経済・政治・国際

明日、衆議院解散。大企業の繁栄と国民生活とのかい離と、それが最大の争点だ。

 明日21日、衆議院が解散される。この期に及んでやっぱりやめたということはおそらくないだろうと思う。

 今回の選挙ではマスメディアを中心に、自民・民主での政権交代ということが最大の焦点だと報道されている。しかしそれは大相撲でだれが優勝するか、プロ野球でどこが優勝するかというのと同じたぐいの取り上げ方ではないのかと思う。有権者は応援団のごとく“たいこ(おさら)”「たたいてチャンチキおけさ」と酔いしれる。はっきり言ってそういうたぐいの取りあげ方だと思う。

 しかし今度の選挙、大企業の繁栄と国民生活とのかい離と、それが最大の争点だと思う。

 ここに来て「景気底入れ」なる宣伝がされている。 日銀の7月の金融経済月報は景気の先行きについて「次第に持ち直しに向かう」としている。「輸出や生産が持ち直していくため」だという(7/16/NIKKEI NET)。おそらく中国バブルの影響だろう。

 中国の4~6月期の国内総生産(GDP)は実質で前年同期に比べ7.9%増え、1~3月期の6.1%より大幅に拡大した。「大規模な公共投資を柱とする4兆元(約55兆円)の景気刺激策の効果が表れ」たのだとい(7/16/NIKKEI NET)。

 中国バブルの影響で輸出が増えればとりあえず生産が回復して仕事が増える。仕事がまったくないという最悪期に比べれば良くなりつつありというムードも広がる。

 しかし、輸出大企業が繁栄を取り戻せば国民生活の豊かさも取り戻せるのか?「失われた10年」、その後の10年、その経験から言って今後の国民生活の向上が約束されるのか?

 財界3団体の一つである経済同友会が提言をまとめている。同会企業経営委員会の長谷川閑史委員長は記者会見で、「狭い国内市場でシェア争いをしても意味がない。成長市場(アジアなど新興国)に出て行かなければ長期的に衰退の道を歩むことになる」と述べたのだという(7/4/6:48/NHK HP)。

この発言から日本国内の経済を復活させるという“心”が感じられるか。日本が誇る物づくりはどうなるんだ。日本国内の雇用はどうなるんだ。企業の繁栄のためなら日本という国も平気で捨てるということではないか。

 もちろんこれら大企業が海外に進出して儲けてくれば日本国内も豊かになると信じている人もいるだろう。しかしバブル崩壊前の日本で「実感なき景気回復」と言われた時期があった。本当に大企業の繁栄が国民生活の向上に役立つのか。

 国民生活に「痛み」を強要しても大企業のための応援政策を取るのか?そのことがいいのかどうか、今度の選挙の最大の争点だと思う。(2009/7/20/No.162)

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自民抗争劇、久しぶりに「日和見」ということばを思い出した。

 自民党の抗争劇、結局麻生おろしの場となるはずの両院議員総会は開かれず、21日解散、8月18日公示、同30日投開票が決まったようだ。

 この両院議員総会の開催については。所属議員の3分の1(128人)以上の賛同を集めた集めないで真相は闇の中。「執行部は署名者らへの切り崩し工作も展開し、一部で署名を取り下げる議員も出た」そうだ(7/17/NIKKEI NET)。

 昔、「日和見(ひよりみ)」ということばがあった。正確な語源は知らない。ただその漢字からは、お天気のようにくるくる変わること、ようすを見て態度を変えること、節操のないことなどの意味が想像される。

 あらためて、権力、実権を握る勢力を倒すということは大変なことだと思う。きれい事では済まない現実を乗り越える強固な立場があって初めて実現することではないか。

 8月30日に投開票される衆議院選挙で民主党による政権交代が確実視されている。しかし実際に政権を取ればパフォーマンスでは説明できない現実問題も起きるだろう。政権を負われた自民党などから激しい揺さぶりもあるだろう。はたして強固な立場での政治が保てるかどうか。(2009/7/17/No.160)

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東国原知事“旋風選挙”で政治を身近に、のつもりだったのか??

 “旋風選挙”にこだわって3回続けてこのテーマで書く。

 東国原宮崎県知事が自民党から衆議院選に立候補することを断念したそうだ。

 理由は条件にしていた地方分権の要求が認められなかったから。

 そもそもその人気を最大限に生かす“広告塔”に徹していればすんなり決まっただろうものを、地方分権だとか総裁候補にしろだとか条件をつけたためにだめになった。条件を受け入れれば自民党から出てやるということだから自民党もなめられたものだが、さすがにそこまで足もとを見られて自民党もウンとは言わなかった。

 東国原知事らが主張する地方分権の主張についてはよく知らない。ただ今の時代、地方を活性化することは日本の将来にとって重要なことだと思う。分権化で権限と財政が委譲されて住民がより身近なところで自分たちの進むべき道を考えられるということならそれは意義あることだと思う。

 でもその手法はどんなものだろうか。自民党はのどから手が出るほど人気がほしいだろう。だからそこにつけこんで高く売ってやろうと。

 実現すれば東国原旋風が起きたかもしれない。しかし自分のようにその主張する地方分権のことはほとんど知らないものが知る機会もほとんどないうちに“旋風選挙”が終わっていくのが実態だろう。(2009/7/16/No.159)

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徹頭徹尾党略では“旋風選挙”に酔いしれたくもなるか

 麻生総理大臣は東京都議選の結果を受けて21日解散、8月30日投票という日程を公言した。

 そのことについて自民党内でもめている。

 最初、なぜもめているのだろうと思った。衆議院議員の任期は9月10まで。かりに解散がなされなかったときでも任期満了ということで8月30日からそう遠くない日に選挙が行われる。誤差は1週間ではないか。

 しかし最近になってその違いがわかってきた。問題は現職議員か前職かという違いだ。

 麻生政権では総選挙を闘えないとして総裁選の前倒しを主張する人々が自民党内にいる。そういう人々は両院議員総会の開催を求めている。

 自民党の規約に詳しいわけではないが、おそらく最高議決機関は党大会だろう。そしてその次の議決機関が両院議員総会。任期満了選挙だと現職議員だから両院議員総会を開催できる。しかし解散となるとその時点で前職となるので両院議員総会が成立しない。麻生総理大臣から見れば麻生降ろしを封じることができる。一方麻生降ろしを計画するグループにとってはその道が絶たれる。徹頭徹尾党略だ。

 さらに野党側が提出した内閣不信任決議案に麻生降ろしを計画している人たちも反対した。不信任案に反対したということは信任したということだ。それでもって党内に帰れば麻生降ろしと。徹頭徹尾党略だ。

 ここまで党略を見せ付けられれば“旋風選挙”に酔いしれたくなるのも当然というものか。(2009/7/15/No.158)

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都議選、民主大勝。“旋風”選挙に酔いしれる日本人かな・・・か

 12日投開票で行われた東京都議選は民主が選挙前から20議席増やして大勝した。自民党は10議席を減らし、国政レベルでの与党、自公では61議席となり都議会の過半数を割った。民主“旋風”が吹き荒れた。

 思い起こせば4年前の前回都議選が行われた2005年は小泉純一郎元内閣が「郵政選挙」として自民・公明で衆議院の3分の2以上を獲得した年だ。このときも“旋風”が吹き荒れた年だった。

 前回のときの“旋風”は「自民党をぶっこわす」と言い放った小泉元総理大臣の在任中だった。対象にされたのは自民党だった。その自民党が大勝した。それを不思議とは思わない時代だった

 今回の都議選でも対象にされたのは自民党。そして民主が大勝した。

 こうしてみるとこの“旋風”とはなんだろうと思う。一口に表現すれば変わるかもしれないという思いだろうか。

 今回の都議選でも本来なら石原都政の審判をするというのが本当なわけだが、来るべき総選挙の前哨戦ととらえられた。たとえば東京オリンピック招致問題。民主党は基本的に賛成しているから民主大勝で支持されたということになる。しかし推進してきた自民党の大敗で拒否されたと言うこともできる。どっちなんだと。

 今回の都議選では投票率が前回より10,51%(54,50%)上がったそうだ。そのことによって前回には起きなかった“旋風”が起きた。総選挙の前哨戦とされ、その結果によっては自民党・麻生政権を動揺させ、くさびを打ち込むことができるという思いからだろうか。

 それだけ日本の政治状況に変化を求めている人がいるということだろう。しかし、変化のチャンスがあるときは投票する。なければ投票しないという態度なのだろうか。もしそうだとすればチャンスをみずからつくるという行動はしないでめぐって来るのを待っているということになるのではないだろうか。

 そしてさらに変化一般を求めるということは具体的な要求に基づいての投票ではないとも言えるのではないか。差し迫った要求はないけど変化を求める。もしそうだとしたらまさに「劇場型」の付け入る先とも言えるのではないか。(2009/7/14/No.157)

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選挙の季節の到来。争点の前に第一の論点は東国原知事らの“扱い方”だろう。テレビの影響力を打ち破らなければ日本の未来はない。

 明日7月3日、東京都議会議員選挙が告示される。その投票日(12日)から60日後(9/10)に衆議院議員の任期満了を迎えるとあって各党とも総選挙の前哨戦として総力をあげて取り組むことになる。

 そうした中で今その動静がメディアの間で話題化されている人物がいる。宮崎県の東国原知事らだ。

 東国原知事についてはまだ県知事の任期が残っているにもかかわらず条件が満たされれば自民党から衆議院選に打って出るというのだ。

 その条件は自民党が「地方分権」の提言を受け入れること。そして自分を自民党の総裁候補にすることの二つ。

 麻生内閣の支持率はここに来てまたもや「危険水域」だという。しかも世は「100年に1度の金融=経済危機」から抜け出していない。小泉純一郎元首相は「小泉チルドレン」を相手に「野党になることもあっていい」と語ったのだという(6/30/NIKKEI NET)

 東国原知事はそうした自民党からなぜ国政にうって出ようというのだろうか。今日あたりのテレビニュースを見ていると「(私が出れば)負けさせません」みたいな発言をしていた。自分の知名度と人気によほどの自信があるようだ。自分が動けばその人気と知名度で世論に大きな影響力を与えることができるんだと言わんばかりの行動だ。しかしこれはおごりというものだろう。

 そもそも東国原知事が当選したのには「そのまんま東」の知名度と人気が大きかった。その後その知名度と人気を発揮して宮崎県のアピールと宮崎県の産物の普及に貢献した。それゆえに今、宮崎県では知事への人気と支持率は高い。しかしこの人が総理大臣になったとき「そのまんま東」の知名度と人気がアメリカや中国に通用するとでも言うのだろうか。

 同じように大阪府の橋下知事、自分たちがどの政党を支持しているかを表明して総選挙に影響力を与えようという。支持者がほとんど集まらずに頓挫しているようだが、こちらもどこぞのテレビの「行列の・・」という番組で名前を売った人。もしテレビがなければ二人とも今の知事という職にいられたかどうかわからない人たちだ。

 そんな二人をテレビがことあるごとに取り上げている。解散総選挙が注目を集めているとはいえ、地道な政策論争ではそれほどの視聴率は稼げない。しかし注目される人気者が登場すればそのその動静の一つ一つが視聴率を集める。なにも政治問題に限ったことではない。地元であれしたこれしたというたぐいの話題の一つ一つが視聴率の対象になる。小泉純一郎元首相はそのたぐいの手法で人気絶頂の政権を築いた。

 そんなことが繰り返されていいのだろうかと思う。テレビの利潤追求主義、それを阻止できない社内組織とサラリーマン意識、そしてそれらの番組を無批判に受け入れる視聴者と、今、もしかしたらいろいろな面で気がついたときにはもう遅いという局面にたたされているかもしれないときにこのままでいいのかと思う。総選挙が間近にせまった今、争点をじっくり議論する前にこの問題をじっくりと議論する必要があるのではないだろうか。(2009/7/2/No.155)

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もはや「マネー資本主義」(NHKスペシャル)は止まらない???。

 世界的にも日本でも「景気底打ち」が宣伝されている。一部で心配されていた資本主義の崩壊には至らず踏みとどまった。これからは上昇していくばかりだ。というわけで世界や日本の株価も上昇し始めている。

 そうした中で原油価格が再び上昇し始めている。25日のニューヨーク市場では終値で1バレル70.23ドルをつけた(6/26/NIKKEI NET)。「景気底打ち」から上昇を見越して「マネー」が動いていることは明らかだろう。

 昨年のバブル崩壊前、原油価格がとんとん拍子で上がっていく頃、1バレル70ドル台を記録した時には大騒ぎしたものだが、100ドルを大幅に突破するという経験をした今、この程度では騒ぎにもならない。

 しかし「トラック用の軽油や、工場・漁船に使うA重油、発電用のC重油など産業用燃料の業者間取引(スポット)価格がじわり反発に転じ」「3月から上昇基調が続いており、軽油や重油は直近の底値から2~6割上昇」したのだという(6/27/NIKKEI NET)。「景気低迷で収益が悪化している企業や運送会社、漁業関係者にはコスト増の重し」になっているのだという(NIKKEI 前同)。

 利潤の追求と獲得が原動力となって社会が発展し、身近な生活が豊かになっていく。格差はあっても歴史的にはそうなってきた。しかし“究極”の利潤追求・獲得社会である「マネー資本主義」(NHKスペシャル)は利潤を追求・獲得しつつ、社会を崩壊へと導いていく。それが「マネー資本主義」である以上、その連鎖は断ち切れないのではないか???。(2009/6/27/No.154)

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景気回復は、まず期待を持たせることから始めるべし、だったのだが。

 政府は、6月の月例経済報告で、景気の基調判断を2カ月連続で上方修正し、7カ月ぶりに「悪化」の表現を削除した。(6/17/NIKKEI NET)。

 悪化していないということは下げ止まったということだ。その意味するところはなんだろうと思う。

 一つには総選挙を前にして「100年に1度の金融=経済危機」と言われる中で資本主義の限界説などがささやかれているが、そんなものは一部の者が騒いでいるに過ぎないということを表明しているのだと思う。資本主義は現在においても人々にそれなりの生活を保障している。今現在でも贅沢な生活ができる人々はたくさんいるし、贅沢をしなければなんとか生活できる人もたくさんいるといわけだ。

 そして次には下げ止まったのだからあとは上がっていくだけだということの表明だろうと思う。それに答えてということだろうか「11日の東京株式市場は、景気の底打ちに対する期待感を背景に値上がりする銘柄が目立ち、日経平均株価は、取り引き時間中としてはおよそ8か月ぶりに、一時、1万円台を回復し」た(6/11/17:15/NHK HP) 。

 「エコポイント」がもらえる薄型テレビの販売台数が、今月に入って去年の同じ時期と比べて60%を超える高い伸びを示しているのだという(6/11/6:14/NHK HP)。

 エコカーを買えば補助金が出るという政策にも期待が集まっているらしい。しかし高速道路の休日1,000円といい、“お得感”のあるものだけに集中しているきらいがあるのではないか。前述の薄型テレビにしても「BCNの道越一郎シニアアナリストは『エコポイントの制度は、薄型テレビの販売には一定の効果があると思う。しかし、テレビの価格が下がっているため、電機メーカー各社は販売台数が増えても売り上げは伸びず、利益がでにくい状況に変わりがない』と」言う(NHK 前同)。やはり“お得感”なしにはなかなか購買意欲がわかないということではないのか。

 それに対して“お得感”のない業界はどうなのか。新型インフルエンザの影響を受けたこともあって「5月の東海道新幹線の1日あたり平均乗客数が前年同月比15%減少」「減少率はJR発足以来最大」「乗客減は昨年11月以来、7カ月連続」「景気悪化でビジネス客の出張利用が減ったほか、新型インフルエンザの感染拡大」(6/16/NIKKEI NET)。

 「4月の主要旅行会社62社の取扱額は、前年同月比14.5%減」「前年実績割れは9カ月連続」「減少率はイラク戦争や重症急性呼吸器症候群(SARS)の影響などで落ち込んだ2003年6月の19.4%以来の大きさ」「景気後退を受け、国内、海外とも落ち込んだ」(6/12/NIKKEI NET)

 「JTBなど旅行大手の7、8月の予約は国内、海外とも前年同月比2ケタ減」「苦戦する都市ホテルでは夏の宿泊プランの値引き合戦が始まっている」(6/12/NIKKEI NET)。

 旅行関係だけを並べてみたが、これ以外にも百貨店やスーパーの売上高も低迷している。今の時代、あれもこれも消費が拡大するという時代ではないのではないか。あちらが増えればこちらが減る。こちらが増えればあちらが減るという一種の玉突き現象があるのではないか。

 期待だけではなかなか思うようにはいかないものだ。日経平均株価は1万円台という面で見ればあっという間に“撤退した”。

 そもそも景気の下げ止まりに“貢献”したとされる生産の下げ止まり、回復とはなんなのか。世界的な不況で物が売れないので生産を削減して在庫の一掃に努めた。そのために工場の閉鎖や一時休止、派遣・期間工の解雇等々の犠牲が出た。結果として在庫は削減された。在庫が一掃されたのでそろそろ生産を再開させようかというのが生産の下げ止まり、回復という現象ではないのか。しかしバブル当時の需要は当然ない。生産の再開は必ずしも売れるという保障つきのものではない。従って雇用も増えない。

 「架空の需要」をつくり上げて売りまくったバブルの時代は終わった。今また株価が上がる、債権が上がる、原油が上がる、穀物が上がる等々のキャピタルゲイン(値上がり益)の再来がなければ実需に頼るしかない。実需となれば雇用の安定、商売の安定、老後の安心等の実感がなければ全体的な消費の活性化は見込めないだろう。実感ではなく期待でカネを使わせる、それが今の政府の手法ではないか。カネを使わせれば景気が上向くという論理で。しかしとりあえず“カネ余り族”が飛びついてみたもののその“カネ余り族”もようす見になってきた。(2009/6/21/N0.153)

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自民党内から「大政奉還」の声。幕末、下級武士が目覚め、時代を動かしたということは?

 鳩山邦夫前総務相の辞任(更迭)後の各報道機関の世論調査で麻生内閣の支持率が急落しているようだ。麻生首相の立場がいっそう揺らぐのではないかとの観測がもっぱらだ。

 そうした中で自民党内から「大政奉還」とい発言が飛び出した。古川禎久環境政務官が自民党代議士会で、「今回の鳩山政変で我が党は決定的に国民の信を失った」と批判したうえで「大政奉還を決断して保守政党の原点に戻るべきだ」と発言した(6/16/NIKKEI NET)。 

 「大政奉還」とは幕末の話。麻生首相の先祖に関係した話だ。麻生首相の母方の祖父が吉田茂元首相だということはけっこう知られている。しかしその祖母の方の祖父が明治の元勲大久保利通だということ(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)はあまり知られていないのではないか。自分も知らなかった。

 その大久保利通は薩摩藩の下級武士だった。同僚の西郷隆盛も同じく薩摩藩の下級武士だった。それらの人々が幕末の日本の歴史を変えた。なぜだろうかと思う。

 一つには薩摩藩が鎖国の時代に当時の琉球などを通じて外の世界を見ていたということがあっただろう。しかしそれは上級武士だって同じこと。

 問題意識の違いではないだろうか。上級武士というのはその時代においてそれなりの地位とそれなりの収入を得ているわけだからその時代を守ればそれでいいわけで、世の中これでいいのかという問題意識が出なかった。それに対して下級武士からは世の中このままでいいのかという問題意識が出た。出発点としてはその違いだろう。

 ひるがえって今の時代、同じことが言えるだろう。今の世の中が続くことがいいことだと思っている人々からは世の中このままでいいのかという問題意識は出てこない。このままでいいのだからいかに守るかという意識しか出てこない。

 21世紀に入って最初のこのままでいいのかという問題意識は民営大企業集団の側から出てきた。「規制緩和」「構造改革」「民営化」等々だ。当時の時代においてそれなりの地位と収入を得ている階層ではあったが、こんなもんではとても十分ではないという問題意識からだ。 

 しかし昨年のリーマンショック以来の「100年に1度の金融(経済)危機」は幅広い国民階層の中に急速に問題意識が芽生えた。

 しかし一口に問題意識といってもそれ自体に幅がある。たとえば安全保障・アメリカとの関係、憲法問題の関係、政治資金・大企業集団との関係、どれをとっても自民党とさほど違いがない(違いがないから?)民主党に対してとりあえず政権交代をさせてみようという問題意識から「ルールある経済社会」をと主張して大企業集団の横暴を抑えようという共産党を支持してみようという問題意識までという具合だ。

 問題は現時点での社会状況がどういう状態でそこからでてくる問題意識がどういう水準にあるのかによって日本の世の中が緩やかに変化するのか急速に変化するのかが決まってくるだろう。

 幕末においても徳川幕府の処遇をめぐって緩やかな変化を主張するグループと急速な変化を主張するグループがあったようだ。最終的には急速に動くことになった。(2009/6/17/No.152)

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ボロボロの郵政民営化に固執するということは?

  日本郵政の西川善文社長の取締役再任を拒んでいた鳩山邦夫総務相が12日辞任した。事実上の更迭だという(6/12/NIKKEI NET)。

 盟友と言われる鳩山邦夫総務相を切ってまで西川善文社長の再任を選んだ麻生首相、一度は郵政民営化に賛成ではなかったと表明したこともあったが、結局は郵政民営化路線を選んだということか。

 その背景には05年の総選挙で自民・公明連合に圧倒的支持を与えた民意に逆らって改革を後退させるのかという圧力に抗し切れなかったという事情があるようだ。

 しかし05年の総選挙の時点で昨年のリーマンショック以来の「100年に1度の金融危機」の危険性に警鐘を鳴らした人がどのくらいいただろうか。当時、民営化、民営化と“はしゃぎまくった”連中の“懺悔の弁”がどのくらいなされたというのだろう。この問題は本質的な危機ではなくて一時的ないつかは回復する危機に過ぎないとの居直りが続いている状態ではないか。

 郵政民営化の目的にはいろいろなことが言われている。しかし民間企業として全国一律料金制の郵便事業に最大の魅力を感じる企業がどれだけあるだろうか。そうではないだろう。民間企業にとって最大の魅力は郵貯・簡保で300兆円とも400兆円とも言われた金融部門だろう。この資金は昔は旧大蔵省の資金運用部というところで運用されていた。そのことから族議員のカモにもされてきたはずだ。それに対して「改革」民営化論者から「塩漬け」論が出てきた。この膨大な資金を民間で活用すればはるかに有益な結果をもたらすというわけだ。もしリーマンショックがなかったらその運用先としてアメリカの証券、債権、株、原油、穀物、等々、バブルにまみれた世界につぎ込まれていただろう。もし民営化会社が株式を上場したらアメリカの巨大金融のカモにされていたかもしれない。そうなる前にリーマンショックが起きて郵貯・簡保の巨大資金は助かったのだ。

 西川善文社長には「かんぽの宿」を“仲間”のオリックスの宮内義彦会長が率いるオリックス不動産にたたき売ったり、また不動産の売却や「ゆうちょ銀行」のカード委託業務などで出身母体である三井住友銀行関連の会社が優遇されたり等々といろいろな疑惑があるそうだ(6/13/「しんぶん赤旗」=共産党HP)。

 郵政民営化とは自民党を中心とする族議員の利権の場から民間大企業集団の利権の場に変えたに過ぎない。今回の麻生首相の盟友鳩山邦夫総務相切り、西川善文社長の再任とはあくまでも「カジノ資本主義」の構造を維持してその復活をはかろうとする大企業集団の利権の構造を追認したということだ。(2009/6/13/No.151)

 

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株価は上昇しているようだが、アメリカの「変革」は資本主義の基本的な「矛盾」に差し迫っているのではないか?

 株価が上昇している。7日の東京株式市場では日経平均株価が4カ月ぶりに年初来高値を更新して9385円70銭をつけた。「米景気の底入れ期待や金融不安の後退で投資家心理が改善し」たことによるものらしい(5/7/NIKKEI NET)。 

 ところがそのアメリカのオバマ政権は「海外への投資を実質的に優遇している現行税制を見直し、多国籍企業の租税回避なども厳格に監視する」(5/4/NIKKEI NET)と表明している。

 「100年に1度の金融危機」をつくった経済体制は、賃金水準のはるかに低い国・地域に投資、進出することによって莫大な収益を上げてきた。それらの安い製品が国内に逆輸入され“消費天国”が形成された。しかし一方で企業が海外に出て行ってしまうので当然国内の雇用は減少する。消費拡大の原動力をキャピタルゲイン(値上がり益)から雇用の創出にかじを切り替えようということだ。そのため「『現行税制は抜け穴が多すぎる』」というオバマ大統領(NIKKEI前同)だが、「議会での審議の行方は不透明」だという(NIKKEI前同)。

 数々の優遇措置を講じて企業収益をあげる手助けをしたあげくに税金投入でいたれりつくせりの救済か、との国民世論もあるだろう。その道の継続か企業に応分の負担をさせて国内雇用を確保する道かのせめぎ合いが続く。

 さらに発足100日を越えたオバマ米政権に対し、日系企業がこれまで以上に期待感とともに「警戒感を強めている」(5/6/NIKKEI NET)のだそうだ。その中で「最も注目する」(NIKKEI前同)労組関連の法制度として「『従業員自由選択法案(通称カードチェック法案)』」というのがあるそうだ。「容易に組合を結成できる内容」(NIKKEI前同)だそうで「労組がない多くの日系企業は賃金制度などで経営判断が揺さぶられかねないと警戒を強め」ているそうだ(NIKKEI前同)。

 クライスラーが連邦破産法11条の適用申請にふみ切り、GMもギリギリのところに追い込まれた一つの原因に労組の力が強まり、「労組がない多くの日系企業」との間にコスト面の格差が拡大したということが指摘されている。

 ということは日系企業がアメリカで“活躍”できたのは労組を認めず労働水準を低く抑えてきたからということがいえることになる。

 しかし今、アメリカでは実際の雇用減とそれから派生する雇用不安とで特に自動車の売上が激減している。労組を認めず労働水準を低く抑えてきた日系企業、だから生き残ることができたという立場と、労働者の権利を拡大して労働水準を引き上げ実需を拡大するという立場とが今後せめぎ合いを続けるだろう。そのせめぎあいはやがて日本にも波及するだろう。単なる景気浮揚策のようにみえて、実は資本主義の基本的な「矛盾」という問題に差し迫っていく。(2009/5/7/No.136)

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政府・与党の「経済危機対策」、いよいよ「大洪水よ、わが亡きあとに来たれ」の始まりか。

 政府・与党は10日、財政支出15兆4000億円、事業規模56兆8000億円と、いずれも過去最大となる「経済危機対策」を決定した。「今回の危機は戦後最大。国民の総力をあげた挑戦が必要だ」というのが記者会見で発表した麻生総理大臣の認識(4/10/NIKKEI NET)。

 確かに戦後最大の危機という経済指標がある。日銀が1日に発表した短観・企業短期経済観測調査がその一つ。それによると「景気の現状について、『良い』と答えた企業から『悪い』と答えた企業を差し引いた割合は、大企業の製造業でマイナス58ポイントと、石油危機の影響に見舞われた昭和50年5月のマイナス57ポイントを下回って、昭和49年に日銀が調査を始めて以来、最も悪い値」。「前回、去年12月からの悪化幅も34ポイントと過去最大」。「とりわけ自動車がマイナス92ポイントに落ち込む」(4/1/12:13/NHK HP)などまさに深刻な状況。

 たしかにそういう経済指標はあるのだが、それで日本の国全体が深刻な状態に陥っているわけではない。たとえば「マイナス92ポイント」という数値が出た自動車業界のトップのトヨタ、相変わらずの株主配当をしている。「08年9月の中間配当は前年と同額の1株あたり65円」。09年3月期は不況を反映して減配するようだが、かりに「前年と同じ75円を維持すると年間配当は140円で、配当総額は4000億円超となる」(4/1/ 読売新聞=Google)。

 一方トヨタ社員の方はどうか。今年の春闘で4000円のベースアップは通らなかったが、それでも定期昇給分は確保。その額7100円。定期昇給だけで7,100円だ。一方年間のボーナス、「去年の妥結額を67万円下回る」とはいえ年間で「186万円とする」との回答があったそうだ(3/17/18:18/NHK HP) 。

 確か年収で200万円を下回るとワーキングプアと言うんじゃなかったっけ。トヨタの社員は去年の実績でいえばボーナスだけで年収253万円(平均)の収入を得ている。

 確かにボーナスで67万円減るというのは痛いだろう。そういう生活水準で暮らしてきたのだからどこかで生活水準を落とさなければいけない。しかし暮らせないというわけではない。

 そういうことだから「100年に1度の金融危機・経済危機」といわれている割には世間のニュースはそれほど変わっていない。

 今年のゴールデンウィーク、円高の影響もあるようだが、曜日の並びがいいため去年より海外旅行が増える見通しだそうだ。

 休日の高速道路1.000円で遠出をしてみたいという人が増えているそうだ。

 民間調査会社の調査によると定額給付金の使い道で一番多いのが「外食」の28%。3位の「旅行」(21.7%)と合計すると約50%になる。これに対して2位の「普段の生活費の補てん」は22.1%となっている(4/10/NIKKEI NET)。

 こうしてみると「100年に1度の金融危機・経済危機」で影響を受けながらもそれなりの生活を続けている人たちは結構いるのだ。
 
 ではどこが影響を受けているのだろう。仕事をしたくても思うようにできない人たちだろう。障害者、高齢者、そして投資家への配当を維持するために、社員へのボーナスを維持するために切られた非正規労働の人たち。さらには仕事量がガクンと減った下請けの中小企業で働く人たち。

 そうした中で過去最大となる政府の「経済危機対策」だ。全文を読んだわけではないが環境基準を満たした新車を購入する場合とか古い車を買い換えた場合に補助金がでるそうだ。

 極端な落ち込みを見せている自動車業界のてこ入れということだろう。前述のようにこのご時世でもおカネを使おうと思っている人たちはたくさんいるからこれで自動車業界が活況を取り戻すかもしれない。しかしその結果はどうなる。投資家への配当は増えるだろう。社員へのボーナスも増えるだろう。切られた非正規労働者も戻れるかもしれない。しかし戻れるだけではないか。今の仕組みをそのままにして景気を戻しても危機を招いた社会に戻るだけだ。

 そしてその後には財政危機。景気後退の中での「経済危機対策」で税収よりも国債発行高の方が多くなるとも言われている。そして出てきたのが消費税増税。国の借金残高は2008年12月末現在でおよそ850兆円(財務省HP)。日本のGDPは500兆円強。かりに税率が10%になったとして、500兆円の過程にすべて消費税がかかるとしたとしても50兆円。気の遠くなるような話だ。政府は景気が回復したらなんて言っているけど、かけこみ需要があってそのあとガクンと落ちるのは今までの通例。それはそうだろう。かりに税率が10%になるとしたら自分の給料が10%下がるのと同じようなもの。給料が低い人ほどこの10%が響いてくる。

 今の仕組みを残したままでの「経済危機対策」では潤う所は潤いを戻し、少しはましになったかなという層が少し増えるだけだろう。そのバランスが一定限度を超えて崩れなければそれで社会は安定を保つということだ。しかしそのバランスを崩して消えていった国、体制は歴史上いくつもある。

 「大洪水よ、わが亡きあとに来たれ」とはマルクスの「資本論」の中の一節だそうだ。自分の生存中はとにかく稼ぎまくる。社会もそういう仕組みにする。わが亡きあとならその反動として大洪水のような危機が来ても知るよしもないというのが資本の論理ということのようだ。政府の「経済危機対策」、当面の選挙のり切り策としては効果をもたらすかもしれないがそれこそバランスを崩す時代の幕開けとなるのではないか。(2009/4/16/No.132)

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北朝鮮決議は議長声明へと。米中妥協で手も足も出ない日本の姿が

 北朝鮮が日本列島をまたぐ形で発射したロケットに対して協議を続けていた国連の安保理は結局決議は出さず、議長声明とすることで落ち着くようだ。

 当初日本とともに決議を主張していたアメリカが慎重な対応を求める中国に妥協する形でこうなったようだ。「議長声明の拘束力は日米が主張した『決議』と、中国などが唱えてきた記録に残らない『報道向け声明』の中間」(4/11/NIKKEI NET)とのことで日本の顔を立てるために多少表現をきつくしてあるそうだ。

 日本政府も「決議にこだわり続ければ安保理内での孤立が避けられない」(4/11/NIKKEI NET)との判断に傾いたようだ。

 アメリカがどうして妥協に踏み切ったのかは詳しくは知らない。しかしイラク侵攻の時には何でも思うとおりにしてきたアメリカが力の衰えを意識したのかそれともオバマ新政権での方針転換か。いずれにしてもアメリカと中国の意向で世界が動いたという事実は疑いない。

 日本はどうして世界を動かすだけの政治的影響力がないのか。

 国内には軍事的に大国ではないからだという根強い主張があるようだ。 そのため「テロとの戦い」に貢献し、海賊対策でははるか遠い海域に自衛艦を派遣し武器の使用も辞さない構えを取り、今回の北朝鮮ではミサイルの実戦配備をする。そういう既成事実を積み上げて自衛隊の存在をあたりまえ化し、憲法を改定し核兵器も持つ。そういう軍事大国の仲間入りすればもっと世界を動かす存在になれるだろうと。

 しかしそういうものではないだろうと思う。現在強力な軍事力を持ち、核兵器も持つアメリカや中国の方がはるかに世界中に対して目配り、気配りをしているのではないか。もちろん多数派工作も。

 日本の国内ではいまだに地元に大型公共投資を呼び込める政治家が大物としてもてはやされている。国際会議に出席すれば酩酊する大臣がいた。国際会議で英語を誇らしげに披露する反面、自国の漢字も読めない総理大臣がいる。

 世界は今や新興国、途上国が力をつけつつある時代。日本史流に言えば“群雄割拠”“戦国”の時代になりつつある。このままいったらあと10年か20年で江戸城を追われた徳川幕府のような存在になってしまうのではないかと心配になってくる。(2009/4/12/No.131)

 

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「テポドン2号」、政治力の欠如を棚に上げて千載一遇のチャンスとしていないか?

 北朝鮮の「テポドン2号」発射ではとりあえず落下などの被害がなくてよかったと思う。

 もし迎撃ミサイルの発射なんて事態になれば日本を標的にするとの北朝鮮の脅しに備えて日本も軍備を強化するとの際限のない軍拡論争になるところだった。

 現に自民党の中川昭一前財務相は「敵基地攻撃など核の脅威への対応策を議論する必要があるとの認識を示した」とのこと(4/6/ 東京新聞=HP)。

 この前大臣、「政調会長時代の二〇〇六年、『憲法でも核保有は禁止されていない。核があることで攻められる可能性が低くなる、やればやり返すという論理はあり得る。当然、議論があってもいい』と述べ」たことがあるそうだ(東京新聞 前同)。

 中川昭一前財務相といえば国際会議という大事な政治の場に出張して酩酊騒ぎを起して辞任した人物だが、こういう軍拡の話になるとすこぶる元気になるようだ。

 ところで北朝鮮の強気の背景にはなにがあるのだろうと思う。「瀬戸際外交」しかもはや生きる道がないとはいえやはり中国・ロシアの後ろ盾が大きいのだろう。

 中国・ロシアは今回の「テポドン2号」の発射でも、発射前、発射後の安保理を通じて日本、欧米とは一線を画する態度を取っている。

 もともと冷戦時代から関係の深い国だが、中国・ロシアは今、アメリカ、EUと並ぶ第3極の地位を目指しているのだと思う。そのため新興国、途上国の多いアジアでのリーダー的存在を目指しているのだろう。北朝鮮の存在もアメリカ、日本を牽制するために利用しているのだろう。

 日本はその中国を動かすことができなかった。アジア諸国も中国との関係を悪くしたくないとの思惑で簡単には日本にはなびかない。

 日本はアメリカとの「強固な同盟」関係を誇示しているうちにアジアでの足場をますます失っているのではないか。

 「テロとの闘い」「海賊対策」「北朝鮮の脅威」を千載一遇のチャンスとして自衛隊を海外に派兵して、核武装まで目指して、憲法を改定して、大日本帝国の夢をもう一度と。しかし70年以上前の国際情勢の再現が実現できるほど甘い時代なのかと思う。(2009/4/7/No.129)

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解散総選挙をめぐって自民・民主、“高等戦術”の競い合い?それで日本のなにが変わるというのか

 秘書の逮捕・起訴という事態になっても世論に抗して民主党の小沢代表が辞任しようとしない。自分は代表という地位にこだわるものではないと発言してきた気がするのだが。

 ところがこの小沢代表のいすわり、解散総選挙をめぐる“高等戦術”という見方もあるようだ。

 今、小沢代表の支持率が落ちている。その“敵失”のせいなのかここにきて麻生内閣の支持率も上昇している。3月29日に投開票された千葉県知事選でも大方の見方は森田健作候補の個人的知名度による当選ということのようだが、小沢民主に対する批判票もあったと指摘されている。

 解散をするなら今がチャンスという空気が広がるのではないか。それで解散ということになれば小沢代表は辞任するというのだ。

 かねてから政権交代が私の目標と言ってきた小沢代表、いざ解散総選挙となれば代表が辞任するなら民主党そのものを見放すわけではないと、有権者はそう反応するだろうとの読みのようだ。

 一方の麻生総理大臣は3月31日の記者会見で、「『平成21年度の補正予算案の成立に野党側がどう対応するかだ』などと述べ、野党側の対応を見極めて判断する考えを示し」たのだという(4/1/13:32/NHK HP)。

 昨年から08年度の補正予算とその関連法案が通ったら、09年の本予算とその関連法案が通ったらと、民主党の解散してくれるなら何でも協力という本音をたくみに利用してきた政府・与党。またしても民主党の解散して欲しいという願望を利用する気だ。お互いに“高等戦術”の競い合いだ。

 なにをばかなことをやっているんだと思う。彼らがうつつをぬかしている間に確固とした新しい潮流を打ち立ててひとあわ吹かせてやりたいものだ。(2009/4/4/No.128)

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沈む産業、浮かぶ産業で資本主義はどこへ行く

 アメリカで住宅バブルが崩壊したのは周知の事実。日本でもマンション分譲大手の日本綜合地所が東京地裁に会社更生手続き開始を申し立て、受理された(2/5/NIKKEI NET)。

 アメリカの1月の新車販売台数(速報値)は、前年同月比37.1%減の65万6976台。年率換算では957万台と1000万台の大台を割り込み、1981年12月以来、約27年ぶりの低水準となった(2/4/NIKKEINET)。日本でもトヨタが最終損益が3500億円の赤字と、最終赤字は初めてとなる09年3月期の連結業績見通しを発表した(2/6/NIKKEI NET)。

 日本の主要百貨店の1月の売上高(速報)が軒並み減少 松坂屋12.2%、三越11.3%などとなった。高額品の不振が一因だったという(2/2/NIKKEI NET)。
 
 こうしてみると高額品の産業から相次いで不況に陥っていることがわかる。ということはこれらの産業がいかにバブルに支えられていたかということだ。高額所得者はなをいっそう。所得の高くない人も「サブプライムローン」とか「ゼロ金利自動車ローン」などでバブルの恩恵にあずかっていた。

 バブルは人間社会に豊かさを実現したというより贅沢という夢を見させる役割をした。

 一方、この不況の中で業績を伸ばしている企業もある。ユニクロ、日本マクロナルド、米ウォルマートなど。

 ユニクロは1月の国内既存店売上高が前年同月比5.7%増え、前年水準を上回るのが3カ月連続とのこと(2/3/NIKKEI NET)。

 日本マクドナルドの2008年12月期決算は、連結経常利益が182億円と前の期比17%増。売上高は3%増の4063億円と過去最高。「節約需要にマッチした100円メニューなどの『お得感』でうまく来客数の増加につなげた」(2/4/NIKKEI NET)。

 いずれも低価格を売り物にしている企業だ。そもそも実収入に見合った人。実収入が減ったので一ランク上の店から“降りて”きた人。実収入は変わらないが用心のために“降りて”来た人たちがあらたな客層になったということだろう。

 今後住宅、自動車などの高額品を扱う産業の低迷が長引き、人減らしが続いたりしたらますますこの傾向は続くだろう。そして高額品産業が行き詰まり低価格帯の産業が業績を伸ばし、雇用も増大させ、いつのまにか贅沢ざんまいの薄れた社会になっていくのだろうか。それともまたどこかでバブルが発生し、贅沢な夢の社会になっていくのだろうか。

 誕生期の自由そのものの資本主義から修正資本主義へと。そして新自由主義による「カジノ資本主義」へと。この先どこへ行くのか定かではないが、資本主義は間違いなく曲がり角にさしかかっている。(2009/2/7/No.108)

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「連合」春闘は危機の時代に闘えるのか

 日本最大の労働組合全国組織である「連合」が「8年ぶりのベースアップを要求する」(1/15/11:58/NHK HP)。

 「8年ぶり」ということは2001年以来ということだ。その2001年といえば小泉政権が誕生した年。そして「痛みを伴う改革」が始まった年。

 「連合」に所属する個々の労働組合は大企業労組が中心。その大企業ではその間、希望退職、配転などのリストラが横行した。派遣、請負等の非正規労働も拡大してきた。「連合」はそれらにさしたる抵抗もしないで事実上協力してきた。 「連合」のそれらの行為は大企業のコストダウンにおおいに貢献した。大企業は史上最高益を更新し続けた。「連合」加盟の組合は、ベースアップと引きかえに、中小企業、非正規労働などから見れば夢のようなボーナスを獲得してきた。しかし組合員数は1989年の発足時の800万人から680万人と120万人も減らしてきた(「連合」HPから)。

 しかし時は「100年に1度の金融危機」。「連合」春闘に先手を打つかのように大手大企業は大幅減益・赤字決算を発表し、非正規労働のみならず正社員の削減まで表明している。もはや夢のようなボーナスもどうなることか。

 「連合」はベースアップ要求の根拠に国内需要・消費の喚起による景気上昇をあげている。ついこの前まで大企業の成長に “貢献”してきた「連合」が心底そう思っているのかどうかその戦いぶりではっきりすることになる。

 まぁせいぜい正社員の雇用確保をお願いして終わるような気がするのだが。(2009/2/5/No.107)

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麻生総理大臣が「小泉元総理大臣が推進した改革路線からの転換を鮮明」。いまだ現職の小泉元総理とそのチルドレンはどう答えるのだ

 麻生総理大臣が28日に施政方針演説を行い、もろもろ述べたうえで「小泉元総理大臣が推進した改革路線からの転換を鮮明」にしたそうだ(1/28/15:32/NHK HP)。

 「小泉元総理大臣が推進した改革路線」を知るうえではその原典的存在である「骨太の方針(2001年版)」を読むのがいいのだと思う。正式には「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針概要」。

 その中に「聖域なき構造改革は、その過程で痛みを伴うこともありますが、構造改革なくして真の景気回復、すなわち持続的成長はありません」というくだりがある。 

 確かに「痛み」はあった。初めはごく一部の人のできごとのはずだった。それゆえ自分には「痛み」が及ばないだろうと思った人たちを含めて絶大な支持を集めた。でも「真の景気回復」「持続的成長」はこなかった。

 さらに「短期的には低い経済成長を甘受しなければなりませんが、その後は経済の脆弱性を克服し、民需主導の経済成長が実現されるでしょう」というくだりがある。

 確かに「民需主導の経済成長が実現」した。大企業を中心に5年連続だかの史上最高益を実現した。しかしアメリカの「民需」がこけたらいっぺんにその「脆弱性」が表れた。

 そして「そこでは、国民が自信と誇りに満ち、努力した者が夢と希望をもって活躍し、市場のルールと社会正義が重視されます。また、それは誰もが豊かな自然と共生し、安全で安心に暮らせるとともに、世界に開かれ、外国人にとっても魅力を感じる社会でなければなりません。新世紀維新が目指すのは、このような社会です」とある。

 「市場のルールと社会正義が重視されます」はないだろう。これは日本だけの問題ではないが、アメリカの原油価格が140ドル越えまでいったかと思ったらあっという間に100ドル以上値下がりした。あれはいったいなんだったんだ。そしてさらに今の「派遣切り」「期間工切り」。契約期間途中であっても平然と解雇する。もちろん違法だ。そのどこに「社会正義が重視」されるというのだ。

 「外国人にとっても魅力を感じる社会」には確かになった。今や東京証券取引所の株売買の6割は外国人投資家だという。公的資金で不良債権を処理したあげくに外国企業に二束三文で売り払った銀行もあった。

 「誰もが豊かな自然と共生し」??。今や世界的な食料不足が警告されているのに日本の農地の中には荒れ果てている所があるという。農地というのは絶えず手入れをしていなければ使い物にならないと聞いたことがある。

 「国民が自信と誇りに満ち」。オリンピックでは活躍した日本選手に対して「国民が自信と誇り」を持った。しかし政治・経済の世界で本当に「自信と誇り」を持ったのか。

 「努力した者が夢と希望をもって活躍し」か。夢と希望を持って努力している人は多いだろう。しかし本当に報われる社会なのか。

 小泉元総理は次回選挙には出馬しないで政界を引退するという。引退すればそれですべてが帳消しになるとは思わない。さらにその意を汲んだチルドレンは再選を目指している。公職にある以上は責任ある見解を示すべきではないか。(2009/1/29/No.105)

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「『ふるさとネット』、大企業の流れ(流通)とは違う『もう一つの流れ』に」に日本列島再建の希望をみい出す

 少し前だが、農業関係の仕事を目指そうという人が増えているというニュースをテレビで見た。世界的な金融・経済危機で製造業を中心に大幅な生産削減、人減らしがおこなわれている世相を反映しているようだ。

 迎え入れる日本の農業はどうなのだろうか。農民運動全国連合会(農民連)が「『日本列島3000キロの農産物を、安全・安心、国内産を求める広範な国民に届けよう』――。消費者、流通業者などと連帯して、日本農業と農山村の再生と復権をめざす」として「農民連ふるさとネットワーク」(略称・ふるさとネット)を昨年8月に立ち上げている(同会HP)。「大企業の流れ(流通)とは違う『もう一つの流れ』」(前同)を築くのだという。

 なんとも壮大な取り組みだと思う。と同時にそれだけ日本の農業が危機に直面しているということなのだと思う。

 日本は減反で国内の米生産を削減しながら輸入している。一つには工業製品を輸出したかったら農業製品を輸入しろというアメリカを中心とした海外の圧力。そして国内的には米離れに加えて国内産は高くて消費者に敬遠されるという圧力。そうした中で農業後継者の減少、農地の荒廃と進んでいるのだと思う。

 ところが時はいつのまにか世界的な食料危機が警告され、「カジノ資本主義」の投機行動で食料価格が暴騰するという事態になった。そうした中で国内自給率を高めようという国民的な機運が高まった。

 さらに中国産など輸入農産物の安全問題が頻発し食の安全に対する国民の関心が高まり国内志向が強まった。

 しかしこういう国民的機運、流れは大手流通業者だって当然感じ取っているだろう。「国内産」「安全・安心」だけで大手流通業者の品揃え、価格、便利さに存在感を示せるのだろうか。

 もしかしたら示せるのかもしれないと思う。それは資本の論理と労働の論理との違いによってだ。

 大手流通業者は当然資本の論理だ。利潤を上げるために仕事をすることが求められる。働いている人たちも派遣だったりパートだったり契約社員だったり非正規社員が増えてきた。いくら働いても昇給はおろかボーナスも出なかったり出てもすずめの涙だったりする。みな生活のために辛抱して働くことが多い。上がった利潤は資本家側がより多くためこむという形で分配される。「国内産」だって「安全・安心」だってその利潤を上げるために必要だからだ。目的ではない。

 一方労働の論理では「国内産」「安全・安心」をめざそうということが労働の目的になる。「日本農業と農山村の再生と復権をめざす」ということが労働の目的となる。そのために農民、流通業者、消費者が協力した仕事となる。お互いに納得の行く形での分配となるかどうかは今後の課題だろうが、そこでは単に高収入とか高い地位とかにとらわれることなく意欲を持って労働することができるかもしれないという気がする。使い切れないほどの高い収入とは違った喜びがあるかもしれないと思う。

 はたしてどちらが知恵と工夫を出すか。そしてどちらが人々に喜ばれる食料を提供できるか、だ。

 今の時代において「大企業の流れ(流通)とは違う『もう一つの流れ』に」という壮大な取り組みが成功することを願う。そしてもし可能であれば自分もそういう壮大な目的を持った仕事の中に身をおいてみたいものだと思う。(2009/1/25/No,104)

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「定額給付金」での迷走は、高額所得者にこそ支給すべきという根本的矛盾に満ちた選挙目当ての策略の結果。

 政府が一人平均1万2千円のおカネをくれるという「定額給付金」、全世帯に支給か高額所得者を除いて支給かで迷走している。ばかげた議論だと思う。

 この給付金構想、緊急経済対策の目玉として消費を喚起し景気を良くするために行うのだという。だとしたら高額所得者にこそ支給すべきなのだ。なぜかと言えば高額所得者にとってはしょせん小遣い銭程度に過ぎないから政府の呼びかけどおりに使うだろう。

 一方、所得の低い人にとっては貴重な生活費の一部だから大事に使おうとするだろう。まずは先に給付金から使って、財布の中の現金は後に先送りするだろう。

 昔から減税論議の中で、低額所得者に対して減税しても貯蓄に回るだけで景気対策としては意味がないという主張があった。

 だから高額所得者を減税する、あるいは借入能力のある高額所得者にカネが回るように貸し出し金利を下げる、そうすれば消費が喚起され景気が良くなるという論理だ

 しかしその最高峰たるアメリカの金融・消費社会が崩壊した。そのつけを何とか解決しようという方策だ。だとしら生活不安から少しの金でも後に取っておこうという状態を解決して基本的な生活向上のための消費を喚起するためにはどうしたらよいかということが必要だろう。

 それを単に今選挙をやったら大敗する可能性もあるからとにかく国民受けを良くしたいなんて姑息な策略をめぐらすからこうした迷走が生じてくる。そのうち麻生内閣自体が迷走してくるのではないか。(2008/11/9/No.75)
 
 

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オバマ米次期大統領はアメリカを「チェンジ=変革」し、希望を取り戻せるか

 アメリカの次期大統領に民主党のオバマ氏が大差で当選した。

 人種差別が残るアメリカでアフリカ系の父親を持つ黒人であるオバマ氏が大差で当選したということはそれだけ今のアメリカ人が「チェンジ」を渇望していたとの指摘が多い。

 しかし一方でこの次期大統領には暗殺に対する警護が重要課題になっているという。

 オバマ氏の当選で50年近く前に誕生したケネディ元大統領のことを思い出した人も多いかもしれない。もしかしたらもうあちこちでそのことが書かれているかもしれない。

 ケネディ元大統領は43歳で当選し選挙で選ばれた大統領としては最も若いのだという(ウィキペディア)。先祖はアイルランド系の移民だったという(前同)。オバマ氏も40代で父親はケニヤからの留学生と聞いた。

 ケネディ元大統領は「ニュー・フロンティア」政策というのを発表し、現状からの脱却を訴えた。そしてその就任演説で「『祖国があなたに何をしてくれるかを尋ねてはなりません、あなたが祖国のために何をできるか考えて欲しい』」(ウィキペディア)と訴えた。「チェンジ」が旗印のオバマ次期大統領も勝利宣言の中で似たようなことを言っている。

 オバマ次期大統領の前途は多難だ。米財務省の発表によると10―12月の国債発行による市場からの資金調達が過去最高に膨らむとの見通しだそうだ。「金融危機対策の公的資金など歳出が膨らむ一方、税収が減少したため」で「市場では、10月から始まった2009会計年度の財政赤字が1兆ドル規模になるとの観測が出ている」(11/4/NIKKEI NET)のだそうだ。1兆ドルといえば1ドル100円で100兆円。日本の国家予算を上回る。それだけの赤字が単年度で出ると言うのだ。これに累積赤字が加わる。オバマ次期大統領は選挙戦で幅広い減税を公約している。しかしこの膨大な赤字の中で身動きが取れるのだろうか。

 ところでこのオバマ次期大統領、「チェンジ」しないことを宣言していることが一つある。アフガンに対する兵力増強だ。この点に対してはブッシュ現大統領の方針を踏襲するという。

 昔ケネディ元大統領もベトナムに「『軍事顧問団』の派遣を増強することを決定した」ことがある(ウィキペディア)。そのベトナム戦争は彼の死後12年たって南ベトナム民族解放戦線(ベトコン)の攻撃によってサイゴン(当時)が陥落、アメリカの敗北となった。同元大統領は途中で方針転換も考えたようだが、オバマ次期大統領は兵力増派で“勝利”を収められるのだろうか。

 そのケネディ元大統領は1963年、ダラスで凶弾に倒れた。夫人に抱きかかえられ病院に急行する車列の姿が何回もテレビに映し出された。オバマ次期大統領にはこの点だけはまったく違う大統領であってほしい。(2008/11/7/No.74)

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世界の株価が急上昇・急降下。公的資本注入で枠組みが維持されるとホッとしたのだったが。

 世界の株式市場が騒然としている。13日の米株式市場でダウ工業株30種平均が前週末比936ドル42セント高の9387ドル61セントで終え、上げ幅が過去最大を記録した(10/14/NIKKEI NET)。

 それを受けて翌14日の東京株式市場は日経平均株価が急反発。連休前の10日比1171円14銭(14.15%)高の9447円57銭。「上昇率はバブル崩壊初期の1990年10月2日(13.24%)を上回り、過去最大を記録した」(10/14/NIKKEI NET)。

 かと思いきや、15日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均が前日比733ドル8セント(7.8%)安の8577ドル91セントで取引を終え「ダウ平均の下落幅は過去2番目の大きさを記録」(10/16/NIKKEI NET)。

 つられて16日の日経平均の終値は前日比1089円02銭(11.41%)安の8458円45銭で下落率としては1987年10月のブラックマンデー(14.90%)に次ぐものとなった(10/16/NIKKEI NET)。

 世界の株価が急上昇したのは金融機関に対する公的資金の大盤振る舞いが決まったから。たとえばアメリカはすでに日本円にして75兆円といわれる公的資金を投入することを決めているが、とりえず「総額2500億ドル日本円にして25兆円余りに上る公的資金を国内の大手金融機関の資本増強のために投入することを柱とする金融危機対策」が決まった(10/15/4:47/NHK HP)。ヨーロッパの各国も同じような政策を決めている。

 ところでアメリカが決めた資本増強策は「議決権のない優先株を買い取る形で行われ」るのだという(NHK 前同)。優先株というのは配当とか破綻の場合の資産分与とかで優先的に受けられる権利を持つ株式のことをいうのだという。国民の税金を使って投入するのだから当然といえば当然だ。

 しかし「議決権のない」ということはアメリカ政府は口を出さないと約束したということだろう。公的資金で私企業の株を買い、議決権があればその比率によっては事実上の国営企業となる。

アメリカ政府は国営化して経営に関与することはしない。あくまで私的経営に任せるという姿勢は崩さない。

 他方日本ではどうか。「安心実現のための緊急総合対策」というのがある。中川財務大臣が「財政演説」(平成20年9月29日)の中で説明している(自民党HP)。その中に「資源・食料価格も歴史的に見て高い水準にあるなど」というくだりがあってだから「価格の転嫁が困難な立場にある中小企業」等に対策を講じるという部分がある。

 それ自体には別に文句があるわけではないが、ではばぜ「資源」や「食料」が高騰したのかだ。それに投機が大きく影響していることは今や世間の常識だ。だとしたらこの投機をどうするかが「総合対策」の根幹だろう。「緊急」対策だから盛り込まれていないという弁明もできるだろうがおそらく手を付けたくないからやる気がないということだろう。

 アメリカは公的資金を投入しても口は出さない。もちろんすでにぼろ儲けしたした人たちの責任も問おうとしない。日本も投機の規制には触れない。マネーを転がせば思い通りの富が手に入るという世界にメスを入れつもりはない。あくまでこの枠組みは守るつもりだ。先の株価急騰はこの枠組みが今までどおり守られるということで安心が広がったということにほかならない。これで今までどおり金もうけができると。

 しかし思い通りに枠組みが守られたからといって万々歳というわけにはいかなかった。自分たちの金もうけの手法そのものが自分たちのクビを絞め始めてきた。

  9月のアメリカの小売売上高(季節調整済み)は前月比1.2%減で市場予測の平均(0.7%)を大幅に下回った(10/15/NIKKEI NET)。9月の欧州新車販売(主要18カ国)は、前年同月比9.3%減。9月としては1998年以来10年ぶりの低い水準(10/15/NIKKEI NET)。等々という具合だ。

 しぼんでしまった“泡”の後始末はしてくれそうだがもはや膨らますところが見当たらない。

 大量の税金を投入して守ってくれそうな枠組みはその枠組みゆえに崩れていく。
(2008/10/17/No.69)

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最近の国際経済の混乱は転売需要の限界と実需の必要性について決着を示したのではないか

  ここ何年かの世界経済は住宅投資、不動産投資で大きな拡大を遂げてきた。

 しかし転売を繰り返すことで価格をつり上げるだけではいつか破綻する。そのことは日本のバブル崩壊が実証した。

 アメリカの「サブプライムローン」問題とはその経験を生かして“実需”の拡大をめざしたものだと思う。

 しかしカネ持ちはよりカネ持ちに、そうでない人はよりそうでないようにという格差社会では思うようにいかなかった。

 本来、住宅購入には慎重であるべき階層にも“実需”を広げることになった。しかしそれが“実需”であるからこそその証券化、債権化というのが世界中に有望投資先として広がったのではないか。

 しかしその“実需”も格差社会のなかで無残にも破綻した。

 “世界最大”のバブル崩壊を経験した日本でも“過ち”を繰り返してしまった。

 不動産経済研究所の発表によると7月のマンション発売個数は首都圏で前年同月比44.5%減(11カ月連続)。発売した戸数に占める実際に売れた割合を示す契約率は首都圏で前年同月比20.6ポイント下落の53.5%(8/14/NIKKEINET)。発売が半減し、そのうち売れたのが半分という“悲惨”さだ。

 マンション不況の原因なのか結果なのか。中堅不動産会社の 経営破たんが相次いでいる。 その中の代表格が「アーバンコーポレイション」。もともとはマンションの分譲を手がけていたが、老朽化したオフィスビルを改装してファンドなどに売却する「不動産流動化」と呼ばれる事業に進出して急成長した。、平成14年には東京証券取引所の1部に株式を上場し、ことし3月期の決算では690億円余りの営業利益を計上した会社だ(8/13/17:48/NHK HP)。あっという間の破綻である。「ファンドなどに売却」ということは転売ということだろう。

 北京五輪が閉幕した。中国については五輪後がささやかれている。おそらくは転売でつり上げられたであろう住宅・不動産バブルが続いてきたからだ。

 世界的に転売によるバブル、経済膨張が破綻をきしている。実需こそが必要であるという議論に決着をみたと言える。 しかし、資本主義経済においては賃金等を上げれば企業競争力が失われるという攻撃に常にさらされている。そうした中での幅広い実需を実現するにはどういう方策があるのか。今後の大きなテーマだろう。(2008/8/25/No.54)

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日本の政治にも小さな“乱”が生じてきたのだろうか?

 福田康夫首相が「原油価格や食料価格高騰による物価上昇と景気減速に対応するため」「政策手段を総動員」して「経済対策の骨格を取りまとめるよう指示した」(8/4/NIKKEI NET)のだという。
 
 世の中少しは変わったのかな、と思った。

 というのは今の福田内閣を支えている自民・公明で衆議院3分の2以上の議席は2005年の「郵政民営化」選挙で獲得したものだ。

 規制緩和、何でも民営化。政府の関与から離して市場に任せておくことが経済活性化につながるという選挙だった。郵貯・簡保の“お宝”の「塩漬け」が経済停滞の一因とされて「貯蓄から投資」へと叫ばれた選挙でもあった。

 その投資(投機)で原油が高騰した。食料も高騰した。それに対して「政策手段を総動員」して対処するのだという。

 このまま市場に任せていたのでは選挙に勝てないという判断が働いているのだろう。自民党と与党を構成している公明党の「経済対策」は露骨だ。「景気を回復させるためには家計を直接潤す必要がある」として、「所得税の税額から一定額を差し引く『定額減税』を行うこと」を提言している(8/8/5:25/NHK HP)。

 つい1年か2年前まで「定率減税」というのがあった。所得税の税額から20%を差し引く減税だった。それを10%ずつ2年に分けて廃止したのがほかならぬ自民・公明の与党連合だった。

 その公明党、太田昭宏代表が国民新党の綿貫民輔代表と6日夜、都内で会談したのだという(8/7/NIKKEI NET)。席上、太田氏は「小泉政権時代の構造改革路線から転換すべきだとの考えを伝えた」(NIKKEI 前同)のだという。

 この会談、参議院で過半数の一角を占める国民新党の取り込みを策したものか、それとも国民新党を突破口として民主党との接近を意識したものか。それともたんなる政策協議か。

 しかし「構造改革」あくまで推進の小泉グループも黙ってはいない。民主党の中にも小泉流「構造改革」に通じるグループもある。「政界再編」にでも動かれたら大変なことになる。そこで自民党国家戦略本部(本部長・福田康夫首相)の本部長代行に中川秀直元幹事長を就任させた(8/4/NIKKEI NET)。中川氏といえば「改革」派。
 
 「新自由主義」経済、「市場(万能)主義」経済、それへの徹底化を目指す「構造改革」が資本主義をどう導くか、世界の経済と人々の生活をどう導くか、という流れの中で、あくまで固執、(君子)豹変、見た目改革、徹底改革等の政治勢力の間で“乱”が始まろうとしているという気がする。(2008/8/9/No.50)

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福田内閣改造。自国の食料(農業)政策を与党の“票田”維持政策と心得る総理大臣に何が期待できるのか。

 今日(10/1)福田内閣が改造された。テレビニュースでは例によって新しい内閣に何を期待するか?などという街頭インタビューを繰り返している。

 顔ぶれが代われば何かが期待できるというなら総理大臣を代えればいいだろうに、と思う。

 福田総理大臣ははっきり言って亡国の総理大臣である。

 先日(日本時間7/30未明)、WTO・世界貿易機関の閣僚会合が農業分野での利害の対立が解けずに決裂したとき、福田総理は「合意に至らなかったことはきわめて残念だ」とコメントした(7/30/12:15/NHK HP)。

 今回の閣僚会合で日本は、「農産品に例外的に高い関税が認められる『重要品目』の数について日本が求める8%を下回る原則4%、最大で6%に限るという案を突きつけられてい」た。(7/30/4:50/NHK HP) 

 これが実現すれば日本の農業は壊滅的打撃を受けるとも言われていた。事実、沖縄県の仲井真知事と北海道の高橋知事が、それぞれ町村官房長官を訪れ「さとうきびの生産は沖縄の産業の基本であり、重要品目に入らなければ大きな打撃を受ける」「北海道は日本一の農業生産地であり、WTO交渉の影響は大きい。食糧の自給率を高めなければならないなか、不退転の決意で日本の農業を守るための交渉をしてほしい」と要請している(7/30/0:21/NHK HP)。

 今までだったらこれらの要請は国際関係の中で地域のエゴ、農業従事者のエゴと非難の対象となってきた。工業製品の輸出ができなくなったら日本経済はガタガタになる、と。

 しかし選挙となれば農村は自民党の“票田”である。その“票田”がこわれない程度に補助金を出すという手法をとってきた。

 しかし今や食料高騰のみならず食料危機が叫ばれる時代である。農業従事者のみならず自給率向上には国民一般の関心が高まっている。そうした中で食料自給率39%と、先進国の中で最低の国の総理大臣が 「合意に至らなかったことはきわめて残念だ」というのである。

 理由は「日本の輸出相手国の関税引き下げも実現せず、工業製品の輸出の拡大というメリットを享受できない」(7/30/4:50/ NHK HP)ことと農業製品の輸入を強力に求めているのがアメリカだから。

 今回のWTO・閣僚会合決裂はアメリカとインド(中国)の対立だったという。農産物の輸入が増えすぎたとき緊急制限する権利を拡大しろというインド(中国)と制限しろというアメリカの対立だったという。

 インド、中国とも経済が急成長している国だ。その成長にアメリカへの輸出は欠かせない。だから自国の農業を犠牲にしろ、とは言わない。

 しかし日本はアメリカ等への輸出が大切だから自国農業を犠牲にしろという。

 日本には「武士は食わねど高楊枝」ということばがある。食べるものが満足になくても経済大国という対面があり、車があふれ、薄型大型テレビがあふれ、ケータイがあふれ等々であれば日本人は満足できる民族だというのだろうか。少なくとも日本の政府はそういう政治をしている。(2008/8/1/No.48)
 

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日本に“学ぶ”。金融不安を払拭するだけでアメリカ経済がよみがえるのか?

 今月の13日、日曜日にもかかわらずアメリカのポールソン財務長官が「政府系住宅金融会社、米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)について、必要なら両社に公的資金を注入して資本増強するとの緊急声明を発表した」(7/14/NIKKEI NET)。「経営不安から株価が急落している」(NKEEI 前同)ため、翌14日からの東京市場を初めとして、世界同時株安の引き金になっては、との危機感からだろう。

 「ファニーメイ」と「フレディマック」という会社は「民間の金融機関から住宅ローンを買い取って証券化し販売」(7/18/5:57/NHK HP)するのを業務としているようだが、「公社」という名前がついているが民間企業だそうだ。ただその業務の内容からいってアメリカのバブルを支えた“国策”企業ということなのだろう。

 そのポールソン財務長官は22日、講演で、この2社が発行する債券や住宅ローン担保証券が総額5兆ドル(約530兆円)に上り、このうち1兆5000億ドル(約160兆円)超を海外の中央銀行や金融機関が保有していることを明らかにした(7/22/NIKKEI NET)とのこと。

 これら債権や証券の価値が急落したらどうなるか。総額530兆円の債権や証券が急落する?
 それが前述のように日曜日にもかかわらずの公的資金注入との緊急記者会見となったのだろう。

 ちなみにこの債権や証券、日本の金融機関が投資目的で保有している額はことし3月末で15兆円以上。具体的には「農林中央金庫」が5兆5000億円、「三菱UFJフィナンシャル・グループ」が3兆3000億円、「日本生命」が2兆5000億円などとなっているとのこと(NHK調べ=同HP 前同)。

 この問題、公的資金注入との方針が示され一安心となったようだ。直後に1万1千ドルの大台を割ったニューヨークダウ平均も大台を回復してきた。 しかし信用制度の崩壊という最悪の事態は回避されたのかもしれないが当面、アメリカ経済がよみがえることはないのではないか。

 住宅バブルの崩壊ではアメリカより日本の方が“先輩”だ。その日本でも結局公的資金が注入されて銀行がよみがえった。その後景気回復期間が57ヶ月の「いざなぎ景気」に並んだとか上回ったとか騒ぎ立てられた。大企業の中には何年にもわたって史上最高益を更新するところが続出した。

 しかしそれらはアメリカのバブルがあったからであり中国等のバブルと低賃金労働があったからだ。大銀行や大企業は本業にかかわる投資や株式、為替等金融にかかわる投資、そのたで大儲けすることができた。

 しかし今のアメリカはその時の日本とは違う。なによりもアメリカ自身のバブルがない。中国、インド経済も減速すると言われている。東南アジアの“優等生”ベトナムも「6月の消費者物価指数が前年同月比26%の上昇と」(7/21/NIKKEI NET)大変な事態になっている。

 アメリカンドリームの復活にはあらたなバブルを探しあてるか他国の犠牲の上に繁栄を構築するかアメリカ経済の根本的な変革を成し遂げるかそのいずれの道しかないだろう。(2008/7/26/No47)

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洞爺湖サミット、世界最大の政治ショーは皮肉にも「劇場型」政治の終焉を物語ったようだ

 洞爺湖サミットが終わった。アメリカのブッシュ大統領は「地球温暖化対策に取り組むには温室効果ガスを大量に出すすべての国が一堂に会することが必要で、きょうそれができた」(7/9/21:26/NHK HP)とご満悦だったようだ。 まずは先進国が責任をという声に背を向け、京都議定書からも離脱したアメリカが中国やインドなどの途上国を巻き込むことができたとご満悦なわけだ。

 そういう意味での評価の声もある。しかしこの洞爺湖サミット、総じて言えば不評だったようだ。最も緊急な原油高騰などの投機問題にはこれといった対策を示さず、最も長期的な展望にたつ地球温暖化問題については長期的ゆえに先送りした。

 そうした中で象徴的なことが起きた。「『(キャビアやウニなどの)豪華ディナーを食べながら食料危機を語るとは』――。8日付英各紙は、世界が食料問題で苦しむなかで、主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)に出席した首脳や夫人たちが歓迎夕食会でぜいたくな料理を楽しむのは『偽善的』などと手厳しく報じた」(7/8/NIKKEI NET)というもの。

 この記事は皮肉記事だということだが、単に皮肉では済まないものが含まれていると思う。それは発想の転換がまるでできていないということだ。

 今や日本食ブームだという。しかも食料危機。だとしたら食糧難にあえぐ国々の人々がどういう食事をしているのか、そしてその困難を日本食がどう克服できるのか、日本の料理人の英知を結集した料理が用意されてしかるべきではなかったのか。それこそ世界の首脳を集めたサミットにふさわしい食事ではなかったのか。

 それを世界の首脳が集まるのだから、日本で用意できる最高級の食材を集めてご馳走する。それではサミットの目的も現状認識もまるで理解されていないということではないか。

 結局、議長国の日本はもちろん、集まった首脳たちも自国の選挙民に対してどうアピールするか、そのための世界最大の政治ショーをどのようにテレビ等に流すか、そのために苦心したということではないのか。

 しかし事態はそんななまやさしいものではない。日本では燃料高騰で漁船が休業するとうニュースが流れている。このまま高騰すれば少なくない漁師が廃業すると言われている。そうなれば単に魚が値上がりするというだけでなく食卓から魚が消えるとまで言われている。

 日本では戦後の食糧難というのがあったそうだ。しかし農村には食料があった。漁村にも食料はあった。しかし今、食料そのものがなくなるかもしれないという時代を迎えている。

 政治ショーなんて見ている場合ではない。「劇場型」なんていう政治の動きを見ている場合ではない。現実の厳しさで国民はいやおうなしに意識変革を迫られていくだろう。発想の転換ができない政治家が気づかないうちに。(2008/7/13/No.43)

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アメリカ、キャピタルゲイン(値上がり益)社会に異変??

 米商務省が明らかにした所によるとアメリカ人の「家計貯蓄率」が5月は5.0%と、4月の0.4%から急上昇したとのこと。米メディアなどによると1995年3月以来13ぶりの高水準となったとのこと(7/5/NIKKEI NET)。

 「緊急経済対策の柱である所得税減税が本格化したものの、家計はすぐに消費を拡大することには慎重で、とりあえず減税分の多くを貯蓄に回したもよう」(NIKKEI前同)。

 とりあえずは一ヶ月だけの現象なので即断をすることはできないが、少なくともこの現象はアメリカ政府のもくろみとは違った方向に動いている。

 アメリカ政府はこの減税(確か一人6万円相当の戻し税)で消費が拡大してくれることを期待していた。消費が拡大すれば企業業績が上がり、株価が上がり、所得が増え、それがまた消費の拡大につながるという景気好循環の回復を期待していた。

 アメリカといえばGDP(国内総生産)13兆8,438億ドル(名目2007年=外務省HP)。1ドル100円として1,380兆円。その7割が個人消費と言われている。およそ966兆円。日本の3倍を超える数字だ。

 この膨大な個人消費は単にアメリカの給与水準が高いからということで実現されているわけではない。

 ここ十数年のアメリカの繁栄の中でアメリカ人の「家計貯蓄率」はないも同然だった。それどころかマイナスのことが常識だった。つまりアメリカ人は収入よりも多くの消費をしてきたのだ。

 なぜそんなことが可能なのか。家計が赤字になっても住宅が値上がりすればいつの間にかチャラになる。株が値上がりすればチャラになる。何々が値上がりすればチャラになると、キャピタルゲイン(値上がり益)の魔力でやってきたのだ。

 しかしバブルははじけた。アメリカの景気減速、または後退がうわさされている。でもアメリカ政府は同じ手法で景気を回復させようとした。でも少なくとも5月一ヶ月は違っていた。

 バブルに関しては日本人も世界有数のバブル崩壊を経験した。その後の日本は「失われた10年」と称された。アメリカの繁栄の中で特に2001年発足の小泉純一郎内閣のもとで「貯蓄から投資へ」とアメリカ型の繁栄手法がもてはやされた。しかし日本人は“笛吹けど踊らなかった”。アメリカ人に比べて貯蓄率の高さを保った。資産形成の上でもアメリカ人が株式等の高リスク資産が多いのに対して預貯金等の高さを保った。

 今アメリカ人が「家計貯蓄率」を高めているのだという。泡(バブル)のような経済繁栄に酔いしれたアメリカ人が今日本人のような堅実生活に立ち戻ろうとしているのかどうか。そしてそれがここ十数年のアメリカ型“繁栄”社会のありようを変えていくのかどうか。今後が注目されるニュースだ。(2008/7/6/No.42)

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朝日新聞「死に神」コラムと諌早湾干拓開門判決

 「朝日新聞が夕刊1面コラム「素粒子」で死刑執行を命じた鳩山邦夫法相を『死に神』と表現した問題で、同社は2日までに、全国犯罪被害者の会(あすの会)からの質問に『被害者遺族の気持ちに思いが至らなかった。批判を厳粛に受け止め、今後の報道にいかしていきたい』などと回答した」(7/2/NIKKEI NET)とのこと。
 
 現行法では死刑判決が確定してから一定期間内に執行しなければならないと決まっていると聞いた。それを法務大臣の個人的な考えや都合で執行しない方がおかしいと言えばおかしい。

 また殺人等の行為で本人・家族の人生を奪われた被害者にしてみればなんで執行しないのだという気持ちが募るのは当然だろう。

 ただ死刑という刑罰が制度として妥当かどうかはそれはそれで議論されるべきだ。それは厳罰を望む被害者の要望には影響されることなく続けられるべきだ。ただだからといって「死に神」という表現はないのではないか。

 ところで先日、諫早湾の干拓事業のための潮受け堤防を開門するようにとの判決があった。佐賀地方裁判所は「有明海で貝や養殖ノリが不振となったのは、諫早湾の干拓事業で潮受け堤防が閉めきられ環境が悪化したのが原因だ」との主張に対して「『相当程度の関係』が認められる」とした(6/27/13:31/NHK HP)。テレビのニュース画面で見ても明らかに水が濁っているのがわかる。

 この問題はもはや一地方の問題なのではないと思う。「様々な魚介類の産卵場所であり、えさ場となってきた"藻場"。日本の沿岸漁業を支えてきた藻場が、今、急速に日本の沿岸から消えつつある」「そのため沿岸漁業の漁獲量が大きく減り始めている」(7/1/(火)/NHK クローズアップ現代=同HP)。

 日本は四方を海に囲まれている。そのため水産資源があるのがあたりまえだった。今そのあたりまえのようにあった資源に危機が生じている。そういう時代になったのだ。

 ところが日本政府にはまじめに取り組む姿勢がまるでない。諫早湾の堤防裁判で「国側は『堤防の閉めきりと漁業被害の関係は明らかではない』などとして全面的に争っていました」が裁判では「国が環境の悪化と関連性があるかどうかを調査しないのは、原告側の立証を妨害していると言っても言い過ぎではない」とまで指摘された(NHK前同)。

 昨日3日、同裁判の原告・弁護団が控訴を断念するように要請するため若林正俊農水相に面会を求めたが同農水相は当初「『多忙』を理由に漁民らとの面談を拒否」したのだという(「しんぶん赤旗」7/4=共産党HP)。

 朝日新聞コラムはこういう政治家を「死に神」と表現すべきだったのだ。

 漁民たちは「『有明海のいのち、漁民のいのちがかかっている』」「四人の有明海沿岸の漁民が、漁業被害で自殺者も出ている」と訴えたそうだ(「赤旗」前同)。

 農水省の立場は今さら責任を認めるなんてことができるかということだろう。すでに巨額の税金をつぎ込んでいる。ゼネコンの中には大きな利益にあずかったところがあったろう。またその中からは「政治資金」と称して歴代の政治家に“分け前”が流れているだろう。それを今さら効果がなかった、それどころか逆に被害が出たなんて認められるかということだろう。

 しかしこのような政府の行為をこのまま許していたら事は「有明海のいのち、漁民のいのち」だけでは済まない時代が来るだろう。

 このような政治家こそが「死に神」ではなかったのか。(2008/7/4/No.41)

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(訂正)
(2008/6/27/No.39)で「登録スタッフ2,959,935人(いずれも5月末現在=同社HP)の就職問題が重要問題となるだろう」とありますが、これはあくまでも登録している人数で、グッドウィルから常時派遣されている人数は7,000人ほどとのこと。訂正します。

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世界経済に暗雲、市場万能論者にこの先どんな方策があるというのか

 終わってみれば早いもので2008年も半分が過ぎ上期から下期へと移ろうとしている。そうした時期、世界の経済・日本の経済、そして私たちの暮らしにはなにやら暗い影が立ち込めている。

 日本のガソリン価格は180円台に突入した。そのほか値上がりが目白押し。アメリカのガソリン価格(レギュラー)も1ガロン4.095ドル(1リットル約115円)となり、2週ぶりの値上がりで、過去最高値を更新した(7/1/NIKKEI NET)。

 この日発表された日銀の6月の企業短期経済観測調査(短観)、「企業の景況感を示す景況判断指数(DI)は大企業製造業でプラス五と、3月の前回調査から6ポイント低下」「原油などエネルギー・原材料価格の高騰が響き、3四半期連続で悪化」「製造業のDIは、2003年9月調査以来、4年9カ月ぶりの低水準」(前同)。

 一日単位で何らかの経済情勢を反映する株価、日本の日経平均株価は今日で9営業日続落。日本に影響が絶大なニューヨーク株価(ダウ平均)は「6月の前月末比下落幅は1288ドル31セントと史上2番目の大きさに達した」(前同)。

 現在の資本主義経済を新自由主義というのだそうだ。その根幹は市場万能論。規制を緩和することによって何でも民営化して政府や地方公共団体はほとんど口をはさまずに、とにかく市場の動きに任せることが世の中うまく動かす方法だというもの。

 確かに市場万能論は経済成長という面では世界中に大きな成果をもたらした。しかしそのほとんどすべてはバブルのおかげ。アメリカはITバブルの崩壊に続いて住宅バブルの崩壊。中国もバブル崩壊回避にやっきだ。

 経済が減速する中でカネ持ち連中だけに限らず政府系ファンドとか年金基金だとかも巻き込んで投資(投機)に熱中。結果世界中のあらゆるものの値段が上がってインフレ懸念。 この7月、洞爺湖でサミットが行われる。当然世界経済の停滞とインフレも話題となるだろう。しかし市場万能論を維持したままの方策に何が出てくるか。おそらくこれといった効果ある方策は出てこないのではないか。(2008/7/4/No.40/一部訂正)

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グッドウィル(日雇い派遣事業)の廃業で政治とは何かを考える

 日雇い派遣大手のグッドウィル(東京・港)が7月末をメドに廃業するとのこと(6/25/NIKKEI NET)。二重派遣等違法行為を繰り返したあげくのことだ。グッドウィル・グループとしては1995年の設立以来13年目。グッドウィル単体としては2004年の設立以来(いずれも同社HP)わずか4年目の出来事。今後、登録顧客(企業)70,762社はどうでもいいとして、登録スタッフ2,959,935人(いずれも5月末現在=同社HP)の就職問題が重要問題となるだろう。

 グッドウィルのような会社が存在できたのは政治のおかげだ。昔は派遣会社なんてものはなかった。それがあるとき誰かの要求と発案があって、その立場でものを考え、その立場を代表する政治勢力の動きで法律の改定となりこの世に誕生した。

 雇い入れる企業の側の要求であったことは疑いない。労働者を常時雇用しておく必要がない。必要なときだけ必要な人材を集めればよい。

 しかし初めは働く側の要求とも合致するといふれこみでスタートした。通訳等の特殊技能の持ち主が自分をより高く評価してくれる企業を選んで働くことができるというように。フリーターの魅力も吹聴された。

 しかしこの制度は企業にとってこの上もなく魅力ある制度だったのでどんどん拡大した。バブル崩壊後の「失われた10年」の中で企業に活力を与える、また新しい産業・企業を興して社会に活力を与えるという論理がまかり通る時代でもあった。

 しかし結局この制度は企業側にはおおいに魅力ある制度ではあったが働く側にはほとんど魅力のないものとなった。企業側の論理が政治を動かし続けた時代だった。

 その局面を変えるきっかけになったのも政治の力だった。かろうじて残っていた労働者保護の法律だった。それを武器にした政治勢力の動きで局面が少しづつ変わってきた。

 もしこの政治勢力の動きがなかったらグッドウィルが廃業することはなかったかもしれない。規制緩和の拡大で今は違法でも緩和後は合法になっていたかもしれないからだ。

 この一連の流れの中で考えると、結局政治というのはどういう立場でものを考え、どういう立場の人を代表するか、その勢力の力関係だということではないかと思う。

 よく地域の利益誘導ばかりを考えて国全体のことをまるで考えていないという批判があるが、これは長い目で見たときに本当の利益とは何かが見えないで、目先の利益にばかりとらわれているからだろう。

 いずれにしても小泉純一郎元首相のような“英雄”が登場して最大時90%以上の国民の期待と支持を背負って何もかも解決してくれる、政治とはそんなうまい話の世界ではないだろう。

 むかし「階級闘争」ということばがあった。今さらそのことばが復活するとも思わないが、その政治勢力がどういう立場でものを考え、どういう立場の人を代表しているのかを見極めて行動することが今後の日本の政治情勢を大きく左右するのではないかと思う。(2008/6/27/No.39)

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今や食料危機、政府もマスメディアも手のひらを返したように

 アメリカの穀倉地帯である中西部が豪雨や洪水の被害に見舞われているのだという。トウモロコシや大豆の生産量が全米一のアイオワ州では、州内の8割強の郡が被災地の認定を受けているのだという。このため食料高騰に拍車がかかる可能性もあるのだという(6/22/NIKKEI NET)。 

 世の中あっという間に変わってしまった感がある。つい最近までは世の中グルメの時代だった。それが今や多くの食料輸出国が自国の都合で食料輸出規制に乗り出した。その上に気象条件での被害だ。新聞・テレビでもこの種のニュース、特集が相次いでいる。

 そうした世界情勢の中でわが日本、主食の米を減反して生産制限しながら輸入しているのだという。

 戦後の日本は自動車等の工業製品を輸出することによって大きな経済成長を成し遂げてきた。しかし永久に“一人勝ち”というわけにはいかない。工業製品を輸出するならその代わり農業製品を輸入しろとの要求が強まってきた。

 しかし「日本は国内農家の保護のため、コメに778%という異例に高い関税をかけ、海外のコメの輸入を阻んで」きた(6/2/1:47/読売新聞社説=同HP)。そのため「WTOはこの高関税を認める代わりに、一定量のコメを輸入し、国内で消費する機会をつくるよう日本に義務づけた」(前同)のだという。

 その輸入した米が消費されないで余っているので食料不足国に放出措置をとるのだという。

 もし日本が「異例に高い関税」をかけることなく外国の安い米に全面依存し、国内の米生産を救いがたいほど衰退させていたら今ごろどうなっていたのだろう。なんとか米を売ってくれと、輸出国に頭を下げて回っているのだろうか。
 
 そうした中、町村官房長官は、「世界的な食糧価格の高騰の問題に対応するためにもコメの『減反政策』を見直す必要があるという考えをあらためて示し」た(6/2/14:29/NHK HP)。米なんてものは工業製品の輸出に邪魔でしかない。稼いだカネでいくらでも安い米が買えるという政策を続けてきたあげくの転換だ。

 こうした政策は多くのマスメディアも後押ししてきた。工業製品を輸出し、米には高い関税をかけて保護する、では世界から孤立する、と。

 しかし今や情勢は一変した。「農産物に関するWTOのルールは、食料輸出国による輸出拡大策の色合いが濃い。世界的に食料不足が起きるケースなどは想定していない」「日本に対する外国米の輸入義務を中止したり、輸出国による一方的な輸出制限を許さないなど、WTOも自ら、新たなルール作りを考えるべき状況になっているのではないか」(読売前同)。

 手のひらを返すというのはこういうことを言うのではないか。
 
 人間のからだの健康を維持・増進するためにはバランスの良い食事が第一、というのは今や常識。国の“健康”だってバランスのとれた産業の発展が第一ではないのか。それを特定の産業だけが発展、儲かればよいと。そのほかの産業は犠牲になってもいいと。そのために政府もマスメディアも誘導する。その結果の手のひら返しである。(2008/5/24/No.38)

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原油価格を下げるということはアメリカが破産するということ???自転車操業、止まれば倒れる巨大帝国。

 原油価格の高騰が続いている。日本のガソリン価格の全国平均は170円台に突入し、180円台も視野に入ってきたと言われている。
  
 影響はガソリンにとどまらない。「漁船の燃料価格の高騰を受けて、18日から2日間、全国の小型イカ釣り漁船が一斉に漁を休」む事態になっている(6/18/21:36/NHK HP)。

 まさかこの先いかが食べられなくなるということはないだろうが間違いなく値段は上がるだろう。あれも値上げ、これも値上げの連鎖が続く。

 世界の原油相場をリードしてその“震源地”となっているアメリカ。そのアメリカでも全米平均のガソリン小売価格(レギュラー)が1ガロン4.082ドル(1リットル約117円)となり、12週連続で最高値を更新しているそうだ(6/17/NIKKEI NET)。

 アメリカは車社会。国内移動にも航空機が欠かせない国。さぞかしその影響は大きいだろうと思う。だったらどうにかすればいいのに、と思う。しかし膨大な借金国アメリカにそれができない事情があるようだ。

 アメリカのことし第1四半期の経常収支の赤字額は1764億ドル(前期比5.5%増)。大半が貿易赤字。ところが一方で「海外からの投資が8%増え」たり「外国政府によるアメリカ国債の購入がほぼ倍増し」たりで、資本収支の方は1243億ドルの黒字。「アメリカでは、膨大な経常赤字の大半を海外からの資金で穴埋めする状況が続いています」というのがその実情(6/18/7:6分/NHK HP)。

 今やアメリカという国は投資を呼び込まなければどうにもならない国なのだ。 原油価格の高騰も食料品の高騰も原料の高騰もそこにうまみがあったらすかさず投機資金が入ってきて暗躍する。そういう国でなければならないのだ。

 アメリカの最大の貿易赤字国は中国。人民元切り上げの圧力が続いている。しかしそれでも解決しないという見方がある。日本も同様だが先を行くアメリカでも“安い”中国への進出が激しい。極端な言い方をすればアメリカ国内の生活必需品をまかなうだけの生産設備は今のアメリカ国内にはない。どの道輸入に頼るしかない。むしろ人民元が高くなる(ドルが安くなる)分国内の物価が上がるだけだ。という論だ。

 アメリカの貿易赤字はそう簡単には解消しないようだ。ということは投資の国アメリカがまだまだ必要ということだ。そしてそのことがみずからの巨大帝国の首もしめていく。(08/6/20/No.37)

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岩手・宮城内陸地震、地球は巨大な生き物だということを政治の中心に据えろという警鐘ととらえたい。

 14日に起きた岩手・宮城内陸地震は死者10人に達し、行方不明者の捜索が続いている。一刻も早く救出されることを願うのみだ。また被災者の生活再建の早いことを望む。

 日本国民にとっては同じアジアで起きたミャンマーのサイクロン被害、中国四川の大地震被害に対して募金等の救援活動に取り組んでいる矢先のことだった。こんなに矢つぎ早に起きるとは夢にも思わなかった。

 ところで14日の土曜日というのはもしこの地震がなかったら別のニュースが頻繁に茶の間に流れていたような気がする。東京メトロ副都心線の開業だ。東京の池袋、新宿、渋谷の3大繁華街をつなぎ、渋谷―和光市(埼玉県)間20.2キロを最短25分で結ぶ。「始発はファンですし詰め 」だったそうだ (6/14/NIKKEI NET)。

 新宿の伊勢丹や高島屋とつながるためデパートの客争奪戦が活発になるとも言われている。おそらくこの日も初めから買い物目当ての人、いい物があったら買いたいねという人、おカネがあったらいいねという人、それぞれの立場で笑顔が広がっていたことだろう。4年後には渋谷で東急東横線とつながり、横浜方面と埼玉方面が乗り換えなしで移動できるようになる。経済発展による夢の広がりを感じさせる一日となったのだろうと思う。当面、東京地方には大地震は起きないという前提のもとに。

 地震はその日に起きた。人間社会の営みを一瞬にして破壊した。地球は巨大な生き物だ。人間はそのことを忘れているだけだ。日常的には関係ないので。しかし「国家100年の大計」ということばもある。政治家たるもの目先の利益にばかりとらわれてないで常にそのことを政治の中心に据えろという警鐘ととらえるべきではないだろうか。(2008/6/17/No.36)

 

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日雇い派遣原則禁止へ。だれの要求かをすりかえて労働者を“食い物”にしてきた果てに。

 舛添要一厚労相が「日雇い派遣はかなり厳しい形で見直すべきだ」と語り、通訳のような専門的職種を除いて原則禁止したいとの考えを表明したとのこと(6/14/NIKKEI NET)。

 これまで日雇い派遣の制度が維持されてきた理由の一つとして国民の中に多様な労働形態を選択したいというニーズがあると盛んに宣伝されてきた。

 しかしそれは今回 舛添要一厚労相がいみじくも発言しているように「通訳のような専門的職種」の人たちが自分の技術を高く“買って”くれる所を選びたいというような要求だった。それはFA宣言したプロ野球選手と同じような要求だ。

 また一昔前には労働に束縛されたくないという理由でフリーター等を志望する人もいた。

 さらに正規の労働についている人が何らかの理由で土曜・日曜だけアルバイトをしたいとか、家庭の主婦が急に空いた時間だけ働いて収入を得たいとか、追加的な収入を得るには便利な制度だというものであった。 それらのことをもって国民の中に必要とするニーズがあると宣伝された。 

 しかし今や日雇い派遣の中心は主要な生活のための一般労働となっている。追加的な労働のためならともかく主要な労働のためにこんな制度を歓迎する労働者がいるだろうか。

 派遣労働者というのは派遣元企業からの見積もりに従って派遣先企業が“買い上げる”。正規社員のように労働基準法や労働協約、就業規則で定められた規定を自社の責任で適用する必要はない。当然給料は安い。そしてさらに派遣元企業のピンハネがある。それはまさしく既存企業及び派遣企業というあらたな儲け先の必要性にそって誕生・拡大してきたものだ。

 そしてそれは「民間の自由な経済活動を阻害する規制を撤廃します」(「骨太の方針」01年版)として政府に後押しされてきた。

 日本政府は国民の中に必要とするニーズがあるとすりかえて企業のニーズを後押しし、一定の労働者を“食い物”にしてきた。そして「負け組み」との烙印を押して物言わぬ存在にしてきた。しかし“食い物”政治の行き詰まりでついに見直しを余儀なくされた。(2008/6/15/No.35)

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みんなの問題だからみんなの責任で最も責任ある者がほくそえむ構図

 今地球温暖化が世界的な問題になっている。

 この温暖化問題での最大の対立点は責任ある国が責任を果たせという立場と今さらそういう問題ではない。みんなの問題だからみんなで責任を持つべきという立場。

 発展途上国にしてみれば先進国が温暖化ガスを発生させ豊かな生活を享受してきて、今自分たちがやっと近づくことができそうになってきたときに一緒に責任を取れというのは身勝手という言い分だろう。

 その国内版ともいえる問題。政府の地球温暖化問題に関する懇談会(座長・奥田碩内閣特別顧問)が「温暖化ガスの削減に向けた投資や技術開発にかかる費用を」「『産業界のみが負担するのではなく、広く国民レベルでも応分に負担する制度設計を考慮すべきだ』」と提言する方向であることが明らかになったとのこと(6/13/NIKKEI NET)。

 当然のことながら温暖化ガスを大量に発生するのは工場を中心とした産業界。責任の多いものが負担も多いのは当然と思うのだがここでもみんなの問題だからみんなで負担をの論理。ちなみに座長の奥田碩内閣特別顧問とは前のトヨタ自動車会長で経団連の前会長。
 
 温暖化とは少し離れるが、最近消費税の値上げが議論されている。高齢化社会の社会保障費を工面する上でみんなで消費するのだから一番公平だ、と。
 しかし消費税というのは消費しなければ税金はかからない。どんなに大金持ちでも消費しないでため込んでいる資産には税金がかからない。これが公平といえるのか。

 地球温暖化はみんなの問題であることは間違いない。しかしこのみんなの問題という怪しげなる論理には巧妙なる責任逃れが画策されていると思うんだがどうだろうか。(2008/6/13/No.34)

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経済産業省次官が怒って見せるほど深刻化してきたマネーゲーム

 経済産業省の事務次官が「天井知らずの原油高騰」に関して怒っている。「米機関投資家のゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーが」「『片方で投資をしておいて』原油高は今後も続くと『有利な情報を流す』」。その結果原油が高騰したというわけだ(06/09-18:06 時事通信 HP)。

 「何でも、もうければいいというマネー経済」と指摘した上で「『どんなことがあってもファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は60ドルだと言い続ける』と強調した」そうだ(時事、前同)。

 ニューヨークの原油市場では一時1バレル140ドル目前まで上昇。それが80ドル近く水増しされていると主張しているのだから驚きだ。

 この経済産業省の次官がどのような役職をたどってきたのかは知らないが、この人にそんな“善人づら”をする資格はない。なぜなら「何でも、もうければいいというマネー経済」は彼の在任中の自民党政府の中心的政策であるからだ。そしてそれはアメリカをお手本としてきたものだからだ。 

 「経済社会の活性化のために」「努力した人が夢と希望をもてる社会」と称して「民間の自由な経済活動を阻害する規制を撤廃します」(「骨太の方針」01年版)。としてきたのだ。
 
 政府がそういう政策をとればカネと力を持つ大企業がやりたい放題のことをするのは当然ではないか。経済産業省の次官殿、怒って見せるなら主管官庁の次官としてこの基本政策の転換を打ち出して見せたらどうか。(2008/6/10/No.33)

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福田首相、後ろ向きと下心外交でまた日本が世界から見放される

 福田首相がドイツ・イギリス・イタリア3か国訪問に旅立ったようだ。「サミットの成功に向けた協力を求めたい」( 6/1/5:15/NHK HP)ということらしい。
 
 しかしこのところの日本外交はまるで世界の動向とかみ合っていない。アイルランドで開かれていた国際会議でおよそ110か国が賛同して「各国が保有するほとんどのクラスター爆弾を禁止する初めての条約が、全会一致で採択された」(5/30/22:35/ NHK HP)が、日本はこの会議で当初例外規定を拡大するように主張していた。「保有する4種類のクラスター爆弾すべてが条約で禁止の対象になる」(前同)ため、なんとか骨抜きにしたかったのだろう。しかし100カ国を超える世界の国々から相手にされずしぶしぶ??賛成した。だいたい自衛のための自衛隊がこんな残虐兵器を所有してどこで使うというのか。
 
 その前は地球温暖化問題での主要8カ国環境相会合。日本は国別総量(規制)目標を明確にせず「セクター(産業部門)別アプローチ」とやらを主張した。しかし結局「国別総量目標の代わりにはならない」と退けられたようだ。
 
 そして中国の地震に対する援助要請があったとき中国当局が自衛隊機の乗り入れも容認するというような発言があったとき、段取り良く自衛隊機の派遣を準備して結局取りやめになった。
 
 残虐兵器はなくしたくない。経済成長を押さえる国別規制目標は持ちたくない。自衛隊機を海外、なかんずく中国に飛ばしてみたい。ことごとく後ろ向きで下心に満ちたところから出発する日本外交。日本がどんどん世界から見放されていく。(2008/6/2/No.29)

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(訂正〉昨日付No.28で「体制奉還」とあるのは「大政奉還」の誤りでした。

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予見を超えて時代が進む時、NHK 大河ドラマ「篤姫」を見る。

 「篤姫」6/1放送分を見た。薩摩の島津斉彬らが14代将軍ともくろむ一橋慶喜と面会する場面があった。このとき斉彬に登用された西郷吉之助が同席していたが庭先で控える身分だった。時は1857年(のはず)。大久保正助にいたってはまだ薩摩の分家(のはず)の下級武士のままでいる。

 ドラマを見ている限りではこの時点で「篤姫」の夫君、13代将軍家定は徳川幕府はもうもたないと予見していたようだがそれを信じるものはまだ少ない。

 15代将軍徳川(一橋)慶喜が体制奉還して西郷吉之助や大久保正助などが歴史の中心となって現われるのはこれより10年後の1867年。この歴史の急速な進行、西郷や大久保は自分自身の10年後の変わりようをはたして予見していたのだろうか。(2008/6/1/No.28)

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小泉元首相への“幻想”はまだ十分有効だということなのだろうか。いくつかの“争点”を問う。その2

 昨日付けNo.26に続いて第2の“争点”は

 郵政民営化、郵貯、簡保の“お宝”の「塩漬け」からの解放は日本を本当にばら色に救うのか??だ。

 郵政民営化の目的はいろいろあったと思う。しかしその最大の眼目は郵便貯金、簡易保険で300兆円とも400兆円とも言われている“お宝”が「塩漬けされている」ために市中に流れない。そこで民営化して市中に流して活用しようというものだった。しかし今その構想が幻想と化しているのではないだろうか。

 何かと日本の“お手本”となるアメリカはどうか。

 アメリカは住宅市場の活況で沸いていた。減税という財政政策、低金利という金融政策、そして世界中から集まる投資をバックとして。

 銀行はローンによる直接的な利益のほかに派生する証券・債権でも利益を上げていた。住宅の値上がり部分に対してさらにローンを用意した。住宅所有者はそのローンで車を買い、家電製品を買い、旅行を楽しみ、世界中のグルメを楽しんだ。

 その旺盛な消費社会は企業の業績を高め株価も上昇した。それがまた莫大な利益をもたらしさらに消費も拡大した。すべてはキャピタルゲイン(値上がり益)の好循環だった。

 ところが落とし穴があった。物が値上がりを続けるためには売れ続けていなければならない。売れてもいないのに値上がりはない。しかし転売目的の売買(いわゆる転がし)だけではバブルの崩壊を招く。日本という実例がある。そこでどうしても対象を広げて売り続けなければならない。本来なら住宅購入には慎重であるべき階層にも対象を広げた。始めは利息が安く、のちにリスクに合わせた高金利。でもその時は住宅が値上がりしているから心配ないよ、と。

 アメリカは今現象としては景気減速だとか後退だとかとか言われている。しかしより根本的にはその手法が壊れた。無限の販路の拡大による値上がり益という手法の回復なくして現状への復帰はないだろう。

 ひるがえって日本。郵貯・簡保の“お宝”をどこに流そうというのだろうか。地球温暖化防止のための技術革新、食料増産のための技術革新、など、などなど。

 しかし“お手本”であるアメリカで行き詰った手法の後を日本が追えるのか、と思う。(2008/5/25/No.27)

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小泉元首相への“幻想”はまだ十分有効だということなのだろうか。いくつかの“争点”を問う

 このところ小泉純一郎元首相の動きをニュースで見ることが良くある。22日夜は東京都目黒区内で講演し前回の衆院選で当選した「小泉チルドレン」の1人を応援している(5/23/NIKKEI NET)。
 翌23日夜には山梨県富士吉田市で、自民党元役員らと会談し、「来年の衆議院議員の任期ぎりぎりまで解散・総選挙は避けるべきだという考えを示し」たりしている(5/24/5:16/NHK HP)。
 
 小泉元内閣といえば2001年に発足し、一番高い時で90%以上の支持率を記録した調査もあったほどの歴史上まれにみる内閣だった。その小泉元首相が動きを活発化しているかに見える今、小泉元内閣の5年とな何だったのか、その“争点”と私見とを書いてみたいと思う。

 まず第一は誕生の経過である。「自民党をぶっこわす」との“名ぜりふ”をどう解釈すべきなのかということだ。

 2001年当時、小泉元首相が自民党総裁選挙に立候補した時は下馬評でいえば第3位の候補だった。第1位は田中元首相の流れを組む橋本派の候補だった。常識的な闘いをしていたのでは勝ち目はない。そこで“非常識”な闘い方が必要だった。ある意味では選挙選上の作戦だった。

 「自民党をぶっこわす」ということばをいい方に解釈すれば今の自民党の派閥体制にがんじがらめにされていたら能力ある、特に若い人たちが、カネがない、実績ないでなかなか出てこれない。だから「自民党をぶっこわす」。そういう風に解釈もできる。でもこれは古い・新しいの使い分けはできるかも知れないが結局は多数派閥つくるということではないのか。

 「改革」を実行する。その大義名分で新党をつくっても衆議院の過半数を取る力量はない。それより自民党の過半数を制して「抵抗勢力」も含めて衆議院の過半数を制する。徹頭徹尾派閥政治ではないのか。

 最近の調査では民主党の支持率が自民党のそれを上回っているものもあるそうだ。今解散総選挙をやったら本当に「自民党をぶっこわす」かもしれない。そこで「一致結束して福田内閣を支えていこう」(NHK 前同)。ということでありその一方での「小泉チルドレン」の応援ではないのか。
 
 小泉首相というのは長いせりふをしゃべらないということで有名だった。理論的・論理的に訴えるというよりは感性に訴えるという手法で通した人だ。外国首脳--たとえばブッシュ大統領との会談でもネクタイ姿の公式会談姿よりラフな格好の非公式な交歓風景を盛んに売り込んできた人だ。

 国民的人気をつくりあげ、自らの政治的目的を実現するために自民党内において多数派を制する。それが「自民党をぶっこわす」ということではなかったのか。(2008/5/24/No.26)
 

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希望をつなげるために日々のニュースを追い続ける。

 毎日これでもかというほどニュースがある。今最大のニュースといえばやはり中国四川の大地震だろう。その少し前はミャンマーのサイクロン災害だった。サイクロン災害だってまだまだ問題が山ほど山積している。その上に四川大地震の発生だ。

 そうした中で国内で起きた日本マクドナルドの「管理職であることを理由に残業代を払っていなかった店長ら二千数百人に、残業代を支払う新報酬制度を8月から導入すると発表」(5/20/NIKKEI NET)というニュースに注目したい。

 それまで「名ばかり管理職」という実態を知らなかった。君は管理職だからという名目だけ付けられ長時間残業しているのに労働基準法で定められた残業手当を支払われない。そんな理不尽な行為に訴えた人がいた。「東京地方裁判所は『店長には十分な権限や待遇はなく、管理職にあたらない』として、会社側に残業代の支払いを命じる判決を言い渡し」た(会社側は控訴中)(5/20/19:30/NHK HP)。

 だからなんだ、という気がしないでもない。「日本最大の外食チェーンである日本マクドナルドが、管理職の店長に残業代を支給する制度の導入を決めたことで、外食産業やコンビニなど、ほかの企業でも管理職の報酬制度を見直す動きが広がりそうです」(NHK 前同)。 しかし関連業界はともかく異業種の自分に何が起こるのか、何も起こらないだろう。しかもこの件は裁判に訴えて闘った人がいたからこういう進展があったのであり闘いもしないで変化だけを求めるのは虫が良すぎるも思う。

 ただ今の時代にはただ居続けるだけでつらい職場もある。もうやめてしまいたい、という人からこんなことなら死んだ方がましだと思っている人もいるかもしれない。

 しかし何もできなくてもとにかく踏ん張って今日一日を送り続ければいつか良いこともあるかもしれない。少なくとも広い世間では明るい灯がともし始めた所もある。 いつか希望の持てる日が来ることを信じて世の中の動きを追い続ける。(2008/5/21/No.25)

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資本主義を絶対視していたのに資本主義がわからなくなったと??

 昨日付けNo.23でも触れたテレビ朝日「サンデープロジェクト」の『資本主義は限界か?」(18日放送)。を“読んだ”。放送元のテレビ朝日のホームページにはその内容が載ってないみたいなので出演側の共産党のホームページで見た。

 一読して思ったことは明らかに時代が変わりつつあるということだ。番組では共産党の委員長を招いて資本主義にかかわる諸問題をどうなんだ?と聞いている。

 7年前の2001年、「構造改革」=「新しい成長産業・商品が不断に登場する経済の絶え間ない動きを(略)通して、効率性の低い部門から効率性や社会的ニーズの高い成長部門へヒトと資源を移動します。これが経済成長の源泉です」(「骨太の方針」=経済財政諮問会議) 。が発表されてからは 「改革」「改革」とほぼ一辺倒で突き進んできた。この線にそって「改革」すれば「失われた10年」から日本は再生し、国民生活も豊かになるとこの番組でも繰り返し強調されてきたはずだ。

 それが今どうなっているんだ?。これからどうなると考えているんだ?と共産党委員長に。

 それはそうだろう。アメリカのサブプライムローンにかかわる各種証券も「新しい成長産業・商品」のはずであった。それが今アメリカを揺るがしている。波及して世界を揺るがしている。

 「大洪水よ、わが亡きあとに来たれ!これがすべての資本のスローガンである」(マルクス「資本論から」)。

 資本とは後で大洪水が来ようと自分から今の行動を規制することはない。だから社会によって強制されなければならない。という意味だそうだ。わりと面白いのでご一読を。(2008/5/19/No.24)

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「おい地獄さ行ぐんだで!」(小林多喜二著「蟹工船」)を時代を揺るがす合言葉に!!

 昨日付No.22で小林多喜二の「蟹工船」報道のことを書いた。「すでに例年の5倍を超す2万7000部を増刷」(毎日新聞/5/14/東京夕刊=同HP)。それで大手の新聞のほとんどがなんらかの特集記事を掲載した。あさのあつこ著「バッテリー」が800万部とも1,000万部とも。その規模に比べたら比べものにならない。それでなぜこぞって特集記事なのだとあらためて思う。

 それは増えて欲しくない本、あるいは増えるはずがない本だからではないか。資本主義社会の中に「地獄」の労働現場があることを告発し自らの立場を確立するためにストライキに立ち上がる。そんな内容の本が今の時代に増える。なぜだ??。このまま増えたらどういうことになるのだ。ひょっとして時代を揺るがすことになるのではないか。そういう驚きと恐れがあるのではないか。

 都合で見ることはできなかったが、今日、テレビ朝日の「サンデープロジェクト」という番組で日本共産党の志位和夫委員長を迎えて「資本主義は限界か?」というコーナーを放映する(はず)。資本主義が限界??。それを今、当面するの問題として考える人がどのくらいいるというのだろうか。なのにこんな番組が。

 資本主義の地球規模の発展で地球は温暖化、とんでもないことになるかもしれない。アメリカの住宅バブルは崩壊。中国もバブル崩壊回避に懸命だ。原油・ガソリン、鉄鉱などの原材料はうなぎのぼり。食料も高騰。そうした中での「地獄」の労働。そうした中での79年前に発表されたプロレタリア文学への注目。ひょっとしたらという恐れがあることは間違いないのでは。

 とりあえず「地獄さ行ぐんだで!」と開き直ろう。今日も「地獄」だと頭を垂れているより気分的に違う。しかし人間開き直りだけでいつまでも続くものではない。次は「おい地獄さ行ぐんだで!」の合言葉で響きあう仲間を見つけよう。人間、数は少なくても通じ合う居場所があれば結構やっていける。そしていつの日か時代を揺るがす動きとしよう。(2008/5/18/No.23)

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「蟹工船」報道、マスメディアは資本主義のほころびに危機感を募らせてきているのではないか。

 昨日付けNo.21で「小林多喜二(1903~33年)の『蟹工船(かにこうせん)・党生活者』(新潮文庫)が」「すでに例年の5倍を超す2万7000部を増刷し」「関係者の注目を集めている」(毎日新聞/5/14/東京夕刊=同HP)ことに対して、そうなんだ、という驚きを感じたと書いた。今の世代に読まれているということは今の時代に共感するものがあるということか、とも書いた。
 
 そこで何十年ぶりかで「蟹工船」のページを開いてみた。「『おい地獄さ行ぐんだで!』」の書き出し。そうなのかと思った。全文を読まなくてもこの書き出しを読んだだけで共感を感じるものが現代にはあると思った。それを自嘲気味にいう人、心底そう思いながらいう人。人それぞれ個人差はあるだろう。しかし「地獄さ行ぐんだで」の思いを胸に毎日働き場所に行く人たちが確かにいるのだ。理不尽な賃金水準。小銭を数えながらの日々の生活設計。街行く人がみんな豊かに見えたりする。その小銭が切れてなを働き場所に赴く毎日という人もいるだろう。反発できないであろう事を予期した上での人使い。長時間あるいは過密労働による疲労。その疲労が抜け切らないうちのあらたな疲労。一触即発の精神状態を必死に抑える忍耐とその苦痛。そしていつまで続くか先が見えない絶望感。やめてしまえるものならやめてしまいたい毎日。それはまさに「地獄さ行く」毎日なのだ。今の時期、この「蟹工船」が読まれて不思議ではない現実が確かにある。

 ところでこの「蟹工船」問題。聞くところによると毎日新聞だけでなくほとんどの大新聞がこぞって報道したとのこと。そのことにも驚いた。形は現代の社会問題の一断面をえぐるというかたちになっているようだが実は違うような気がする。

 昨日付けNo.21でも書いたように小林多喜二は日本共産党員だった。新潮文庫に併設されている「党生活者」をどの程度の人が読んでいるのかは知らないが「党生活者」とは「(日本共産)党生活者」だ。

 日本共産党はその方法論はともかくとして資本主義の先の社会主義・共産主義を展望している政党だ。その実現の過程には“革命的現象”も必要になることもあるだろう。その政党の党員だった作家の古典的名作が今若者を中心にためらいもなく受け入れられていく。たとえ数は数万でも。おそらくそのことへの驚きがあるのだと思う。それはおそらく新自由主義と呼ばれる何でもありの現代資本主義がこのまま突き進めばほころびが広がりやがて崩壊の危機に直面するのではないかという恐れをいだいているということではないのだろうか。(2008/5/17/No.22)

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資本主義は再び変動するのか。「プロレタリア文学:名作『蟹工船』異例の売れ行き」に驚きを感じた。

 「小林多喜二(1903~33年)の『蟹工船(かにこうせん)・党生活者』(新潮文庫)が」「すでに例年の5倍を超す2万7000部を増刷し」「関係者の注目を集めている」のだそうだ(毎日新聞/5/14/東京夕刊=同HP)。
 
 そうなんだ、という驚きを感じた。若い時に読んだという記憶があるがあまり印象には残っていない。もともとは1929年の発表だそうで太平洋戦争終戦の16年前。昭和初期の作品だ。労働者の劣悪で過酷な労働は“古典の領域”という感じで少なくともそのときはあまりピンとはこなかったような気がする。それが今の世代に読まれているということは今の時代に共感するものがあるということか。当ブログの筆者もけっして恵まれた条件で働いている者ではない。今あらためて読めば昔と違った共感を得るのかなと思ったりする。

 『蟹工船(かにこうせん)・党生活者』(新潮文庫)とあるがこの『党』とは日本共産党のことである。小林多喜二は日本共産党員だった。『党生活者』の中に--雨の日は傘がさせるので助かる--みたいな記述があったような記憶がある。理由は傘をさせば顔が隠せるから。非合法とされ常に官憲にねらわれながらの生活にそこまで駆り立てるのは何なのだろうかと思った記憶がある。

 最近になってマルクスがちょっとしたブームになっているという記事を何かで読んだことがあるような気がする。資本主義を研究して「資本論」という膨大な研究書物を著した。資本主義が労働者階級をつくり出しその搾取された労働者階級が革命の原動力となるとしたマルクス。彼の出現以来の動きで何でもありの資本主義は修正を余儀なくされた。

 今、新自由主義という名の何でもありの原始的資本主義の復活の中でマルクスの研究と実践を最も信望する共産党。その党員であった小林多喜二の作品がちょっとしたブームに。この動き、単なる一時的なブームに終わるのかそれとも資本主義のあらたな変動に結びつく大きな流れに発展するのか注目される現象ではある。
 
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(訂正)前回No.20でミャンマーに関する記述の中で「サイクロンは毎年やってくる。過去に何回も水害に合っている。住民は忘れる暇もないだろう。最悪の人災だ」とあるのは正確な記述ではなかったようです。その後のニュースによると他の沿岸諸国と違ってミャンマーにはほとんどサイクロンは襲来したことがなかったのこと。従って過去の問題については不正確な記述ということで削除という扱いにしたいと思います。(2008/5/16/No.21)

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「天災は忘れたころにやってくる」。人災は忘れているとやってくる。記憶にとどめておく事を肝に銘じておかないと。

 ミャンマーのサイクロンの被害者の救援がままならないうちに今度は中国四川省で大きな地震。
 ミャンマーの軍事政権は、これまでに3万1900人余りが死亡し、さらに3万人近くが行方不明と発表している。(5/13/18:23/NHK HP)。一方中国政府はこれまでに死者が1万1921人に上っていることを発表している(5/13/19:33/NHK HP)。

 「天災は忘れたころにやってくる」と言うが中国ではどうだったのだろうか。もともと地震の多い所とニュースで聞いた。
 大規模地震というのは年がら年中やってくるわけではない。地震対策は経済効率を優先する中で省かれがちなコストだ。経済成長著しい中国ではどうだったのだろうか。それとも政治・経済の手がいまだ波及していなところだったのだろうか。

 一方、ミャンマーの方は明らかに違う。サイクロンは毎年やってくる。過去に何回も水害に合っている。住民は忘れる暇もないだろう。最悪の人災だ。もともとあまり豊かでないところへもってきて最悪の軍事政権。これだけの被害のなか、議会の一定割合を軍人で占めるための新憲法案の国民投票を強行した。被災者の救援より自らの体制固め優先だ。そんな国内を見せたくないのだろう。救援物資は受け入れても人的支援は受け入れない。

 そして東京では、こちらは政治の世界で数の横暴という“人災”起きている。自民・公明の与党は 「ガソリン税などの税収を今後10年間、道路整備に充てるとした道路財源特例法」を「与党側によって3分の2以上の多数で再可決」した(5/13/18:23/NHK HP)。福田康夫首相は09年度から道路特定財源の全額一般財源化を表明している。なのに何で今後10年間なんだと、普通に考えればどうにも理解できない。

 今の衆議院議員というのは3年前(05年)の「郵政民営化」をほとんど唯一の争点とした選挙で選ばれた人たちだ。国民は全面支持をした人ばかりではないだろう。しかし当選してしまえば当時の事なんか関係ない。結果的に支持を得た3分の2以上の議席だ。

 さらに今後はといえば、福田首相は当分衆議院を解散しそうにない。それはそうだろう。衆議院の任期は来年9月までまだ1年4ヶ月もある。1年4ヶ月もあれば数の横暴であれも通したこれも通したなんてみんな忘れてしまうかもしれない。何も減るとわかっていて今やる必要はない。

「天災は忘れたころにやってくる」。しかしその被害は多くの場合人災で拡大される。一つ一つの政治問題で日々記憶にとどめることを肝に銘じておかないと東京もいつかは大震災に見舞われる日が来る。(2008/5/13/No.20) 

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後期高齢者医療制度は“やっかい者”を排除して富みの集中を支援する政治の象徴なのだ。

 後期高齢者医療制度、とうとう“身内”からも厳しい批判が出てきたようだ。自民党の堀内元総務会長は福田総理大臣と会談し「この制度は国が率先して『うば捨て山』を作るようなものだ」と批判し「制度そのものの見直しを進めてもらいたい」と述べたそうだ(NHK HP5/10/21:45)。

 この制度は少子高齢化社会の中で今のままの医療制度を続けていけば現役世代も高齢者も共倒れになる。そこで高齢者を切り離すことによって現役世代の負担を楽にし、合わせて高齢者に自己負担してもらうことによって高齢者にもそれなりの医療を保障しようという言い分のものだと思う。

 しかし長年働き続けて最後は年金でそれなりの余生をという考え方にたてば、その年金から保険料を天引きされて自分の最後の健康は自分で保障しろと言われれば「年よりは(やっかい者だから)早く死ねと言うのか」という反発が出るのは当然だろう。 

 それでは現役世代の方はどうかと言えば、ここ数年“やっかい者”を排除するという政治の中にいて今もい続けるのではないだろうか。
 2001年発足した小泉内閣の「構造改革」、不良債権処理と称して融資さえあればまだまだ続けられる中小企業が切り捨てられてきた。規制緩和と称して街の商店街が衰退してきた。シャッター通りなどということばも生まれた。リストラが横行した。行き場を失った人たちが派遣等非正規雇用に追いやられた。ワーキングプアなどということばも生まれた。工業製品売り込みと引き換えに農産物輸入を増やし国内の食料生産を危機に追いやった。

 その一方で特に上場大企業は史上最高益を続けた。そして今、おそらくは日本の資金も流れ込んでいるだろう投機筋の暗躍でエネルギー、食料が高騰し、莫大な利益を手にする一方で世界中の人々が多かれ少なかれ苦しんでいる。ちなみに9日のニューヨーク原油市場で「投機的な買い注文が増え」時間外取引で一時、1バレル・126ドル27セントまで上昇した(5/10/8:2/ NHK HP)。

 後期高齢者医療制度は現役世代を助けるために「年寄りは早く死ね」という制度ではない。一部の者たちだけに富を集中させるために年寄りだろうが現役だろうが“やっかい者”“邪魔者”はすべて排除するという政治の象徴的存在なのだ。(2008/5/11/No.19) 

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中国、もう一つのカウントダウン

 北京オリンピックはチベット問題に揺れながらもカウントダウンを続けている。 しかし中国にはもう一つのカウントダウンがあるような気がする。

 少し前、上海の株価が急落した時、テレビニュース画面に「(中国政府は)オリンピックまでは大丈夫と言ったじゃない」と叫ぶ女性の姿が映し出された。「オリンピックまでは大丈夫」という意味のカウントダウンだ。

 今の中国は日本のいつか来た道を歩んでいるのだと思う。経済は2003年から5年連続2桁成長。その原動力は輸出と住宅等建設投資。その輸出では通貨切り上げ圧力にさらされている。北京では「開発予定地の住宅7棟が深夜、住民の寝ている間に掘削機などでめちゃめちゃに壊され」るという事件がおきたそうだ(07/5/22/ 7:58 NHK HP)。日本のバブル期にも「地上げ」と称するこの手の事件が新聞・テレビを賑わせた。オリンピックが開かれる北京は大気汚染が心配されている。急激な都市化は地方との格差を生み農村からの出稼ぎが常態化している。激しい物価上昇に見舞われている。日本のバブル期を知っている者にはどれも思い当ることばかりだ。

 アメリカの連邦準備制度理事会の前の議長だったグリーンスパン氏は昨年(07年)5月23日に行った講演の中で「中国株は『いずれ劇的な収縮が起きる』と懸念を表明」している(07/5/24/NIKKEI NET)。それから1年、今がその「劇的な収縮」なのかはわからないが「去年11月に最高値をつけた上海の株価は今年に入って、半値に暴落」(5/8/NHKクローズアップ現代=同HP)。「不動産価格の下落も始ま」っているのだという(前同)。

 中国は北京オリンピックを目指して各種競技施設、宿泊施設、道路、鉄道、空港、住宅等々、いろいろな整備を行っているだろう。日本もそうだった。それがオリンピックを期に一段落する。

 輸出の増加で国内にカネがだぶつきその対策もあって通貨人民元が値上がりしていて頼みの輸出競争力も落ちているとか。

 オリンピック後の中国、もしかしたら世界に騒動を起すかもしれない。(2008/5/9/No.18)

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高尾山、ミシュラン三ツ星とトンネル工事

 5月5日のNHKニュースだったか。東京高尾山に外国人の訪問者が増えているとあった。理由はミシュランのガイドで最高級の三ツ星に指定されたからだという。

 高尾山といえば表参道の樹林帯がなんともすごい。樹齢何百年になるのだろうか、一直線の幹が見上げるばかりにそびえ立っている。それ以外にもいくつかの遊歩道があり森林浴を満喫できる。ケーブル、リフト、舗装道もあり茶店等もあるのでお年寄りやデート気分の人まで十分に楽しめる。

 その高尾山にトンネルを掘って外環道を通す計画が進んでいて反対運動が起きている。高尾山の自然環境を破壊する恐れがあるからと。

 外環道建設の最大の目的は渋滞緩和。大義名分としては異論のないものだ。経済効率が増し、大気汚染が減り、地球温暖化にも貢献し、ドライバーのイライラが減って交通事故も減るかもしれない。その効果は計り知れない。

 しかし自然環境の微妙な変化でなにやら不気味な変調をきたしているとの報道も多い。少し前まではグルメブームで沸いていた日本、ここへ来て世界の食料価格高騰で自給率不足が命取りになりかねない情勢にもなってきた。わずか数年で世の中こんなに変わると思ってみたことがあるだろうか。

 もはや今をどうするかの議論だけではいけないのではないか。今年生まれた赤ちゃんはもしかしたら22世紀まで生きるかもしれない。遠い子孫の問題ではない。だいたいこの外環道、環状7号線、8号線と無秩序な膨張を後追いするようにつくられ、それがまた膨張を加速するといういたちごっこになっている。

 そもそも東京都内に人口的自然ではなく天然の自然を残す環境が少ないから貴重さが増してそれで三ツ星なのではないのか。

 それにしてもミシュランとはフランスのタイヤメーカーであるということを初めて知った。自動車産業と深く密着したタイヤメーカーの貴重な自然への三ツ星指定がなんと言ったらいいのかという気がする。(2008/5/7/No.16)

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まともな生活を目指して--国民の祝祭日をもっと実効あるものに

 ゴールデンウィークも後半あと二日。前半が始まる前、テレビの取材で「11連休です」と答えている人がいた。4/26(土)から5/6(火)まで全部休みということだろう。最高に恵まれている人ということか。

 次に恵まれている人は前半4連休、後半4連休ということか。しかし4/28(月)の通勤電車はいつもの半分ぐらいかと思っていたら少しはすいているかなという程度だった。大方の人は前半3日、後半4日以下ということだろうか。

 ゴールデンウィークなんて関係ない。仕事だよ。という人も多いだろう。でも新聞社とか放送局とか大手鉄道会社とか、労働組合の確立している所は年間休日の取り決めで代替休日が確立されているのだろう。

 問題は本当に関係のない人たちだ。飲食・小売などのサービス業。中小運輸など。国民の祝祭日の恩恵にあずかれない人はたくさんいるだろう。

 法的には基本的に週1日の休日があれば問題ない。日曜・祝祭日を休労日にする義務はない。しかし国民の祝祭日を享受できる人とできない人とがいるというのは趣旨に反するのではないか。

 国民の祝祭日は休労日と法定化し、サービス業等には代替休日を義務化するくらいの政策があってもいいのではないだろうか。(2008/5/4/No.15)

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ガソリン暫定税率復活、拒否戦術民主の偽善

 ガソリン税等の暫定税率が30日夕の衆院本会議で、与党の3分の2以上の賛成で再可決、成立した。 これによりガソリン1リットル当たり25.1円の暫定税率が1カ月ぶりに復活することになった(5月1日 東京新聞=同HP)。 

 民主、社民、国民新の野党三党は再可決に抗議して(本会議を)欠席した。民主党議員らは河野議長の本会議場入りを阻止するために実力行動にも出た。

 国民の多くは世論調査などで暫定税率復活に反対を表明した。だからからだを張って頑張った。国民の皆様この活躍ぶりを見てくれましたかというわけか。どうにも幼稚な行動といわざるを得ない。

 税金が25.1円かかるのだから基本的には自動的に値上がりする。消費者としては喜ぶ人はいないだろう。しかしその反発はやむをえない事情があると説得されたら不満だけどしかたがないかというふうに変化する可能性がある。

 「暫定」なのになぜ何十年も続くのか。なぜ、今や全国の知事の“顔”となった東国原宮崎県知事がテレビに頻繁に登場して必要性を訴えるのか。本当に有益な道路の建設に使われているのか。

 もちろんそういうことはすでに報道されているだろう。しかし日常生活を営む国民にとって1回や2回の報道ですべてがわかるほど簡単な世界ではない。

 自分たちの“活躍”のアピールの場とするのではなく国民生活に禍根を残さないためどのようにして国民の力を高め発揮させるか。それが政治家に求められている本当の闘う姿といいうものではないのか。(2008/5/2/No.14)

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ガソリン再値上げを忘れるな!!

 昔から商工自営業者などに比べてサラリーマンの重税感は低いと言われてきた。それは商工自営業者などは申告納税制度。一度自分のふところに手にしたカネから税金を払う。それに対してサラリーマンは源泉徴収制度。自分のカネでありながら一度もふところに入れることなく納税する。その違いだとも言われてきた。

 さてこのたびのガソリン問題。一度大幅値下げを経験したあとの大幅値上げ。人々、特にサラリーマンの心境はどうか。「忘却とは忘れ去ることなり」ということばもある。(2008/5/1/No.13)

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ガソリンスタンドの行列が終わって

 暫定税率の復活と原油高騰とでガソリンが大幅な値上げとなってきた。昨日は駆け込み需要でガソリンスタンドに車の行列ができた。

 リッターあたり30円として100リッターで3,000円。3,000円を手にするために長い行列。

 少し前、日本経済、どこぞこの店で少しくらい高くてもいいものは売れる。消費者の傾向がそうなってきたと宣伝されニュースにもなった。

 今でも一部のカネ持ちにはそうかもしれないが、日本経済、様変わりの様相も見せてきた。(2008/5/1/No.12)

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自民、一騎打ち選挙で連敗

 注目された山口2区の衆議院補欠選挙(27日投開票)は民主党(社民推薦)の候補が自民党(公明推薦)の候補を破って当選した。

 一方ほとんど大きくは報道されなかったが埼玉県議選の再選挙も定数1で同日行われ、こちらの方は立候補した自民候補でもなく民主候補でもなく共産の候補が当選した(4月28日付読売新聞=同HP)。

 山口2区の補欠選挙はガソリンの暫定税率復活問題、「後期高齢者」医療制度などを争点に争われた。

 一方、埼玉県議の再選挙は公職選挙法違反で有罪が確定した自民=離党議員の失職にともなう再選挙。

 ともに国民・住民の怒りが選挙結果としてはっきりとして表れたことは痛快しごくだ。(2008/4/28/No.9)

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聖火リレー騒動でチベット問題の何を知ったのか

 長野の聖火リレーは混乱がありながらもとりあえず無事に終わったようだが、3,000人という警察官に囲まれ、市民を遠ざけての聖火リレーに「何のための」という声をよく聞いた。この騒ぎには多額の税金が費やされているとの声も聞いた。

 ところでこのチベット問題、連日新聞・テレビで報道されているがいったいどの程度のことを知っているだろうかと考えてみた。その歴史過程、双方の言い分など。

 しかし中国のチベット地区。中国人は基本的に漢民族。それに対してチベット民族。圧倒的な漢民族がチベット民族を支配、抑圧している???。だから騒ぎが起こっている。そんなことしか思いつかない。

 騒動だけが広まったような気がする。聖火リレーにからめれば世界中に報道され、チベット問題が世界中の問題になるとの計算はなかったのだろうか。しかし妨害行為は裏目に出たような気がする。

 長野市民の中にもとにかく何事もなく終わって欲しいという人が多い。チベット問題に関心を持つというより早く終わって欲しいという問題にしてしまった。

 国際社会の対応も、たとえばフランス、中国国内でフランス企業のカルフールが不買運動をくらって軌道修正を模索している。

 結局妨害活動は多くの人に騒動があったという記憶を残しただけでチベット問題の真の姿を記憶に残すことなく終わってしまう可能性があるのではないだろうか。(2008/4/26/No.7)

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アメリカ小売売上高の落とし穴

 “三日坊主”を続けているうちに気なるニュースが続いた。その一つはアメリカの3月の小売売上高(季節調整済み)が市場予想を上回り、2カ月ぶりのプラスになったとの報道だ(米商務省が14日発表=4/14/NIKKEI NET)。

 このニュースを聞いてだからなんだと思った。この報道は「サブプライムローン」問題がアメリカの個人消費にも影響を与えてきているのではないかと言われているがそうでもないようだとの誤解を与えるための報道ではないかと思った。なぜかと言えば「住宅市場の低迷を反映して建設資材や家電製品が不振だったが、値上がりの目立つガソリンや食品の売り上げ増が全体を押し上げた」(前同)だそうだからだ。

 売上高というのは単価×数量で決まる。最近原油価格、食料品の価格高騰が続いていることは頻繁に報道されている。単価の方が上がれば数量の方が上がらなくても売上高は上がる。個人消費という観点で考えた場合、数量が増えないことに意味があるのかと思う。ましてや「家電製品が不振だった」というのは「値上がりの目立つガソリンや食品」などの生活必需品に食われて不急品が買い控えられたともいえるのではないか。

 「病は気から」ということばがある。おそらく“景気も気から”なのだろう。楽観的材料とするか悲観的材料とするか。この報道がここ最近のニューヨーク株式市場の値上がり材料の一つにすることには成功したことは確かなようだ。(2008/4/20/No.4)

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G7終了、暗さ増す世界経済

 G7=7カ国財務相・中央銀行総裁会議が終了した。世界経済の動向について「『引き続き困難な時期に直面している』」「『短期的な見通しが悪化した』」と声明の中で述べた(4/12/NIKKEI NET)。

 “震源地”はもちろんアメリカだ。アメリカの今の混迷は値上がり神話の崩壊にある。正確に言えば値上がり続けるという神話の崩壊だ。 値上がりを続けるためには人々が絶えず欲しがっていることが必要だ。欲しがらない物に値上がりはない。その点、住宅は万人が欲しがるものだ。豪邸であろうとへき地の一軒家であろうと快適な我が家はだれしもの夢だ。住宅が値上がり続ける神話の中心になったのもうなづける。

 しかし住宅には一つの難点があった。値段が高いということだ。誰しもが簡単に買えるものではない。でもでれにでも手に入らなければ売れ続けるという状態は維持できない。大富豪が何十もの部屋がある大豪邸を構えることはあっても居住用の住宅を何十も所有することはないだろう。誰しもが手を出せることが重要だ。

 そこで登場したのがサブプライムローンということになる。最初は低いローンで返しやすく、途中からリスクに合わせて高利になる。でもその時は住宅が値上がりしているから心配ない、という論理のローンだった。 住宅の値上がり分を担保にさらにローンを設定して車を買い、その他を買う。あっちこっちでものが売れるから企業業績が上がり株価が上がる。その他の証券も上がる。金持ちが増えてまたものが売れる。・・はずだった。でもそうはいかなかった。住宅、株価、証券等々、値段が下がってすべての前提が狂った。

 アメリカは今、利下げと減税でこの危機を脱しようとしている。しかし減税(戻し税)でものを買うというのは実際に持っているカネでものを買うということ。それは昔のように値上がりを前提として後で払う、そのうち返すの信用買い―実際にカネがないのにものが買えた時の消費規模と比べればはるかに小さいものになるのではないか。空前の消費景気はバブルあってのもの。バブル復活なくしてアメリカンドリームの復活もないだろう。“乱舞”の時代は終わったのだと思う。

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最高裁「“ビラ配りで侵入”有罪判決」

 自衛隊員が住む官舎でイラク派遣に反対するビラを配り、住居侵入の罪に問われた市民グループのメンバーに、最高裁判所は罰金の有罪判決を言い渡した(NHKHP/4/11/19:23) 。

 この判決、はっきり言って政治的言論に対する弾圧だと思う。判決の中で最高裁は「『この裁判で問われているのは、表現の内容の是非ではなく、その方法が妥当かどうかだ』」と述べている(前同).。「無断立ち入りを禁止する掲示があったにもかかわらず」(前同)と言うわけだ。
 しかしこの論に従うなら、ピザ、寿司その他の宅配広告ビラ、マンション販売その他の広告ビラ、これらのたぐいのビラ配りに従事している人たちの中にも該当する人がいるんじゃないかということになる。しかし実際にはそういった人たちの逮捕というようなニュースはほとんど聞かない。

 これは明らかに自衛隊員に対してイラク派遣に反対するビラを配ったという「表現の内容の是非」が問題になったのであり「その方法が妥当かどうか」が問題になったのではない。そのことは単にビラ配りをしたというだけで75日間も勾留(こうりゅう)した(asahi.com4/11/19:50)ことでも明白だ。

 この事件、判決で明らかになったことは、世の中を変えていこうという動きもあれば逆に今の世の中は絶対に変えさせないという動きもあるということだ。特に警察、自衛隊という権力を実力で支える部署では。そして最高裁といえども例外ではないということだ。

 

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