。もちろん民主党は反対した。しかし衆議院3分の2以上の再議決で成立することを十分承知のうえでの採決同意だ。

 早期の解散総選挙を“エサ”に重要法案の成立をはかる高等戦術だったら民主党はどうするのだろう。細田博之自民党幹事長の「早期解散が首相の意向だと明言した」という発言がひるがえされたら一般社会ではもうあの人の言うことは信用しないということになるだろう。しかし政治の世界ではうまいことしてやられたとむしろ評価が高まったりするのではないだろうか。

 衆議院の解散というのは「信を問う」という。だとしたらことの問題点を洗い出し双方の主張も出し合ったところで情報を等しく提供するということが重要ではないのか。

 解散してくれるなら、そのためなら何でも協力するというのでは民主党も追い風をつかむことができずに墓穴を掘ることになるのではないか。(2008/10/21/No.71)

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小泉元首相、解散総選挙を早く!と。金融界救済ではもはや実体経済がもたないと“震え”がきたか

 小泉元総理大臣がある会合で「できるだけ速やかに衆議院選挙を行うべきだという考えを示し」たのだそうだ。「今の臨時国会召集後の早い段階で衆議院の解散・総選挙に踏み切るべきだった」との認識も示したそうだ(10/18/7:8/NHK HP)

 少し前には来年9月の任期満了ギリギリまで引き伸ばすべきだとの見解を表明したこともあったのになぜ変わったのだろう。

 小泉元総理といえば不良債権処理の“元祖”だ。2001年に政権が発足した直後に発表された「骨太の方針」には前書きに続いて真っ先に「まず、不良債権問題を2~3年内に解決することを目指します」というくだりが登場する。

 そして2~3年の痛みに耐えればということになるのだが、結局7年たった今でも痛みっぱなしでむしろ痛みは広がった。

 その間大企業を中心に「史上最高益」の更新が続いた。しかしそれはアメリカや中国のバブルに支えられたものだった。

 今、アメリカ発の金融危機でまたしても公的資金を使った不良債権処理がなされようとしている。アメリカだけで75兆円規模と報道されている。

 しかし日本の過程と一つ違うことは今やアメリカの大企業を潤すバブルはないということだ。

 それどころではない。9月末の時点で世界の主要な証券取引所の株式時価総額合計が、過去最高だった2007年10月末に比べ2000兆円以上減ったもようだというのだ(10/1/NIKKEI NET)。

株式を大量に保有している大企業では当然設備投資の意欲が減退するだろう。今や年金資金等の公的資金が株式などで運用されているのは常識。その目減りは当然消費に影響するだろう。もちろん個人の投資家も購買力が低下するだろう。

 しかもこれは9月末時点の集計だ。10月に入って世界の株価は大幅に下がっている。時価総額はさらに目減りしているだろう。 

 最近原油価格が急落している。そのことが「中東産油国の財政を圧迫し始めた」のだという。「イランでは財政赤字が拡大」「サウジアラビアでも来年度予算の編成に影響を与える水準に近づきつつある」のだという(10/19/NIKKEI NET)。

 すでに報道されているようにアメリカの大手銀行等はオイルマネーから資本増強の資金を受けている。

 さらにここにきてヘッジファンドと呼ばれる投機集団に対して解約するから出資金を返せという要求が増えているそうだ。そのため所有の株式を売却して現金化し返却に当てていることが今の株安の一因でもあると報道されている。

 状況は日本の不良債権処理の過程とはまったく違っている。もはや金融機関さえ救済すれば世界の経済は回復していくだろうなんて楽観的な見通しは持てないのではないか。

 小泉元総理はその会合において「『遅らせれば遅らせるほど、与党にとって状況は悪くなるので、選挙はできるだけ早いほうがよい』と述べ」たそうだ(NHK 前同)。 

 不良債権処理を中心とした「構造改革」を掲げて登場し「郵政民営化」選挙で与党連合3分の2以上を実現した小泉元総理、今その一連の流れに対して“震え”がきているのではないか。(2008/10/19/No.70)

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株価連続の暴落。麻生首相は総選挙“手みやげ”感覚の「景気対策」を連発している場合ではないだろう。

 世界の株価の暴落が続いている。9日のニューヨークダウ工業株30種平均は前日比678ドル安い8579ドル。「ダウ平均はちょうど1年前の2007年10月9日に1万4164ドルの史上最高値を付け」たということだからこの1年間で5,585ドル下落したことになる(10/10/NIKKEI NETから)。

 一方10日の東京市場、日経平均株価は前日比881円6銭(9.62%)安の8276円43銭で、「03年4月に付けたバブル経済崩壊後の安値(7607円)が視野に入った」(10/10/NIKKEI NET)とのこと。

 おそらく株式を大量に保有する大企業・大資産家、あるいは退職金などつぎ込んだ割と裕福な層では騒然としているのだろう。テレビニュースも毎日のように取り上げている。

 そうした中で麻生首相が「景気対策」を連発している。しかしこの「景気対策」、解散総選挙を先送りする口実として、そしてその解散総選挙の “手みやげ”にするという感じが強い。

 たとえば公明党が主導して進められている「定額減税」、算出された税額から一定額を差し引こうというものだが、確か05年度までは定率減税というのがあった。こちらは算出された税額から一定率を差し引こうというものだ。 それが06年度・07年度に半分ずつ廃止された。ほかならぬ自民・公明の与党連合が廃止したものだ。それを今になって似たようなものを登場させてくるというのは総選挙目当てのてがらの誇示としか言いようがないではないか。

 最近の株価暴落、とりあえずは持っていないものには何の影響もない。あまり関心のない人たちには緊迫感を持って受け止められているようでもない。

 しかしこの先出てくるのが雇用問題だろう。大企業を中心に株価暴落で生じた資産価値減少による経営不振を労働者に押し付けてくることは目に見えている。それが現実問題として降りかかってきたとき深刻な社会不安となって表れるだろう。

 「景気対策」を本当に考えるのならまず日本人の大半を占める雇用労働者の収入源をしっかりと維持することが重要だ。

 もはやコストダウンを徹底的に追求して国際的な企業間競争に勝ち抜いたとしてもその土台となる実体経済そのものが沈没してしまう可能性だってある。

 最低賃金を底上げし基礎的な賃金を引き上げるべきだ。

 日雇い派遣等の非正規労働を早急に正規雇用にするべきだ。

 日本の雇用労働者の圧倒的多数は中小企業に勤めている。その中小企業は大企業から発注単価・下請け単価をたたかれ不当に収入を制限されている。そのため中小企業に働く圧倒的多数の労働者は大企業労働者に比べて賃金・賞与・退職金・労働時間等で大きく差をつけられている。もちろんそれが大企業の大きな収益源になっている。

 今後の展開しだいでは深刻な社会不安に発展する可能瀬は十分にある。そのことが1955年以来50年以上の大半を支配してきた自民党体制に深刻な打撃を与える可能性だってあるのだ、ということを肝に銘じて麻生首相は「景気対策」に取り組むべきではないか。(2008/10/10/No.68)

 

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世界の株価暴落。株価つり上げ策が株価を暴落させるという資本の論理に解決策があるのか。

 東京株式市場で日経平均株価が1万円の大台を大きく割り込み9203円32銭となった。5日続落。「2003年6月30日以来およそ5年3月ぶりの安値水準に落ち込んだ」(10/8/NIKKEI NET)。

日経平均株価のバブル崩壊後の最安値は確か小泉内閣の時に記録した7,000円台のはずだからそれに比べたらまだ驚くほどではない。ただ一日の下げ幅が952円58銭(9.38%)安というのはまったく記憶がない。

 前日(7日)の米株式市場でもダウ工業株30種平均が連日の急落で508ドル39セント安の9447ドル11セント(10/8/NIKKEI NET)と世界の株式市場で暴落ともいえる下げ幅を記録している。

 株式市場ではよっぽどの思惑がなければつぶれそうな会社の株を買う人はいない。人々は値上がりを期待して株を買う。業績好調の企業。成長有望な企業等々と。

 では業績好調、成長有望の企業というのはどうやってつくり出すのだろう。

 日本ではバブル崩壊の後遺症があった。外国からは期待するほどに投資が入ってこない。一方個人金融資産1,500兆円とも言われる“お宝”は「貯蓄から投資へ」とあおってみても動かない。そこで国内の消費をつぶすことで業績好調・成長有望の企業をつくり出した。

 不良債権処理の銀行救済では資金さえつないでくれれば何とか営業と雇用を確保できるという所を容赦なくつぶし担保を回収した。

 大企業ではリストラが横行した。賃上げがなしかすずめの涙になった。同じ仕事をさせて賃金だけを引き下げる不正規労働が蔓延した。

 大企業は中小企業を下請け化し発注単価をたたき、中小労働者の賃金等雇用環境を悪化させた。 

 肉屋・魚屋・八百屋はもちろん、米も酒もスーパーで売る等の規制緩和で近所の商店街がさびれていった。

 安いという理由で食料を外国から輸入し国内の農業を衰退させ就業人口を減らした。等々。

 これが日本の株価つり上げ策だった。このようにして資金を集中した大企業はアメリカ、中国等世界に展開し荒稼ぎした。株価はそれなりに上がった。しかしアメリカのバブル崩壊を受けて今や「景気対策」大合唱だ。

 一方アメリカの業績好調・成長有望企業とはどのようにつくられていったのか。

 アメリカには日本のように貯蓄習慣というのがない。少なくとも最近は。国民はおおむね貯蓄率マイナス。収入以上に消費している。この“欲望に満ちた”消費世界が世界中の投資を呼び込む。

 鶏と卵の論理で何が先なのか良くわからないが、“欲望に満ちた”消費が世界中の投資を呼び企業の設備投資が世界中に展開する。新しい商品が開発され世界中からアメリカに集まる。消費が活発になる。住宅価格が上がる、株価が上がる。その値上がり益でまた消費が活発になるだ。

 しかし値上がり社会を永久に維持するために危ない橋を渡った。「サブプライムローン」だ。売れ続けているというのが値上がりの前提だった。しかし続かなかった。

 いずれの場合も株価つり上げ策の中でその落とし穴を広げていった。だったらもとに戻せばいいではないか。そうはいかないだろう。空気で膨らませるだけ膨らました経済を価値あるものとして営んできたこの経済がそう簡単にもとに戻るわけがないだろう。総選挙を引き伸ばしたい麻生首相が盛んに「景気対策」を連発しているがそう簡単なものとは思えない。(2008/10/8/No.67)

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「青年大集会」に4,600人。これは日本の高揚期の夜明け前なのだろうか。

 今日、東京明治公園で行われた「全国青年大集会2008」に4,600人が参加したとのこと(10/5/共産党HP)。

 昔、同公園で行われた集会に参加したことがある。立ったままでの集会なら3万人くらいは入る公園のはずだから青年だけの集会とはいえ4,600人というのはどうなのだろう。

 日本の青年といえば「篤姫」の幕末、長州藩で奇兵隊を組織し幕府の長州征伐と渡り合った高杉晋作は27歳で亡くなっている。薩長同盟の立役者坂本竜馬は31歳で亡くなっている。

 鎖国の時代から大きく変貌するきっかけとなった黒船来航の年、高杉が14歳、坂本17歳、西郷隆盛25歳、大久保利通23歳だった(誕生日で1歳の誤差あり)。

 戦後の青年でいえば、日本の大衆闘争では最も大規模だったのではないかと今も語りぐさになっている60年安保闘争、一部学生が国会突入をはかり機動隊と衝突し当時東大生だった樺美智子氏が 死亡している。彼女はのちに学生運動の英雄とたたえる向きもあったが過激行動で国民との遊離・分裂を招いたとの指摘もあった。

 その後学園紛争が全国に広まり、東大安田講堂事件を経て映画にもなった浅間山荘事件となる。そして70年代、ゆーみんの「『いちご白書』をもう一度」で一つの時代が終わったとの歌詞がヒットすることになる。

 当時「三無主義」ということばがはやった。確か無気力、無関心、無責任だったと思う。あれから40~50年がたってその子どもたちが成人しているだろう。早い人は孫ができているかもしれない。多かれ少なかれこれらの世代に受け継がれているだろう。

 今青年を取り巻く環境は厳しい。相変わらずの受験競争。「就職氷河期」を経て「日雇い派遣」等々。

 しかしこの現状を打開しようとの覇気が充満しているようには感じられない。むしろ「後期高齢者医療」制度に見られるように昔取ったきねずかでお年寄りが奮闘している姿の方が頼もしく感じられたりする。

 「青年大集会」に参加した4,600人、知らぬ間に受け継いでいるであろう無気力、無関心、無責任を打ち破って再び日本の高揚期を迎える夜明け前となるのであろうか。(2008/10/5/No.66)

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米上院、不良債権買取法可決。次はドル暴落不安か。アメリカの凋落、日本の驚愕の始まりではないのか。

 米上院が金融安定化法案=不良債権買取法を修正のうえ可決した(10/2/NIKKEI NET)。否決した下院は11月の議会選挙で全員改選となるが上院は3分の1ずつが改選となる。そのことが影響した様でもある。

 日本円にして75兆円という公的資金を投入して金融危機を回避しようという法案だ。もし下院でも可決されたらウォール街は好感して株式市場も値上がりに転じるかもしれない。

 しかしである。米政府はすでに2009会計年度(08年10月-09年9月)の財政赤字額が過去最大の4820億ドル(約51兆7700億円)に達するとの財政見通しを発表している(7/29/10:16/東京新聞HP)。 

 この中には「イラクやアフガニスタン駐留経費が未計上で、財政赤字がさらに拡大するのは必至」(東京前同)なのだという。 「赤字拡大で国債発行が増え金利が上昇すれば、米国の経済低迷は長期化する要因となる」「ドルの信認が低下し国際金融市場が混乱する恐れもある」(東京前同)のだという。
 
 そのうえに今回の不良債権買取で75兆円の支出だ。その前にも政府系住宅金融機関に対して公的資金投入を決めている。

 ウォール街の金融機関を救済すればアメリカの危機は回避できるかのような宣伝が盛んにされている。

 しかしアメリカの実体経済はどうなのか。「7月の米住宅価格、主要10都市で17.5%下落」「統計記録のある1987年以降で最大の値下がり」「ラスベガスで前年同月比29.9%。次いでフェニックスが29.3%、マイアミが28.2%」(9/30/NIKKEI NET)。という具合だ。

 今後住宅価格が下落を続ければ様子を見ていた購入希望者がころあいだということで購入に転じるということはあるだろう。しかし上記のように金利が上昇すればしり込みする人も増えるだろう。何よりも「サブプライムローン」まで使って拡大させてきた水準まで戻るなどということは考えられないことだ。

 さらに「9月の米新車販売台数(速報値)は前年同月比26.6%減の96万4873台」「今年に入って最悪の販売水準」(10/2/NIKKEI NET)。

 アメリカの自動車販売は住宅の値上がり部分を担保にしたローンで支えられてきた部分もあったと言われている。だとしたらもはや以前の水準に戻ることはない。

 アメリカは財政赤字のほかに貿易収支等の経常収支も赤字という「双子の赤字」に直面している。それを穴埋めしてきたのが海外からの投資だ。 しかし今、アメリカの実体経済が落ち込もうとしている。衰えることのない消費が景気を上昇させ、企業業績を拡大し、株価等を上昇させ・・・という社会が海外からの投資を呼び込んできた。しかし今その条件が消滅しつつある。

 税金を大量投入して金融を安定させれば実体経済も回復に向かうと宣伝されている今回の買取法。もし成立すればこれで安心安心とウォール街は喜ぶだろう。しかしこれはもしかしたらアメリカの凋落、そして「日米同盟最優先」(麻生首相、小沢党首)の日本の驚愕になるかもしれないのだ。(2008/10/3/No.65)
 
 

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米、不良債権買取法否決。「ワーキングプア」は自己責任、投機集団は国家的救済ではもはや“革命”しかないだろう。

アメリカが揺れている。米下院で最大7000億ドル(約75兆円)の公的資金で不良資産を買い取ることを柱とした金融安定化法案が反対多数で否決(9/30/NIKKEI NET)されたことで29日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均が前週末比777ドル68セント(6.979%)安の1万365ドル45セントと史上最大の下落幅を記録した(NIKKEI 同)。「成立間近と期待されていた金融安定化法案を米下院が一転、否決」したのが原因だ(NIKKEI 同) 

 ところが翌30日、そのダウ工業株が前日比485ドル21セント高の1万850ドル66セントと急反発した。「米議会幹部が金融安定化法案のとりまとめに意欲を示したと伝わり、法案の早期成立に対する期待が改めて浮上し買いを誘った」(10/1/NIKKEI NET)。

 投機集団がいかに公的資金投入で救済され、現在の仕組みが温存されることに期待しているかが表れている。

 ブッシュ大統領は議会の否決を受けて声明を発表し「『株価は大きく下がり、アメリカ国民の預金や年金基金にも影響を与えかねない。このままでは、アメリカ経済は甚大な被害と痛みを受けることになる』」と述べ」(9月30日 22時43分 NHK HP)ている。

 しかし同大統領の口からはなぜこんな事態に陥ってしまったのかといことばが聞こえてこない。そしてとりあえず危機を克服できたと仮定してそのあとまた今までと同じ道を歩み続けるのかどうか、そういうことばも聞こえてこない。だいたい株価が上がってしこたま儲けて持ち逃げした“ヤツ”らはどうするんだ。

 「サブプライムローン」問題がことの始まりだということはもう聞き飽きるほど聞いた。しかしなぜそんなローンが必要だったのかということばも聞こえてこない。

 金融緩和。規制緩和、何でも民営化、何でも市場に任せることが限りなき経済成長を保障する道ではなかったのか。

 政府は口を出さなければ出さないほど良かったのではないのか。その結果として投機集団がやりたい放題のことをしてこの結果を招いたことの責任問題に関することばも聞こえてこない。

 新聞・テレビのニュースを読んだり聞いたりしているとこのままでは世界恐慌になる、破滅的な危機に陥る等の不安をあおるような発言が相次いで出てくる。特に銀行・証券会社系のアナリストとか何とかストだとかが専門家と称して今一番重要なのは自分たちを助けることだと言っている。

 「ワーキングプア」ということばがある。そういう人たちには「失敗した人」「努力の足りなかった人」「負け組」などという悪罵が投げつけられた。

 一方マネーゲームに興じる連中には「成功した人」「努力が報われた人」「勝ち組」などという称賛の声が与えられた。そして今、税金で自分たちを救えの大合唱だ。その大合唱には今の「成功の秘訣」の仕組みを温存しろ、との要求が含まれている。どこまでも腐りきっている。

 ブッシュ大統領、アメリカ議会幹部、金融業会、メディア、等々が行おうとしている税金を使った“対策”はこの腐った社会を終わりにして新しい社会をつくろうというものではなく今の仕組みを温存しいつの日か復活を目指そうというものだ。

 昔フランスの革命で収奪と浪費の象徴としてマリー・アントワネットが断頭台のつゆと消えた。今の時代にそんなことはできないがもはやそのくらいの対決の時代だという意気込みが必要だ。(2008/10/1/No.64)

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中山国土交通大臣暴言で辞任。これでは日本の官僚天国がなくなるわけがない。

 中山国土交通大臣が28日、暴言の責任をとって辞任した。

 なんとも不可解なできごとだった。大分県の教員不正事件に関して日教組攻撃。文部科学大臣の発言ではない。

 成田空港の「ごね得」発言。国土交通大臣の所管事項かなと思いきやこれも「戦後教育が悪」いから。

 日本の観光政策は所管事項だが何を言うかと思ったら日本は「単一民族」の国家。個人的な歴史認識に関する発言だ。

 閣僚に就任したとたんに所管事項に関することではなく個人的持論を展開したその真意がわからない。うれしくてはしゃぎまくったということなのか。

 この男は国土交通大臣に就任していったいどのような政治をやろうとしたのだろうか。

 そのことをおおいに語る前に事実誤認、事実関係に根拠なしの個人的見解を得意げにしゃべりまくるとはどういうことなのか。常軌を逸したできごとだ。

 そもそも内閣の閣僚とはどうやって選ばれるのか。総理大臣にこういう政治をしたいという方針があって本音と見識で意気投合できた人によろしく頼むと任せるのが本来の任命の仕方ではないのか。

 辞任した中山という男に国土交通政策に関してどういう本音と見識があったのか。

 閣僚が本音と見識を持って役所に乗り込まなかったらどういうことになるのか。他人の意見に従うかさしさわりのない案に従って動くしかないのではないか。

 しかし実際には本音を隠してじゃなければ政治ができない人物が閣僚になっている。おまけに見識もない。もしかしたら総理大臣もそうなのかもしれない。

 かくして日本の官僚天国はなくならない。(2008/9/28No.63) 

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小泉元首相が引退表明。虚構の時代の復活がかなわずに

 小泉純一郎元首相が今期限りで引退、次期選挙には立候補しないというニュースが飛び込んできた。

 前号(9/23/No.61)で「小泉チルドレン」の去就に関して書いたが、本家本元の小泉元総理が政界から去ることになってしまった。残された「小泉チルドレン」はこれでいっそう立場がなくなるのではないか。

 2001年に「構造改革」をひっさげて登場した小泉政権、これが「富国強兵」とか「高度経済成長」とかと称して登場したのならそれはそれなりに一つの路線だった。

 しかし「2~3年の痛みに耐えれば」企業業績の成果が家計に波及するとしたことが虚構の始まりだった。

 小泉政権のもとで昔ながらの魚屋・肉屋・八百屋・酒屋等々の身近な商店が消えた。大企業ではリストラが横行した。リストラが横行した上に製造拠点が中国等に移されたので希望通りの職につくことが困難になった。非正規雇用を増やし同じ仕事をさせながら賃金だけを引き下げた。社会的なコストをすべて引き下げて企業活動に集中させた。その結果としての大企業の「史上最高益」。それでどうして家計に波及すると言うのか。あげくの果てに大企業の「史上最高益」を保障したアメリカでバブル崩壊。

 しかもこれらの「構造改革」を推進するために「ワイドショー内閣」「劇場型」政治として政治にはあまり詳しくない、どちらかというと関心が薄いという人々を熱狂させるという手法を残した。

 今回の自民党総裁選で路線の継続・復活を策したがもはや虚構の時代は過ぎ去っていた。(2008/9/25/No.62)

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自民党総裁選、麻生氏圧勝。小泉チルドレンは今、この結果に心穏やかでいるのだろうか

 
 民主党の代表選で小沢一郎氏が無投票で3選されたのに続いて自民党総裁選で麻生太郎氏が選出された。「有効投票の3分の2に当たる351票を獲得」(9/22/21:5/NHK HP)しての圧勝だった。

 ともに本命の選出で、そういう意味では“おもしろくない”代表・総裁選だった。

 特に自民党の総裁選では7年前の小泉純一郎氏の登場のときは、自民党を変えよう、そのために「自民党をぶっこわす」として大本命を大逆転した総裁選だった。

 それに対して今回の場合は次の衆議院選で激減の可能性もと言われている中で自民党を守れる“顔”はだれかという総裁選だった。

 印象的だったのは小泉元首相の推薦を受け「チョーうれしい」と表現した小池元防衛大臣が46票しか獲得できなかったことだ。同じように「構造改革」の継続を訴えた石原元政務調査会長とかち合ったという面もあるのだろうがそれにしても両方合わせて83票。有効投票が525票だったそうだから両方合わせても15.8%。小泉路線の継承、「構造改革」の継承者はもはや選挙の“顔”とはならないということになってしまった。

 3年前の前回選挙では小泉政権の「郵政民営化」に反対する選挙区に“刺客”が送られ、当選した人たちが小泉チルドレンと呼ばれた。

 自民党の選挙対策委員長は古賀誠氏。どちらかというと守旧派。公認が得られるかという問題が横たわる。そしてかりに公認されたとして選挙になったら前回選挙の時のように小泉路線継承、「構造改革」継続を声高に訴えるのだろうか。それとも当選第一で多少修正した主張になるのだろうか。

 いずれにしても今度の選挙、この小泉チルドレンがどういう結果を残すのか、それがこの3年の時代の変化を象徴する出来事となるだろう。(2008/9/23/No.61)

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アメリカ金融危機、あぶく銭に群がった「勝ち組」の凋落に税金投入。「自由経済」推進者の責任は忘却あるのみか。

 アメリカの金融機関の破綻騒ぎで世界中が揺れている。大手証券リーマン・ブラザーズの破産法適用申請(9/15)による経営破たんではニューヨーク株式市場のダウ平均の下げ幅が「米同時テロ直後の2001年9月17日(684ドル)以来の大きさ(前週末比504ドル48セント安)」で「『ブラックマンデー』1987年10月19日(508ドル)に迫った」(9/16/NIKKEI NET)そうだ。

 そして今度は保険最大手のアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の経営破たん騒ぎ。

 すでにアメリカ政府は2つの政府系住宅金融機関(「ファニーメイ」と「フレディマック」)に対して「必要に応じて最大で20兆円余りの公的資金を段階的に投入する枠組みを盛り込んだ異例の緊急支援策を発表」している(9/8/4:51/NHK HP)。

 リーマン・ブラザーズの破綻のときは民間企業に公的資金は使えないとしていたのに一転「(AIG)に最大850億ドル(約9兆円)のつなぎ融資を実施すると決めた」(9/17/NIKKEI NET)。

 そして極めつけは、「(公的資金で)不良資産買い取り検討 金融安定へ新機関も視野」(9/19/NIKKEI NET)という報道。

 この一連の金融“安定化”策にあぶく銭に群がる「勝ち組」たちがどんなに期待を寄せているかは直後の株価を見れば良くわかる。

 前述したようにリーマン・ブラザーズの破綻直後のニューヨーク株式市場のダウ平均はは504ドル48セント安。翌々日の17日も449ドル36セントと大幅安。AIGに対する救済策が発表されたにもかかわらず不安は払拭されずということらしい。

 そして不良債権買取報道が出た後のダウ平均終値は410ドル高の1万1019ドル(9/19/NIKKEI NET)。

 アメリカの金融機関は所有する住宅関係の証券・債権が急落して資産価値が低下しているためその穴埋めに四苦八苦している。今まではその穴埋めのために公的資金を融通するというものだった。それを今度は融通ではなく買い取ってくれるというものだ。公的資金で。

 これで助かる、という思いが広がったのだろう。

 リーマン・ブラザーズといえばあの「時代の寵児」ホリエモンが得意絶頂の時、その資金的裏付けになっていた会社だという。その膨大な資金は国民生活に向上をもたらすだろう産業にじっくりと投資されるのではない。株券という紙切れ1枚を売ったり買ったりするだけのやり取りだ。そのための「自由経済」でありそこで成功したのが「勝ち組」であった。

 しかし最後は世界の経済に甚大な影響を及ぼすということで公的資金で救済。国民全体の生活を守るというやむにやまれぬ措置として行われる公的資金投入。しかし結果的には「勝ち組」の凋落を防ぎ、もしかしたら“勝ち逃げ”組みを永遠に放任し忘却のかなたに追いやる道となるかもしれないのだ。(2008/9/19/No.60) 

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「蟹工船」の大ヒットは驚天動地。自民党総裁選をめぐるマスメディアの大騒ぎにひとあわふかせることができたら震天動地だ。

 自民党の総裁選をめぐって相変わらずマスメディアが大騒ぎしているようだ。特に「公共放送」たるNHKが相変わらずひどい。

 水曜日だったので見ることはできなかったが総裁選告示日、NHKは5候補共同記者会見を完全中継。7時のニュースでは5候補を生出演させ延々としゃべらせたそうだ。そのほかの時間帯にも大々的にやっている。

 この総裁選報道は総裁選に「くぎづけ」(NHK記者)にしたまま解散総選挙に持っていこうという自民党の戦略であることは多くのメディアでも報道されている。「各候補の主張を国民に直接訴えて、次期衆院選に向けて関心を引き付けたい考えだ」(9/13/NIKKEI NET)という具合だ。

 それを承知の上でここまでやるということはもはやなりふりかまわず自民党の延命のために持てる力をすべて出し切ろうということだろう。裏でつながる巨大な権力構造というものを感じる。

 なぜここまでしなければならないのかと思う。バブル崩壊後の「失われた10年」があって小泉政権の誕生だ。「2~3年の痛みに耐えれば」と言われ続けながら結局格差は広がるばかり。その間大企業は「史上最高益」を連発しながらも「実感なき景気回復」と言われた。そして頼みの綱のアメリカで住宅バブルの崩壊、「サブプライムローン」問題が勃発して大企業の「史上最高益」も怪しげに。

 そうした中で「蟹工船」ブームというのが起こった。79年前に発表されたプロレタリア文学。しかも作家は日本共産党員。 おそらくこの小説がこれほどまでにヒットしブームになるとは当の日本共産党も予測していなかったのではないだろうか。ましてや大資本・財界、そして政治献金を受けて代弁する自民党にとっては“こんなもん”が復活するなんてまさに驚天動地だったのではないか。

 聞いたところによれば神田の書店の女性店員が自身の経験を踏まえてこの小説は売れると感じて何とかという手書きの宣伝句を掲げたところから始まったのだという。失礼ながらことはそんなささいなことから始まった。おそらくは売れるという実感とともに売れて欲しい、読んで欲しいという思いもあってそれが伝わったのだろう。

 それに引きかえ自民党の延命のために「公共放送」を利用していることが明明白白なのに局の命令だから、仕事だからと何の抵抗もなく流し続けるNHKの記者、アナウンサー、職員たち。NHKの職員が加盟する日本放送労働組合(日放労)のホームページを見ても今日現在この問題に関する記述がまったくない。少なくとも目だつところには。何の抵抗感もない。一体感あるのみという感じだ。

 民放各社については局の方針だと言われればとりあえず手がない。視聴率を下げる努力をするのみだ。しかし「公共放送」たるNHKは違う。最高議決機関の経営委員会の委員長は内閣総理大臣が任命する。予算は国会の承認を必要とする。現在の経営委員長は確か財界出身者だ。だからこそ自民党の延命のために血まなことなっていると言えるのだが、これを打ち破ることができればまさに震天動地。巨大な権力構造を震撼させることができるだろう。(2008/9/13/No.59)

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自民党総裁選、日本にはびこる小泉政権以来の「劇場型」政治をあらためて考える。

 前号9月5日付No.57で自民党総裁選に「くぎづけ」(NHK記者)にして総選挙に持ち込もうという戦略について書いた。

 そこで自民党総裁選に「くぎづけ」にされるとはどういうことなのかを考えてみた。

 ことの始まりは2001年の小泉政権誕生にかかわる過程にあると思う。当時自民党内の派閥力学ではとても勝ち目がなかった小泉純一郎氏が総裁選に打って出て見事逆転勝利をおさめる過程である。

 のちに総理大臣秘書官になった人が戦略にたけた黒幕だったと言われている。

  まずは一般論で言えば勝ち目がないのに「(古い)自民党はぶっこわす」と言って敢然と立ち向かう姿のアピールである。よけいなことを長々とはしゃべらない。必要なことを必要なだけ短く話す。従来の政治家にはない新鮮なイメージである。

 それだけではない。アメリカに渡ればブッシュ大統領とラフなスタイルで交流する。野性味ある存在である。かと思えばオペラ鑑賞の姿を映し出す。上品な趣味の持ち主でもある。これも従来の自民党政治家にはなかった新鮮なイメージである。

 本人だけではなく家族も総動員する。「純ちゃん饅頭」ができればそのことを早速映し出して話題にする。街頭演説で「純ちゃ~ん」という“オバチャン”たちの“黄色い声”が飛べばもちろん大映しすることを忘れない。従来にはない親しみの持てる政治家の登場である。

 とにかく小泉純一郎だ。小泉純一郎でなければ、と徹底的に人物を売り込む戦術だ。 その裏には黒幕氏の一つの分析があったようだ。日本の世の中、政治・経済等に関する読者や視聴者より芸能・スポーツ・娯楽・趣味その他に関する読者、視聴者の方が圧倒的に多い。おそらくそれはブログの世界でも同じだろう。だとしたら人数の少ない層に細かな政策を訴えるより人数の多い層に人物を訴える方が得策だと。かくして「ワイドショー内閣」の登場である。

 そうした中で小泉純一郎氏が日本をどう「改革」してくれるのか。「篤姫」の幕末で坂本竜馬が、西郷隆盛が、大久保利通が日本をどう動かしていくのか、同じ見方である。「劇場型」の到来だ。

 あれから7年がたってさすがに政策抜きとはいかなくなった今回の自民党総裁選。しかしターゲットは相変わらず政治・経済・社会問題にはあまり詳しくない人たちだ。そういう人たちに自民党だけの政策一色にする。ほかの政党の政策、違った考えは耳に入れない。

 さらには苦節何年、何回目かの挑戦でとうとう総裁・総理か。それとも女性初めての総理大臣か。それとも自民党“若手将校”の反乱か、とワイドショー的なことも忘れない。 政権党と意を通じたマスメディア集団。そして物言わぬサラリーマンと化した記者集団。ジャーナリズムのかけらもないテレビ・新聞その他によって日本という国が彼らに都合のいい方向に動かされていく。(2008/9/7/No.58)

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自民総裁選、“政府広報”たるNHK、自民党政権延命のために“社運”をかけるか

 自民党の後継総裁選についてマスメディアが報道合戦を繰り広げている。特に“政府広報”たるNHKは連日のようにトップニュースで扱っている。

 たった今も「ニュースウォッチ9」で立候補を表明した石破前防衛大臣を単独で登場させ、“お伺いする”というかたちで宣伝する場を与えている。分数までは計らなかったが、民放のコマーシャル料に換算したらいったいいくらになるというのか。

 コメンテーターとして登場した政治部記者だかが立候補者が乱立していることについて国民の関心を自民党総裁選に「くぎづけ」にして総選挙に持ち込もうという自民党のねらいを解説していた。

 それがわかっているなら連日トップニュースで放送し続けるのをやめたらどうか。 「くぎづけ」にするというねらいがわかっているのに「くぎづけに」にするために連日トップで放送する、それって良識の仮面をかぶった悪意というもんだ。

 キャスター氏も政策論争をおおいにやって、というようなことをしゃべっていた。 しかし今の時代、自民党の政策だけを聞いていれば日本の進路を選べるという時代ではない。政策論争をおおいに期待するならこの時点から全野党を含めて連日トップで政策論争をしたらどうか。

 NHKもいい加減にしたらどうか。いつまでも、未来永劫に自民党の天下が続くとは限らないぞ。自民党政権が凋落した時いったいどうするのか。何事もなかったように次の政権の“広報”をやるのか。(2008/9/5/No.57)

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福田首相辞任、後継は麻生か女性初か。「篤姫」の幕末、幕府内の延命策も歴史の動乱の中で通じず。140年後の今日は?

  福田首相が突然辞任表明した(9/1)。まずは驚いた。ついこの前内閣改造をしたばかりなのに、と質問していた記者がいたが、多くの人がそう思ったことだろう。

 総理大臣が辞任したら内閣総辞職だ。就任早々事務所費問題でまたか、という大臣もいたが、中には一生懸命仕事に励もうと思っていた大臣もいたかもしれない。

 後継の総理大臣を選ぶことになる。今日あたり、どこぞのテレビ局で麻生かはたまた女性初の総理大臣誕生かなんて興味本位にやっていた。

 日本の前途がかかる総理大臣選びを批判げに“話題”をあおるテレビ局。「劇場型」「ワイドショー内閣」として視聴率を稼ぎまくった小泉純一郎元首相の“柳の下”の2匹めをねらいたいということだろう。

 155年前、「黒船」来航で鎖国という「井の中の蛙」を決め込んでいた日本が騒然とした。NHK大河ドラマによれば、欧米列強の脅威という国難を乗り切るために最適だと目された一橋慶喜を次期将軍にすべく「篤姫」が送り込まれた。「黒船」来航14年後、その慶喜によって大政奉還され徳川幕府は終わった。

 今の日本は相変わらず「井の中の蛙」なのだと思う。国際関係についてはアメリカの敷いてくれたレールの上を忠実に歩み国内問題にうつつをぬかしている。

 しかし今そのアメリカが揺らいでいる。グローバルスタンダートとい仕組みはアメリカのためにあった。コカコーラがマクドナルドが世界の飲み物、食べ物になる仕組みだった。

 飲み込まれてしまうとおののいたアメリカのシティグループ等の巨大銀行が経営権を脅かさないという条件で中東などの産油国の資本増強という資金援助を受けている。昔、キャデラック、シボレー等、“チャチ”な日本車から見れば夢のような存在だったGM、フォードなどが資金繰りに窮してアメリカ政府に支援を求めている。

 アメリカが敷いてくれたレールは確実に錆び付いていくだろう。そうした中で世界の変化を見ることなく麻生か女性初か等で話題を集め人気回復に利用しようという自民党。それを視聴率を稼ぐために利用しようとするマスメディア。とりあえず政権を取るために揺さぶってそれから考えようという民主党。時代の大きな動きの中で身を滅ぼす日がやってくるかもしれない。(2008/9/2/No.56)

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アフガン、不毛の地にサツマイモ畑。いつか緑の大地に生きたあかしがよみがえる。

 アフガンで殺害された伊藤和也さん(31)の遺体が今日、無言の帰国をしたそうだ。農業の専門家として乾燥地に強いサツマイモの栽培に心血を注いだ末のことだという。

 この事件について「『尊い犠牲が出てしまったが、そうであればあるほどテロとの戦いに引き続き関与していくことの重要性を日本の国民のみなさんは感じたのではないか』」と町村官房長官が語っている(8/28/NIKKEI NET)。

 アメリカで起きた同時テロからもうすぐ7年がたつ。あのテロでアメリカがいったいどう変わったというのだろう。「テロとの戦い」がアメリカ人を突き動かしブッシュ政権の世界戦略におおいに利用されただけではないか。

 一方「テロとの戦い」をおおいに利用したアメリカ、テロリストをかくまったとされるタリバン政権を圧倒的軍事力で倒したまではよかったがいまではそのタリバンにばん回されているのだという。

 米統合参謀本部のマレン議長はアフガニスタンについて「『追加派兵が急務だ』」と述べている(8/29/NIKKEI NET)。日本に対しても給油活動だけでなく地上部隊派遣要求が強まるだろう。

 空爆、掃討作戦で一般民衆、とりわけ子どもたちに多くの犠牲が出ているのだという。アメリカにとってはしょせん外国だ。何人死のうが「テロとの戦い」に勝利したという“名誉”と実利が手に入ればそれでよい。

 一方タリバン側は世界一の超大国アメリカを負かしてやった。憎しみは晴らしてやった。国土を取り返したという“満足感”と実利が残ればそれでよい。

 破壊の末の“名誉”と“満足感”。それでいったい何が残ると言うのか。少なくともアフガンの民衆にどう語り継がれるというのだろう。

 アフガンでの農業活動は乾燥、砂漠化との闘いだという。何年か先、あるいは何十年か先、その不毛の大地が緑でおおわれた時そこに「伊藤和也」という一人の日本人の献身的な活動があった事が多くの民衆に語り継がれるだろう。(2008/8/30/No.55)

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アフガン、テロとの戦い、いつのまにか「苦戦」。自衛隊の給油活動継続について“脅し文句”も出てくるようじゃあ。

 イラクの陰でニュースも少なかったアフガン情勢、撲滅されたはずのタリバンがいつのまにか息を吹き返して「国際部隊は苦戦を強いられてい」るのだという(8/21/6:28/NHK HP)。

 18日にはフランス軍の部隊が襲撃され、兵士10人が死亡したとのこと。「1度の戦闘の犠牲者としては、フランス軍が駐留を始めてから最悪」の事態に対してサルコジ大統領が急きょ現地入りし、駐留部隊の基地を訪れたそうだ(NHK 前同)。 兵士の動揺を防ぐことと、国内の撤兵の世論に対する配慮からだろう。「テロとの戦い」の大義名分、フランスでも揺らいでいるということだろう。

 そうした中で9月中旬にも開かれるという臨時国会、インド洋での海上自衛隊による給油活動を継続する法案をなんとしても通す、との発言が相次いでいる。

 福田総理大臣は林防衛大臣に対して「給油継続 重要性の説明指示」(8/21/14:10/NHK HP)。アメリカのシーファー駐日大使は「『3週間の休暇をとったあと、民主党の小沢代表にも会いたいと思っている』」(8/20/23:28/NHK HP)。

 そうした中で強硬な発言をしているのが自民党の中川元幹事長。「国際貢献を行う国家でいくのか、孤立国家でいくのか」を問うために解散総選挙も辞すべきではない(8/20/0:14/NHK HP)という。

 海上自衛隊による給油活動を中断したからといって100カ国以上ある世界の国々から孤立するとは思わない。しかし数の上からはほんの一握りなのに世界を牛耳っているアメリカを中心とする先進主要国から孤立することを恐れる日本人は多いだろう。実際にどういう孤立があるのかを具体的に説明されているわけではない。しかし仲間はずれにされることを極端に嫌う、“おつき合い”を大切にする、大勢を見定めることの重要性を認識する日本人は多いだろう。漠然とした話でも“脅し”にはなる。

 ところでタリバンに対してどうして「苦戦」しているのだろう。それは近代兵器を総動員しての破壊ができないからだろう。タリバンが政権を取っている時代はそれで良かった。「テロとの戦い」と称して「ピンポイント」ではあっても破壊をしつくせばいい。しかし今は“自分たち”の政権になっている。復興と建設、安定がなければ存在意義がない。そうした中で近代兵器を大動員して破壊を繰り返すというわけにはいかない。そこにタリバンの“ゲリラ戦法”が効果を上げてくる。イラクの泥沼状態も同じだろう。そうした中でのインド洋での給油活動継続。「孤立国家」になっていいのか、と“脅し文句”が必要なほど自分たちが孤立してきたということだろう。(2008/8/21/No.53)

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原油市場の急落は朗報ばかりと言えるのか。「アーバンコーポレイション」の破綻に投資資金の怖さを思う

 原油市場が急落している。「15日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で」「WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の9月物は前日比1.24ドル安の1バレル113.77ドルで終えた」「世界的な景気減速懸念やドル相場の上昇を受けて売りが出た」(8/16/NIKKEI NET)。

 一時は111.34ドルまで下げたのだというI(NIKKEI 前同)。先月の11日には 一時、1バレル=147・27ドルまで上昇した(7.11/23:53/産経新聞 HP)というから35.93ドルも下がったことになる。

 この現象をもって世界経済が好転するという見方があるようだ。原油価格の下落で圧迫されていた企業業績が回復し、落ち込んでいた個人消費も回復するという見方だ。ニューヨークの株式市場もそういう見方で値を上げたりしている。

 そうなのかもしれない。しかし話はそう簡単なものではないような気がする。

 原油相場が上昇したのは投機の影響が大きいと言われている。投機で上がった価格が急落したということは高く買って安く売った人がいるということだ。当然損失を被った人がいるだろう。もちろん何段階もの取引でのことだから大損ということはないのかもしれないが全体を合わせれば大きな損失が出ているのではないか。

 さらに原油価格が下がればそれにつられて当然産油国の出荷価格も下がるわけだから収入が下がるということになる。中東、ロシア等オイルマネーによる“豪遊”も少しは下火になるだろう。

 サブプライムローン関連でアメリカの大銀行、大証券は1兆円をはるかに超える損失を出している。それらの大銀行、大証券が中東などの政府系ファンド等から資本増強の資金を得て経営を維持している。その原資も当然減ることになるだろう。

 13日に「アーバンコーポレイション」という中堅不動産会社が東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請した。この会社「当初はマンションの分譲を手がけていましたが、老朽化したオフィスビルを改装してファンドなどに売却する『不動産流動化』と呼ばれる事業に進出して急成長」したのだという(8/13/17:48/NHK HP)。ことし3月期の決算では690億円余りの営業利益を計上していたにもかかわらずあっという間の経営破たんということになる。その原因はやはりアメリカのサブプライムローン問題。

 損失を被った外資が投資から手を引いた。そして日本の金融機関が不動産向けの融資を厳しく絞り込むようになったことからあっという間に資金繰りに行き詰ったようだ。

 原油にしても不動産にしても投機というのは転売で成り立っている。空売りの繰り返しだ。空売り、転売で膨れ上がった資金が急激にしぼむ時の怖さを思う。(2008/8/17/No.52)

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GDBマイナスへ。またぞろ“無国籍企業”の“帰国化”と「ばらまき」による内需拡大の合唱が始まるのか?

 
 4-6月期のGDP(国内総生産)の伸び率が前の3か月と比べて実質で0.6%、年率に換算して2.4%のマイナスとなり、1年ぶりのマイナス成長となった(8/13/10:15/NHK HP)そうだ。
 
 中身を見ると、ガソリンや食料品などが値上がりしたことから個人消費が0.5%のマイナス。設備投資も原材料価格の高騰でマイナス0.2%と2期連続でマイナス。一方これまで日本経済をけん引してきた輸出は、マイナス2.3%でアメリカ経済の減速を背景に3年3か月ぶりにマイナス(NHK 前同)とのこと。

 やはりサブプライムローンの問題を発端としたアメリカ経済の減速はきついようだ。同じ期間のユーロ圏の域内総生産(GDP、速報値、季節調整値)も実質で前期比0.2%減となった(8/14/NIKKEI NET)そうだ。

 与謝野経済財政担当大臣は「日本経済は底堅く・・・長期的に続く話ではなく」と述べる一方で「総合的な経済対策の取りまとめを急ぐ考えを強調した」(NHK 前同)そうだ。

 日本経済はどうして底堅いのだろうか。「いざなぎ景気」を超える景気拡大と言われた時期にも「実感なき景気回復」と言われた。それでどうして底堅いのか。

 日本のこの何年かの景気拡大は大企業を中心に日本国内を捨て、アメリカ、中国等を相手に輸出・現地生産と海外に展開することで成り立ってきた。本来住宅購入には慎重であるべき階層にも触手をのばした“繁栄”を相手に成り立ってきた。その海外が怪しくなってきた。

 “無国籍”化した日本の大企業が“帰国化”してあらたな儲け口を要求するだろう。地球温暖化対策にかこつけて「ビジネスチャンス」の要求。食料危機に直面して農業の企業化等々。

 「ばらまき」の政治家が復活してくるかもしれない。地域の活性化と称して採算の取れない高速道路の復活等。           
 

 いずれの場合も企業あっての国民生活という論理。しかしコストダウンなくして企業の繁栄はない。「蟹工船」のごとき、労働者が疲弊すればするほど企業は繁栄する。そして企業が繁栄して使い切れない資金を手にした時本来の企業活動を離れてカネの転がしだけが目的の活動が展開する。

 背に腹はかえられない、ということばがある。今は景気が悪くなっているからしかたがないで、当面は、当面はと言っているうちに世の中取り返しがつかない時代になってくるのではないか。(2008/8/15/No.51) 

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福田内閣改造劇、マスメディアは任命された閣僚たちを招いて恐れずひるまずインタビューができるのか。

 福田改造内閣が発足(8/2)して最初の日曜日。午前中の各テレビ局は改造内閣のあらたな閣僚を招いての番組を繰り広げたようだ。

 最近はこの種の番組が腹立たしくてほとんど見なくなった。特にNHKの番組は腹立たしい。“突っ込み”がほとんどない。

 政治家・大臣を相手に“突っ込み”がない質問をしていたのでは相手の見解をただ引き出すためだけのインタビューになってしまい、相手に宣伝の場を提供するだけになってしまう。

 たまに“突っ込み”のある質問をして「どこの社の記者だ?」と恫喝されてその場がシーンとしたという会見風景をテレビで見たことがある。

 ずいぶん昔、戦後の日本で最も長く総理大臣を務めた人が記者会見の場で、新聞は気に入らないから出て行ってくれ、テレビだけを相手に話す、という“事件”を起こしたことがある。新聞記者は抗議して退場した。しかし記憶ではテレビはそのままその総理大臣の見解を流した。

 憲法で保障された言論の自由、知る権利、報道の自由等、民主主義の根幹を個人の思いだけで踏みにじる総理大臣。それに対して新聞記者は抗議して退場しているのにテレビ記者は居残って総理大臣の見解を無批判にテレビで流す。日本のメディアの本性を示す“事件”だった。

 つい何年か前でも、イラク戦争開戦時、NHK始め、日本のメディアはアメリカ軍の戦車や軍艦に同乗し、“正義の解放軍”の勝利の姿を実況中継して見せた。

 イラク戦争について言えば、戦争の本当の実態を伝えているのはフリーのジャーナリストの人たちでメディアの人たちではなかった。

 今、地球温暖化、食料危機、資源原材料の高騰、格差拡大、社会保障、医療、信用不安、景気後退等々、いろいろな政治課題が山積している。それらを争点に年末・年始にも解散総選挙という観測もある。

 しかし日本のメディアの中にある権力におもねる体質を放置したままでは真に国民の願う方向での変革の実現は困難なものとなるだろう。(2008/8/3/No.49)

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グッドウィル廃業で解雇。君はかつての“敵”と手を携えて闘えるか?

 日雇い派遣大手の「グッドウィル」が今月末に廃業する。派遣労働者の再就労が問題になっているが、実は正社員1500人なども仕事を失うことになるという。

 そうした中で「グッドウィルで正社員として働いていた元支店長らが・・・『十分な権限もないのに名ばかり管理職にさせられ、長時間労働を強いられた』として・・・正社員5人が、会社に対してあわせておよそ1200万円の残業代の支払いを求めることを明らかにし」たとのこと(7/18/21:49/NHK HP)。

 この5人は「一年分相当の慰労金、三カ月分相当の退職一時金」も合わせて求めることにしているそうだ(7/19(土)「しんぶん赤旗」=共産党HP)。

 このニュースを見たときやはり正社員はこういうときに強いなと思った。派遣社員の場合は今日から来なくていいと言われればそれで終わりだ。「退職一時金」とか「慰労金」などを求めるすべはない。
 
 この5人については労働組合「首都圏青年ユニオン」が同社に団体交渉を申し入れたそうだ(「赤旗」前同)。

 労働組合「首都圏青年ユニオン」には派遣労働者も加入して法律の定めのとおり正社員化を求めて闘っている人もいるはずだ。もしかしたら再就労を求めて闘っている人もいるかもしれない。
 
 同労組の河添誠書記長は「正社員をも違法に働かせてきた・・・」とのコメントを出している(「赤旗」前同)。正社員も派遣労働者も違法行為の犠牲者という点では同じという立場だろう。労働組合としてはその立場は正しいとは思う。

 しかし派遣労働者の中にはこれら正社員たちにいやなら来なくていいよみたいな事を言われてなくなく従った人たちも多いだろう。その他悔しい思いをした人も多いだろう。

 そういう両者がともに闘う。仮にこの5人の要求が実現した時、同じ組合の派遣労働者たちは自分のことのように喜べるのだろうか。

 古典的な文献に「万国の労働者団結せよ」という文言がある。しかし現実にはさまざまなあつれきがあってさまざまな利害対立がある。

 道は厳しいという気もするが乗り越えつつもあるのだろうか。(2008/7/21/No.46)

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テレビ局の中に性懲りもなく“見せない政治”“見せる政治”の番組づくりに固執している勢力があるようだ。

  日曜日の午前中のテレビというと“お堅い”政治・経済関係の番組が多い。しかしそういう中で一風変わった番組やコーナーがあったりする。

 都合で実際に見ることができなかったので確かなことはいえないのだが、少なくとも新聞のテレビ番組案内欄を見る限り今日の番組もそうだ。

 「報道2001」(フジ/7:30~)が「緊急検証・・世界同時不況でどうなる?・・・」他。「サンデーモーニング」(TBS/8:00~)が「20万隻一斉休漁の訴え」他。「日曜討論」(NHK/9:00~)が「与野党論戦日本経済はどうなる?・・・」他。という具合。

 それに対してほぼ同時間帯の「ザ・サンデー」(日テレ/8:00~)は「夏休み猛暑列島&交通情報」のほか芸能人などが出てくるコーナーが続いている。他の番組に見られるような政治・経済に関する案内はない。

 テレビ番組というのは何でも横並びで同じような番組をやればいいというものではない。ただ日曜日といえば多くのサラリーマンは休日。その午前中に政治・経済関係のまとまった番組を流して考える場を提供しようと競い合うことは悪い企画ではないと思う。

 そうした中で日テレだけが芸能関係他と政治経済とは関係ない番組。政治経済とはことさら違う話題を提供しようとしているとしか思えない。 

 一方「サンデープロジェクト」(テレ朝/10:00~)。その中に「初そろい踏み小池&猪口&佐藤」というコーナーがあった。おそらく自民党の女性議員たちだろう。女性議員の集まりだからといってとやかく言うつもりはないが、メディアで“脚光”を浴びている与党女性議員を勢ぞろいさせてしゃべらせるというのは明らかに見せるための番組だと思う。政治問題を考えさせるというよりは話題をさらうということを目的としたコーナーだと思う。

 そもそも今日の番組で経済関係の話題が集中しているということはアメリカのバブル崩壊、金融不安から始まる世界経済の減速、後退懸念という情勢に即して流しているのだろう。

 そうした中でまるで関係ない芸能関係の番組を流し続けるテレビ局、数ある女性議員の中でメディアで“脚光”を浴びている与党議員だけを注目される議員であるかのように映し出すテレビ局。時代の流れの中でその流れを何とか食い止めよう、違う流れに持っていこうということを意図した番組としか思えない。(2008/7/20/No.45)

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